ITパスポート 令和3年度 問8:経営戦略に関する問題
画期的な製品やサービスが消費者に浸透するに当たり,イノベーションへの関心や活用の時期によって消費者をアーリーアダプタ,アーリーマジョリティ,イノベータ,ラガード,レイトマジョリティの五つのグループに分類することができる。このうち,活用の時期が2番目に早いグループとして位置付けられ,イノベーションの価値を自ら評価し,残る大半の消費者に影響を与えるグループはどれか。
- aアーリーアダプタ正答
- bアーリーマジョリティ
- cイノベータ
- dラガード
AI解説(初心者・標準・上級)
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答えは a「アーリーアダプタ」 です。
新しい商品が世の中に広がるとき、人は飛びつく早さで5グループに分かれます。早い順に
① イノベータ(一番のもの好き)→② アーリーアダプタ→③ アーリーマジョリティ→④ レイトマジョリティ→⑤ ラガード(一番のんびり)。
この問題は「2番目に早くて、しかも"この商品いいよ"とみんなに広めてくれる人」を聞いています。それがアーリーアダプタ。インフルエンサーみたいな存在です。
👉 覚え方:アダプタ="いち早く取り入れる目利き"。2番目で影響力大!
なぜこれが正解か
正解は a。これはイノベーター理論(E.ロジャース)の5分類で、採用が早い順にイノベータ→アーリーアダプタ→アーリーマジョリティ→レイトマジョリティ→ラガード。問題が問う「2番目に早く、価値を自ら評価して残りの大半に影響を与える層」はアーリーアダプタ(初期採用者)。オピニオンリーダーとも呼ばれる。
各選択肢の解説
- b アーリーマジョリティ:3番目(前期多数派)。慎重で、アーリーアダプタの評価を見て追随する。
- c イノベータ:1番目(革新者)。新しさ自体を好む層で、影響力の波及役は次のアーリーアダプタ。
- d ラガード:最後(遅滞者)。流行に最も保守的。
覚え方・ひっかけ注意
各層の比率(イノベータ2.5%/アーリーアダプタ13.5%/前期多数34%/後期多数34%/ラガード16%)も頻出。1番目の"イノベータ"と2番目の"アーリーアダプタ"の入れ替えが定番のひっかけ。
理論的背景
ロジャースの「イノベーションの普及(Diffusion of Innovations)」(1962年初版・2003年第5版)は、新しいアイデア・技術・製品がどのように社会に広がるかを実証研究で体系化した。普及速度はS字曲線(ロジスティック曲線)を描き、採用時期の正規分布を積み上げた形になる。採用層の割合はイノベータ2.5%・アーリーアダプタ13.5%・アーリーマジョリティ34%・レイトマジョリティ34%・ラガード16%という具体数値が重要で、累積16%(イノベータ+アーリーアダプタ)を超えた時点で普及が加速するとされる。アーリーアダプタの特徴は「社会的地位が高く・情報リテラシーが高く・オピニオンリーダーとして周囲への影響力が大きい」点で、マーケティング施策の最重要ターゲットとなる。
キャズム理論との接続
ジェフリー・ムーア「キャズム(Crossing the Chasm)」(1991年)は、アーリーアダプタ(初期市場)とアーリーマジョリティ(主流市場)の間に「キャズム(深い溝)」が存在すると主張した。この2層は技術に対する期待が根本的に異なり、アーリーアダプタが「技術の可能性・革新性」に価値を置くのに対して、アーリーマジョリティは「実績・使いやすさ・完全なソリューション」を求める。この溝を越えられず消えたテクノロジ製品は無数にあり、SaaS・AIサービスのGTM戦略では「どうキャズムを越えるか」が中心課題となる。典型的な越え方は「ニッチ市場でベストプラクティスを確立し、そのリファレンスで隣接市場へ横展開」するボーリングピン戦略。
実務での使われ方
スタートアップのローンチ戦略では、まずイノベータとアーリーアダプタに「独占アクセス・β版優先招待・コミュニティへの帰属感」を提供してファンを作り、彼らのレビュー・事例・口コミでアーリーマジョリティへの橋渡しを設計する。Product Huntへの投稿やIndie Hackers、TechCrunchへの掲載がこの層へのリーチ手段となる。B2B SaaSでは導入企業のケーススタディがアーリーアダプタからアーリーマジョリティへの転換トリガーになる。
上位資格への接続
基本情報技術者ではプロダクトライフサイクル(導入・成長・成熟・衰退)との対応関係、AIDMA/AISASなどの購買行動モデルとの組み合わせ問題が出題される。応用情報以上ではマーケティング戦略立案の文脈でSTPとの統合的活用が問われる。
選択肢の発展補足
イノベータ(選択肢c)はリスク許容度が最も高く価格感度が低い一方で、数が少なく(2.5%)口コミ影響力もアーリーアダプタより劣る。ラガード(選択肢d)は伝統志向・変化嫌いで、採用時には製品がもはや「標準」になっていることが多い(例:スマートフォンをいまだに使わない層)。アーリーマジョリティ(選択肢b)は「慎重な実用主義者」で、既にアーリーアダプタが使っているという事実が採用の決め手になる——ここでのソーシャルプルーフの重要性はネットワーク効果のある製品で特に大きい。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和3年度 問8/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。