衛生管理者 関係法令(有害業務) 問28:安衛法第61条・安衛令第20条(就業制限業務)
次の業務のうち、当該業務に就くために国家試験の免許(技能講習修了ではなく免許)が必要なものはどれか。
- アフォークリフト(最大荷重1t以上)の運転業務
- イ玉掛け業務(クレーン等のつり上げ荷重1t以上)
- ウ小型移動式クレーン(つり上げ荷重1t以上5t未満)の運転業務
- エ移動式クレーン(つり上げ荷重5t以上)の運転業務正答
- オ高所作業車(作業床高さ10m以上)の運転業務
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免許が必要なのはエです。つり上げ荷重5t以上の移動式クレーンの運転には、移動式クレーン運転士免許(国家試験合格)が必要です(安衛法第61条・安衛令第20条・安衛則別表第3)。技能講習の修了では就業できません。
各選択肢の必要な資格: ア→フォークリフト運転技能講習修了(免許ではなく技能講習)。イ→玉掛け技能講習修了(技能講習)。ウ→小型移動式クレーン運転技能講習修了(技能講習・5t未満)。エ→移動式クレーン運転士免許(免許・5t以上)。オ→高所作業車運転技能講習修了(技能講習)。
就業制限業務のうち「免許」が必要なものは、技能講習よりも危険性・専門性が高い業務(大型クレーン・ガス溶接・X線等)に限られます。
主要な就業制限業務と必要な資格(免許 vs 技能講習):
| 業務 | 必要な資格の種類 | 資格名称 |
|---|---|---|
| 移動式クレーン(5t以上) | 免許(国家試験) | 移動式クレーン運転士免許 |
| クレーン・デリック(5t以上) | 免許 | クレーン・デリック運転士免許 |
| ガス溶接作業 | 免許 または 技能講習 | ガス溶接技能講習修了(または免許) |
| X線作業主任者 | 免許 | X線作業主任者免許(試験合格) |
| フォークリフト(1t以上) | 技能講習 | フォークリフト運転技能講習修了 |
| 玉掛け(1t以上) | 技能講習 | 玉掛け技能講習修了 |
| 小型移動式クレーン(1t以上5t未満) | 技能講習 | 小型移動式クレーン運転技能講習修了 |
| 高所作業車(10m以上) | 技能講習 | 高所作業車運転技能講習修了 |
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(技能講習): フォークリフト(最大荷重1t以上)の運転は「フォークリフト運転技能講習」修了で足ります(免許は不要)。
- イ(技能講習): 玉掛け業務(1t以上)は「玉掛け技能講習」修了が必要(免許は不要)。
- ウ(技能講習): 小型移動式クレーン(5t未満)は「小型移動式クレーン運転技能講習」修了で足ります。
- エ(免許): 移動式クレーン(5t以上)は「移動式クレーン運転士免許」が必要(技能講習では不可)。本問の正答。
- オ(技能講習): 高所作業車(10m以上)は「高所作業車運転技能講習」修了で足ります(免許は不要)。
【理論的背景】
就業制限業務における「免許」と「技能講習」の区別は、業務の危険性・複雑性・社会的影響の大きさによる規制強度の差を反映しています。免許制度は国家試験(学科試験・実技試験)に合格することで取得する「個人の資格証明」であり、技能講習は登録機関(民間の安全衛生団体等が運営)での講習を受講・修了することで取得します。
免許が必要な業務の特徴:
- 大型・高重量の機械・設備(5t以上のクレーン等)の操作: 操作ミスが重大な労働災害・第三者への被害につながる
- 放射線・危険ガスの取扱い: 専門的知識・技能がなければ大規模事故につながる
- 社会インフラへの影響: 建設工事・発電所等での重大事故は社会全体に影響を与える
クレーン類の資格体系(荷重と資格の対応):
移動式クレーン:
- 1t未満: 小型移動式クレーン運転特別教育修了
- 1t以上5t未満: 小型移動式クレーン運転技能講習修了
- 5t以上: 移動式クレーン運転士免許(国家試験)
クレーン・デリック:
- 5t未満の床上操作式: 床上操作式クレーン運転技能講習修了
- 5t以上: クレーン・デリック運転士免許(国家試験)
