ITパスポート 令和5年度 問7:business_strategyに関する問題
経営戦略に基づいて策定される情報システム戦略の責任者として,最も適切なものはどれか。
- aCIO正答
- b基幹システムの利用部門の部門長
- cシステム開発プロジェクトマネージャ
- dシステム企画担当者
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答えは a「CIO」 です。
CIO(シーアイオー)は Chief Information Officer=最高情報責任者。会社のIT全体について一番えらく、責任をもつ役職の人です。「会社の作戦に合わせて、ITをどう使うか」を決める情報システム戦略の責任者は、このCIOです。
👉 覚え方:CIOの I=Information(情報)。社長(CEO)の情報・IT版のトップ、と覚える。
ほかの選択肢:b 利用部門の部門長=その部署の担当であり全社の責任者ではない/c プロジェクトマネージャ=個々の開発をまとめる人/d システム企画担当者=計画を作る実務担当で、最終責任者ではない。
なぜこれが正解か
正解は a CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)。経営戦略と整合した全社の情報システム戦略を策定・統括する最高責任者がCIO。経営層の一員として、IT投資の方針決定や情報化の全社方針に責任を負う立場であり、問題文の「情報システム戦略の責任者」に一致する。
各選択肢の解説
- b 基幹システム利用部門の部門長:自部門の業務には責任を持つが、全社のIT戦略の責任者ではない。
- c システム開発プロジェクトマネージャ:個別プロジェクトの計画・進行・品質に責任を持つ実行レベルの役割。
- d システム企画担当者:戦略・企画の立案を担う実務担当だが、最終的な責任者(決裁者)ではない。
覚え方・ひっかけ注意
Cがつく役職=Chief=最高責任者(経営層)。CIO(情報)・CEO(経営)・CFO(財務)・CTO(技術)・CISO(情報セキュリティ)をセットで覚える。「戦略の“責任者”」と問われたら経営層のC役職、「個別案件の責任者」ならPM、と階層で切り分けると迷わない。
理論的背景
CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)という役職は1980年代にアメリカで登場した概念だ。当初はIT部門の責任者を指す技術系役職だったが、情報システムが企業経営の中核に位置づけられるにつれ、経営戦略とITを橋渡しする経営層の役割へと進化した。CIOの機能は「IT戦略の策定」「IT投資の優先順位付けと予算管理」「IT ガバナンスの確立(組織全体のIT活用を統制する仕組み)」「情報化プロジェクトの全体最適化監督」の4つに集約される。特に重要なのは「経営戦略から情報システム戦略を導出する」役割で、単に技術に詳しい人材ではなく、ビジネスの観点からITの活用戦略を経営陣に提言できる「経営×IT」のブリッジ人材であることが本質だ。日本政府は2022年に各府省にCIO/CISOを設置する制度を整備しており、公共部門でもCIOの役割が重要視されている。
実務での使われ方
CIOの実務上の最重要テーマは「IT投資対効果の可視化」だ。IT投資をコスト(Cost)として管理する段階から、ビジネス価値を生む投資(Investment)として評価する段階への転換を主導する。主要ツールとして、バランスト・スコアカード(BSC)のIT版である「ITスコアカード」、IT投資のポートフォリオ管理(戦略的IT投資・情報化IT投資・運用IT投資の配分最適化)、EA(エンタープライズアーキテクチャ)による全社システムの統一設計が使われる。近年はCIOがDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進責任者としても期待される中、従来のIT管理(ランザビジネス:既存IT基盤の安定運用)とDX推進(チェンジザビジネス:業務変革)の両立が求められ、CDO(Chief Digital Officer)との役割分担が実務課題となっている。
試験での位置づけ
ITパスポートのストラテジ系(システム戦略・経営管理)でCIOは必出の役職名で、特に「情報システム戦略の策定責任者はCIO」という問いに確実に答えられるようにする必要がある。CxO体系(CEO・CFO・CTO・CISO・CDO等)の役割の区別も定番出題テーマで、特にCIO(社内IT戦略)とCTO(製品・サービスの技術戦略)の違いは「内向き vs 外向き」という軸で理解しておくと混同しない。基本情報技術者ではITガバナンス・EA・IT投資評価手法(TCO・ROI・NPV)・プロジェクトマネジメントとの関係まで扱う。情報処理安全確保支援士試験ではCISO(情報セキュリティ最高責任者)との関係、インシデント対応体制(CSIRT・SOC)の組織設計も問われる。
選択肢の発展補足
選択肢b(基幹システムの利用部門の部門長):自部門の業務遂行には責任を持つが、全社のIT戦略・投資判断の権限はない。利用部門は情報システム部門に対して「要求者・利用者」の立場をとり、優先順位づけや予算配分はCIOが担う。部門横断の全体最適化ができないため、情報システム戦略の責任者としては不適切だ。選択肢c(システム開発プロジェクトマネージャ):個別プロジェクトのQCDS(品質・コスト・納期・スコープ)管理が主な責任範囲であり、企業全体のIT方向性を策定する役割ではない。PMBOKやPRINCE2等のプロジェクト管理手法を使う「実行層」の役割で、CIOとは階層が異なる。選択肢d(システム企画担当者):CIOの指示のもとで具体的な企画・提案書を作成する実務担当者で、最終的な意思決定・予算確保・他部門との調整はCIOの役割だ。「担当者」という語が示す通り、組織内での権限・責任の重さが経営層と実務層では根本的に異なる。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和5年度 問7/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。