ITパスポート 令和7年度 問27:system_strategyに関する問題
業務と情報システムを最適にすることを目的として,業務と情報システムの現状の把握と目標とする理想像の設定から現状と理想との乖離を明確にし,目標に向けた改善活動を移行計画として定義したい。このときに用いられる手法として,最も適切なものはどれか。
- aBI (Business Intelligence)
- bEA (Enterprise Architecture)正答
- cMOT (Management of Technology)
- dSOA (Service Oriented Architecture)
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答えは b「EA」 です。
EAは、会社の「今の仕事のやり方やシステム」と「こうなりたい理想の姿」を絵にして、そのギャップ(ズレ)を見つけ、「じゃあどう直していこう」という改善計画を作る方法です。
問題文の「現状と理想を比べてズレを直す計画にする」が、まさにEAの説明そのものです。
👉 覚え方:EA=「今 → 理想、そのための地図づくり」。
ほかの選択肢:a BI=データを集めて経営判断に役立てる/c MOT=技術を経営にうまく生かす考え方/d SOA=システムを部品のように組み合わせる作り方。どれも“現状と理想のギャップを直す計画”の話ではありません。
なぜこれが正解か
正解は b(EA)。EA(Enterprise Architecture)は、組織の業務と情報システムを全体最適の視点で見直す手法。現状(As-Is)と理想像(To-Be)を可視化し、その乖離を分析して移行計画を策定する。問題文の記述はEAの定義そのもの。
各選択肢の解説
- a BI(Business Intelligence):蓄積データを集計・分析して経営の意思決定を支援する仕組み。業務とシステムの全体設計手法ではない。
- c MOT(Management of Technology):技術を経営に結びつけ、技術革新を事業価値に変える経営管理手法。
- d SOA(Service Oriented Architecture):業務機能をサービス単位で部品化し、組み合わせてシステムを構築する設計思想。
覚え方・ひっかけ注意
EAは「As-Is → To-Be → ギャップ分析 → 移行計画」というキーワードで判定する。EAは4つの体系(業務/データ/アプリケーション/技術アーキテクチャ)から成る点も頻出。SOAはシステム構築技法で目的が異なるため混同しないこと。
エンタープライズアーキテクチャの理論的枠組み
EA(Enterprise Architecture:エンタープライズアーキテクチャ)は、ザックマン・フレームワーク(1987年)とFEA(Federal Enterprise Architecture)を経て体系化された手法で、組織全体の業務・情報・システム・技術を四つのアーキテクチャ層で整理・統合的に管理する。四層とは(1)BA(Business Architecture:業務参照モデル):業務プロセスとビジネスフローの現状・理想、(2)DA(Data Architecture:データ参照モデル):情報・データの構造と流れ、(3)AA(Application Architecture:アプリケーション参照モデル):情報システムとアプリケーションの構成、(4)TA(Technical Architecture:技術参照モデル):ハードウェア・ネットワーク・基盤技術の構成。
EAの「AsIs→ToBe→移行計画」プロセス
設問の説明文は、EAの標準的な実施プロセスを正確に記述している。プロセスは「現状把握(AsIs:現行業務とシステムの可視化)→ 理想像設定(ToBe:目標とするあるべき姿)→ ギャップ分析(現状と理想の乖離の明確化)→ 移行計画の策定(Transition Plan)」という四段階で進行する。この移行計画は段階的に実施され、各ステップでのシステム更改・業務改革のロードマップとなる。日本では政府情報システムのEA導入が2000年代から推進されており、デジタル庁の発足後もEAの考え方はシステム整備計画の基礎として活用されている。
誤答選択肢の正確な理解
- 選択肢a(BI:Business Intelligence):既存データを分析・可視化して経営判断を支援するシステム・手法。BIは現状の分析が中心であり、理想像設定や移行計画というプロセスは含まない。
- 選択肢c(MOT:技術経営):技術革新を経営に取り込むマネジメント手法。特定の業務・ITシステムの構造化・最適化を指す概念ではない。
- 選択肢d(SOA:Service Oriented Architecture):ソフトウェアシステムを独立したサービス(API)の集合として設計するアーキテクチャ手法。ITシステムの構造設計手法であり、業務と情報システムを統合的に把握・最適化するEAとは異なる。
試験での位置づけと出題パターン
ストラテジ系「システム戦略・IT戦略」の頻出テーマ。EAはBI・SOA・MOT等の技術・経営用語と並んで設問に並べられる典型的な選択問題形式で出題される。設問の「現状把握と理想像設定、乖離の明確化、移行計画の定義」という説明文を読んでEAと即答できるかが得点ポイント。近年はデジタル庁によるガバメントクラウドやデジタル改革とEAの関係も出題の背景知識になる。
選択肢の発展補足
SOAとマイクロサービスアーキテクチャの関係も上位資格では問われる重要トピックである。SOAがエンタープライズ規模のサービス統合に重点を置くのに対し、マイクロサービスはより細粒度のサービス分割と独立デプロイを重視する現代的なアーキテクチャパターンである。基本情報技術者ではシステム構成とアーキテクチャ選択の判断基準(スケーラビリティ・保守性・開発効率のトレードオフ)まで問われる。また応用情報技術者以上では組織のシステム最適化戦略としてのEAと、ITガバナンス・IT投資マネジメントの関係が出題される。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和7年度 問27/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。