【実務・条文構造】
免許と技能講習の比較(制度的特徴):
免許(安衛法第61条・安衛則別表第3):
- 取得方法: 都道府県労働局長の登録を受けた試験機関での学科試験・実技試験(または特定の実務経験等での試験科目免除)
- 有効期限: 基本的に無期限(更新不要・ただし業務停止・取消しの場合あり)
- 管理機関: 都道府県労働局長(発行・記録管理)
技能講習(安衛法第61条・安衛則別表第9):
- 取得方法: 都道府県労働局長の登録を受けた機関(登録教育機関)での講習・修了試験(学科・実技)
- 有効期限: 基本的に無期限(業務内容変更等で一部は再教育が推奨される)
- 管理機関: 登録講習機関(修了証発行)
免許の種類(安衛則別表第3)の主な例:
- クレーン・デリック運転士免許(床上運転式・限定なし等のクラスあり)
- 移動式クレーン運転士免許
- 揚貨装置運転士免許
- ガス溶接作業主任者免許
- 林業架線作業主任者免許
- X線作業主任者免許(特定科目の試験合格)等
【試験での位置づけ】
就業制限業務問題の頻出は「クレーン5t以上=免許・5t未満=技能講習(荷重による資格の使い分け)」「フォークリフト・玉掛け・高所作業車は技能講習で足りる(免許は不要)」「特別教育は就業制限業務には使えない(最低の参入基準)」の3点です。本問では「免許が必要なもの」を選ぶ設問であり、「5t以上の移動式クレーン=免許が必要」という知識が正答の決め手です。荷重の閾値(5t以上か未満か)と免許・技能講習の対応関係を表形式で覚えると確実です。
【各選択肢の発展補足】
- ア: フォークリフト(最大荷重1t以上)の技能講習では、フォークリフトの構造・機能・操作方法・安全作業・関係法令等を学びます。日本国内の1t以上フォークリフトの台数は約70万台以上(工場・倉庫等)に及ぶため、フォークリフトの転倒・接触・挟まれ等の事故は労働災害の中でも発生頻度が高い部類です。
- イ: 玉掛け業務はクレーンで荷物を吊り上げる際に、ワイヤーロープ・フック等で荷物を固定する作業です。玉掛け不良による荷物の落下は重大災害(クレーン作業死亡事故の主要原因の一つ)につながります。1t未満の業務は特別教育・1t以上の業務は技能講習が必要です。
- ウ: 小型移動式クレーン(1t以上5t未満)の技能講習では、建設現場・倉庫等での小規模な荷の吊り上げ作業の安全知識・操作技能を習得します。最大荷重が5t未満であっても、操作誤りによる転倒・荷物の落下は死亡事故につながる可能性があります。
- エ: 移動式クレーン(5t以上)の運転士免許試験(一般財団法人安全衛生技術試験協会が実施)は、学科試験(クレーンの知識・電気・力学・法令)と実技試験(荷物の運搬等の実技・一定の実務経験がある場合は実技試験が免除される場合あり)で構成されます。大型のラフテレーンクレーン(100t以上)等の操作では特に高度な技能が求められます。
- オ: 高所作業車(作業床高さ10m以上)の技能講習では、高所での作業における安全確保・操作方法・墜落防止措置等を学びます。作業床高さ10m未満の高所作業車は特別教育で足りますが、10m以上では技能講習修了が必要です(高さによる資格の段階設定)。
【根拠法令】安衛法第61条(就業制限業務:技能講習または免許が必要)・安衛令第20条(就業制限業務の列挙)・安衛則別表第3(免許の種類:移動式クレーン運転士免許・クレーン・デリック運転士免許等)・安衛則別表第9(技能講習の種類:フォークリフト・玉掛け・小型移動式クレーン・高所作業車等)
【補足】移動式クレーン5t以上=移動式クレーン運転士免許(国家試験)が必要(技能講習では不可)。フォークリフト(1t以上)・玉掛け(1t以上)・小型移動式クレーン(5t未満)・高所作業車(10m以上)は技能講習修了で足りる。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 安衛法第61条・安衛令第20条(就業制限業務一覧)・安衛則別表第3(免許の種類)・安衛則別表第9(技能講習の種類)。移動式クレーン(5t以上)の操作は「移動式クレーン運転士免許」が必要。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。