基礎的な物理学及び基礎的な化学1燃焼(引火点・発火点・燃焼範囲)

危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問1:