ITパスポート 令和4年度 問30:財務・会計に関する問題
営業利益を求める計算式はどれか。
- a(売上高)-(売上原価)
- b(売上総利益)-(販売費及び一般管理費)正答
- c(経常利益)+(特別利益)-(特別損失)
- d(税引前当期純利益)-(法人税,住民税及び事業税)
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答えは b です。
会社のもうけ(利益)は、段階を追って計算します。本業でどれだけ稼いだかが「営業利益」です。
計算は「売上総利益(売上から仕入れ・原価を引いた粗利)」から、「販売費及び一般管理費(お店の家賃・広告費・人件費など本業を回すための費用)」を引きます。それが営業利益。
👉 覚え方:営業利益=粗利(売上総利益)から“お店を回す経費”を引いたもの。
ほかの選択肢:a 売上−売上原価=売上総利益(粗利)/c 経常利益に特別な損益を足し引き=税引前利益の手前/d 税引前利益から税金を引く=当期純利益。利益の“段階”が違います。
なぜこれが正解か
正解は b。営業利益=売上総利益−販売費及び一般管理費。営業利益は本業の儲けを示す指標で、粗利(売上総利益)から本業を運営するための費用(人件費・広告費・地代家賃など)を差し引いて求める。
各選択肢の解説
- a 売上高−売上原価:✕ これは売上総利益(粗利)の式。
- b 売上総利益−販売費及び一般管理費:○ 営業利益の式。
- c 経常利益+特別利益−特別損失:✕ 税引前当期純利益の式。
- d 税引前当期純利益−法人税等:✕ 当期純利益の式。
覚え方・ひっかけ注意
利益の段階を順に押さえる:①売上総利益=売上−売上原価 → ②営業利益=①−販管費 → ③経常利益=②±営業外損益 → ④税引前利益=③±特別損益 → ⑤当期純利益=④−税金。「営業=本業」「経常=通常(営業外含む)」「特別=臨時」のキーワードで段階を区別する。
理論的背景
損益計算書(P/L:Profit and Loss Statement)の利益の構造は段階的に「上から積み上げていく」形式で定義されており、各段階の利益の計算式を正確に覚えることが財務分析の基礎となる。
損益計算書の利益段階は以下の順序で算出される。
1. 売上総利益(Gross Profit):売上高 − 売上原価 ← 選択肢a(「売上高 − 売上原価」)
2. 営業利益(Operating Profit/EBIT):売上総利益 − 販売費及び一般管理費(販管費) ← 選択肢b(正解)
3. 経常利益(Ordinary Profit):営業利益 + 営業外収益(受取利息等) − 営業外費用(支払利息等)
4. 税引前当期純利益(Pre-tax Net Profit):経常利益 + 特別利益 − 特別損失 ← 選択肢c
5. 当期純利益(Net Profit after Tax):税引前当期純利益 − 法人税・住民税・事業税 ← 選択肢d
本問では「営業利益を求める計算式」が問われており、「売上総利益 − 販売費及び一般管理費」という選択肢bが正解。
営業利益の意義は「本業(営業活動)から生み出した利益」であり、金融収支(受取利息・支払利息)や一時的な損益(固定資産売却益等の特別損益)を含まない「事業そのものの稼ぐ力」を示す。株式市場では企業価値評価(EV/EBIT・EV/EBITDAマルチプル)の基礎数値として広く使われる。
実務での使われ方
営業利益は企業の事業競争力を評価する最重要指標の一つで、経営者・投資家・アナリストが最も注目する利益段階。「営業利益率(営業利益÷売上高)」は事業の収益効率を示し、一般に製造業で5〜10%、IT・ソフトウェアで15〜30%、総合スーパーで1〜3%が業界の目安とされる。
KPIダッシュボード(ERPのMicrosoftDynamics・SAPのS/4HANA等)では売上総利益・営業利益・経常利益・当期純利益を「ウォーターフォールチャート(滝グラフ)」で可視化し、各費用項目の影響度を一目で把握できる。管理会計では部門別・製品別の営業利益で「利益センター(Profit Center)」管理を行い、不採算部門の改善施策につなげる。
試験での位置づけ
ITパスポートの財務・会計分野で最頻出の計算式問題。損益計算書の5段階の利益(売上総利益・営業利益・経常利益・税引前当期純利益・当期純利益)とその計算式を全て暗記することが高得点の最短ルート。本問の選択肢構成は「各段階の利益の計算式を一覧化したもの」であり、5段階全てを覚えていれば全選択肢の正誤が即座に判断できる。
上位資格では、EBIT(Earnings Before Interest and Taxes)・EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization)の定義、管理会計での限界利益(売上高−変動費)・貢献利益・損益分岐点分析(BEP)、財務分析指標(売上高営業利益率・ROA・ROE・EV/EBITDA)の計算と活用まで踏み込んだ問題が出る。
選択肢の発展補足
選択肢a(売上高 − 売上原価):売上総利益(粗利)の計算式。「売上原価」は製造業では材料費・労務費・製造間接費を含む「製品を作るのにかかったコスト」、小売業では「商品の仕入れ原価」を指す。売上総利益(粗利)率は業種比較・競合分析の基本指標であり、粗利率の改善(高付加価値化・原価低減)が事業収益性の出発点となる。
選択肢c(経常利益 + 特別利益 − 特別損失):税引前当期純利益の計算式。「特別利益」は固定資産売却益・投資有価証券売却益など非反復的な臨時利益、「特別損失」は固定資産売却損・減損損失・災害損失など非反復的な臨時損失。特別損益は経営の通常業績(経常利益)に含めないことで、一時的要因が本業評価を歪めないようにする目的がある。
選択肢d(税引前当期純利益 − 法人税・住民税・事業税):当期純利益の計算式。株主に帰属する最終利益で、配当原資・内部留保の源泉となる。EPS(1株当たり利益)=当期純利益÷発行済み株式数という計算で株式投資の基本指標として使われる。ROE(自己資本利益率)=当期純利益÷自己資本×100%も同様に当期純利益を使う重要な収益性指標。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和4年度 問30/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。