ITパスポート 令和3年度 問9:法務に関する問題
不適切な行為a〜cのうち,不正競争防止法で規制されているものだけを全て挙げたものはどれか。 a キャンペーンの応募者の個人情報を,応募者に無断で他の目的のために利用する行為 b 他人のIDとパスワードを不正に入手し,それらを使用してインターネット経由でコンピュータにアクセスする行為 c 不正な利益を得ようとして,他社の商品名や社名に類似したドメイン名を使用する行為
- aa
- ba, c
- cb
- dc正答
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答えは d(cだけ) です。
この問題は「不正競争防止法というルールで取り締まれるのはどれ?」を聞いています。この法律はざっくり"ずるい商売のやり方"を取り締まる法律です。
- c 他社に似せたドメイン名でズルしてもうけようとする → これは"ずるい商売"なのでこの法律でアウト(〇)。
でも残りは別のルールで取り締まります。
- a 個人情報を勝手に使う → 個人情報保護法の話。
- b 他人のIDとパスワードで勝手にログイン → 不正アクセス禁止法の話。
👉 覚え方:不正競争防止法="まぎらわしい・ずるい商売"を取り締まる。
なぜこれが正解か
正解は d(cのみ)。不正競争防止法は、事業者間の公正な競争を害する行為を規制する。cの「他社の商品名・社名に類似したドメイン名を不正の利益目的で使用する行為」は、同法が定める不正競争(ドメイン名の不正取得・使用)に該当する。
各項目の判定
- a 個人情報の無断目的外利用:個人情報保護法の問題(×、不正競争防止法ではない)。
- b 他人のID・パスワードを不正入手し無断アクセス:不正アクセス禁止法の問題(×)。
- c 類似ドメイン名の不正利用:不正競争防止法で規制(〇)。
覚え方・ひっかけ注意
似た名前の法律を取り違えやすい。「不正"競争"防止法=商売のずるさ(混同・模倣・営業秘密侵害)」「不正"アクセス"禁止法=なりすましログイン」「個人情報保護法=個人データの取扱い」と、キーワードで切り分ける。
不正競争防止法の規制類型の全体像
不正競争防止法(1993年制定・頻繁に改正)は「不正競争」を限定列挙し、現行法では以下の主要類型がある。①周知表示混同惹起(有名な商品等表示と紛らわしい表示で需要者に混同を生じさせる)、②著名表示冒用(著名な表示を無断使用)、③商品形態模倣(デッドコピー)(他人の商品形態を模倣した商品の譲渡等)、④営業秘密の侵害(不正取得・使用・開示)、⑤限定提供データの不正取得等(2018年改正で追加)、⑥本問のcに当たるドメイン名の不正取得・保有・使用(不正の利益目的または他人に損害を加える目的が要件)。これらは民事責任(差止請求・損害賠償)と刑事責任(罰則)の双方が課される。
各行為の法的位置づけ
選択肢aの個人情報の目的外利用は個人情報保護法(2003年制定・2022年大改正)が規律し、利用目的の特定・通知/公表・目的外利用の制限を義務付ける。違反には個人情報保護委員会による勧告・命令・罰則がある。選択肢bの他人のID/パスワードを使った不正ログインは不正アクセス禁止法(正式名称:不正アクセス行為の禁止等に関する法律、1999年制定)が規律し、識別符号の不正利用を禁じる。同法ではフィッシングで認証情報を入手する行為・不正アクセスを助ける行為(ぜい弱性の悪用支援等)も規制対象。
実務への影響
ドメイン名紛争では不正競争防止法による差止請求のほか、JP-DRP(JPドメイン名紛争処理方針)・UDRP(国際紛争処理方針)というADR(裁判外紛争解決)手続きも活用される。商標権侵害と不正競争防止法の適用が重複する場合があり、どちらで争うかは救済範囲・立証の容易さ・コストで判断する。企業のコンプライアンス部門は不正競争防止法・個人情報保護法・不正アクセス禁止法を「セキュリティ関連三法」としてセットで管理することが多い。
上位資格への接続
基本情報技術者では営業秘密の3要件(秘密管理性・有用性・非公知性)が頻出で、これが崩れると不正競争防止法の保護を失う。応用情報以上ではサイバー攻撃とIT関連法規の関係(不正アクセス禁止法・マイナンバー法・電子署名法など)を組み合わせた問題が出題される。
選択肢の発展補足
ドメイン名の不正取得(選択肢c:正答)の具体例として、有名企業のブランド名に似たドメインを先に取得してその企業に高値で売り付ける「ドメインスクワッティング」がある。また正規サイトに似たドメインでフィッシングサイトを立てる行為は不正競争防止法のほかに不正アクセス禁止法・詐欺罪も適用されうる。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和3年度 問9/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。