ITパスポート 令和8年度 問9:corporate_legalに関する問題
製品の製造に関連して発生する次の費用のうち、間接費だけを全て挙げたものはどれか。\na 完成した製品を検査する労務費\nb 工場の電気供給設備を保守する労務費\nc 製品の外注加工費
- aa, b
- bb正答
- cb, c
- dc
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答えは b「b」 です。
費用には2種類あります。
・直接費=「どの製品にいくらかかったか、はっきり分かる費用」
・間接費=「いろんな製品に共通でかかり、1つの製品に割り振りにくい費用」
a 完成品を検査する人の人件費→特定の製品の作業に直接ひもづくので直接費
b 工場の電気設備を保守する人の人件費→工場全体を支える共通の費用なので間接費
c 外注で加工してもらった費用→その製品のための費用なので直接費
だから間接費は b だけ。
👉 覚え方:「その製品専用→直接費」「工場みんなで共有→間接費」。
なぜこれが正解か
正解は b。原価は、特定の製品に直接ひもづけられる直接費と、複数の製品に共通して発生し配賦が必要な間接費に分かれる。
- a:完成した製品を検査する労務費→特定製品の生産に直接対応づけられる直接労務費。
- b:工場の電気供給設備を保守する労務費→工場全体を支える共通費用で、個々の製品に直接ひもづかない間接労務費(製造間接費)。
- c:製品の外注加工費→その製品のために要した費用で直接対応づく直接経費。
したがって間接費はbのみ=選択肢b。
覚え方・ひっかけ注意
判定基準は「その製品に直接結びつくか/工場全体に共通か」。"設備の保守""工場全体""共通"の語が出たら間接費を疑う。aの検査労務費は「特定製品の検査」なので直接費扱いになる点がひっかけ。外注加工費(c)は外注でも"その製品のため"なので直接費。
理論的背景
製造原価の分類は「直接費」と「間接費」の二軸、さらに「材料費・労務費・経費」の三軸で構成される。直接費は「特定の製品・サービスに直接帰属させられる費用」であり、間接費は「複数の製品・サービスで共通に発生し、配賦基準を用いて按分する費用」である。本問の判定:a「完成した製品を検査する労務費」は製品の製造工程の一部として直接製品に帰属するため直接労務費(直接費)。b「工場の電気供給設備を保守する労務費」は電力設備の保守は複数製品ライン・工場全体のインフラに関わり、特定製品に直接帰属させられないため間接労務費(間接費)。c「製品の外注加工費」は特定製品の製造を外注業者に委託した費用のため外注費(直接経費)として直接費に分類される。したがって間接費のみ=bとなる。
実務での使われ方
原価計算は製品価格設定・採算性分析・予算管理の基礎となる企業会計の根幹であり、原価計算基準(1962年大蔵省告示)に基づいて実施される。製造業では直接費・間接費の区分が損益計算書・製品別損益分析の精度を左右する。間接費の配賦は「直接労務時間法」「機械時間法」「ABC(活動基準原価計算)法」などがあり、ABCは活動コストを各製品への実際の活動消費量で配賦することで従来法より正確な製品原価を算定できる。近年のERP(SAP・Oracle・Microsoft Dynamics)導入により、間接費配賦の自動化・リアルタイム原価把握が可能になっているが、適切な配賦基準の設計は依然として管理会計担当者の専門知識が必要とされる。
試験での位置づけ
製造原価の直接費・間接費分類はITパスポートの経営・会計系問題で出題される。本問のような「複数選択肢の中から間接費のみを選ぶ」形式は誤答率が高く、特に「外注加工費」を間接費と混同するパターンが多い。外注加工費は「特定製品の加工を外部委託した費用」であり明確に特定製品に帰属するため直接費(直接経費)に分類される。会計問題は数値計算問題と定義分類問題の二形式があり、本問は後者。基本情報・応用情報ではITプロジェクトのコスト管理(EVM:アーンドバリューマネジメント)にも直接費・間接費の概念が応用され、「バジェット(計画予算)の設定・CPI(コスト効率指数)算出」のような計算問題に発展する。
選択肢の発展補足
選択肢aの製品検査労務費が直接費である根拠:製品1個を検査するために要した工数は製品原価に直接加算でき、製品単価計算の対象となる(個別原価計算で製品別原価に算入)。選択肢cの外注加工費が直接費(直接経費)である根拠:外注業者への支払金額は請求書で製品別に明確に確認できるため、特定製品への直接帰属が可能。間接費と混同しやすいのは「外注管理費用(外注業者との調整・品質管理のための間接工数)」であり、外注の仕事そのもの(外注加工費)とは別物。重要な関連概念として「固定費・変動費」分類がある。直接費のほとんどは変動費(生産量に比例して増減)だが、間接費は固定費・変動費の混合であり、この区分はCVP分析(損益分岐点分析)の基礎となる。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 ITパスポート試験 令和8年度 問9/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。