令和4年度27ストラテジ系

ITパスポート 令和4年度 問27:法務・個人情報に関する問題

個人情報保護法で定められた,特に取扱いに配慮が必要となる"要配慮個人情報"に該当するものはどれか。

  • a学歴
  • b国籍
  • c資産額
  • d信条正答
正答:D信条

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答えは d「信条」 です。

要配慮個人情報とは、「もれると差別やイヤな目にあいやすい、とくにデリケートな情報」のこと。だから特別に大事に扱ってね、と法律で決められています。

「信条(=その人の宗教や考え方・思想)」は、知られると差別につながりやすいので、これに当てはまります。

👉 覚え方:要配慮=「人種・信条・病歴・前科」など“バレると差別されそうなもの”。

ほかの選択肢:a 学歴/b 国籍/c 資産額。これらはふつうの個人情報ではあるけど、特別あつかいの「要配慮」には入りません。ここがひっかけ!

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なぜこれが正解か

正解は d。要配慮個人情報とは、不当な差別・偏見その他の不利益が生じないよう取扱いに特に配慮を要する情報で、法令上「人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪被害の事実」などが該当する。「信条」はこれに含まれる。

各選択肢の解説

  • a 学歴:✕ 一般の個人情報。要配慮には該当しない。
  • b 国籍:✕ 一般の個人情報。人種とは区別され、国籍自体は要配慮ではない。
  • c 資産額:✕ 一般の個人情報。
  • d 信条:○ 思想・宗教などの信条は要配慮個人情報。

覚え方・ひっかけ注意

要配慮=「差別の原因になりうるもの」。人種・信条・社会的身分・病歴・犯罪歴がコア。b 国籍は「人種」と紛らわしいが法律上は要配慮に当たらない点が頻出ひっかけ。要配慮個人情報は取得に原則本人同意が必要で、オプトアウトによる第三者提供もできない。

上級誤答論破・背景理論まで深掘り

理論的背景

個人情報保護法(令和2年・令和3年改正後)における「要配慮個人情報」(法2条3項)は、不当な差別・偏見等の不利益が生じないよう取り扱いに特別な配慮が必要な情報として列挙されており、取得・第三者提供に原則として本人の明示的な同意(オプトイン)が必要となる。

法2条3項に列挙されている要配慮個人情報(主要なもの)は以下の通り。

  • 人種
  • 信条(宗教上の信念・政治的信念等。選択肢dが正解)
  • 社会的身分
  • 病歴
  • 犯罪の経歴
  • 犯罪により害を被った事実
  • 身体障害・知的障害・精神障害等の障害
  • 健康診断等の結果
  • 医師等による指導・診療・調剤の情報
  • 刑事事件に係る手続きで不起訴・不当逮捕等の事実

「信条」は広く「思想・良心・宗教」を含む概念で、選択肢dが要配慮個人情報に該当する。

一方、本問の誤答選択肢について整理する。

  • 学歴(選択肢a):個人情報には該当するが要配慮個人情報には明示列挙されていない。ただし「社会的身分」の解釈によっては含まれうるという議論があるが、法令上の明確な列挙はない。
  • 国籍(選択肢b):「人種」と混同されやすいが、国籍そのものは要配慮個人情報の法定リストに明示的に含まれていない。なお人種・民族に関する情報は含まれる。
  • 資産額(選択肢c):財産情報は個人情報保護法上の要配慮個人情報には列挙されていない。ただし金融機関での取り扱いには別途規制がある。

実務での使われ方

要配慮個人情報は一般の個人情報と比べて厳格な管理が義務付けられており、企業では取り扱いに特化したセキュリティポリシーと業務手続きが必要となる。代表的な実務シーンとして、採用面接での健康状態・障害の確認(障害者雇用促進法の合理的配慮を除き原則聴取禁止)、医療機関での病歴・診療情報の取り扱い(医療・介護関係事業者向けガイダンス)、人事部門での健康診断結果の管理(労働安全衛生法と個人情報保護法の両方が適用)などがある。

2021年改正で「不正の利益を図る目的での特定個人情報の提供等」の罰則強化、仮名加工情報・匿名加工情報の取り扱いルール整備、漏えい等の報告義務化(重大事態は72時間以内の個人情報保護委員会への速報義務)が追加された。

試験での位置づけ

ITパスポートの法務・個人情報保護分野で出題。「要配慮個人情報の具体的な例」を問う問題で、法令に明記された列挙項目の理解が直接問われる。「学歴・国籍・資産」は「重要な個人情報」だが「要配慮」の法定リストには入っていないという逆説的な理解が正答の核。「要配慮個人情報=差別・偏見のリスクが特に高い情報(病歴・信条・犯罪歴等)」という選択基準が実践的に役立つ。

上位資格では、要配慮個人情報の取得・利用・第三者提供の各段階での義務(明示的同意の取り方)、匿名加工情報との違い(要配慮情報は匿名加工しても一定の制限が残る)、医療・金融・行政分野での特別ガイドラインまで踏み込んだ問題が出る。

選択肢の発展補足

選択肢a(学歴):学歴は履歴書・採用選考・昇進評価で広く収集・利用されるが、法律上の要配慮個人情報の列挙には含まれない。ただし出身学校への差別的扱いが「社会的身分による差別」に当たるとされた判例があり、グレーゾーンが存在する。採用時の学歴フィルターの適法性については厚生労働省ガイドラインも継続的に議論されている。

選択肢b(国籍):外国籍である事実は個人情報だが、法定の要配慮個人情報の列挙では「人種」(民族的・遺伝的起源に関する情報)が含まれ、「国籍」は明示的に含まれていない。ただし国籍情報が人種識別に直結する場合は実質的に要配慮情報と同様の取り扱いが望ましいという解釈もある。在留資格(在留カード番号等)と組み合わせた管理では別の規制(入管法)も関連する。

選択肢c(資産額):財産・資産情報は「重要な個人情報」として高いプライバシー価値を持つが、法定の要配慮個人情報リストには含まれていない。金融機関での取り扱いは金融商品取引法・銀行法の個別規制、税務情報は国税通則法・税理士法、不動産情報は不動産登記法で別途規律される。「信条が差別の根拠になりやすい」という要配慮指定の論拠(不当な差別・偏見の防止)との対比で、資産額が要配慮でない理由を理解する。

出典・引用について

出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和4年度27/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。

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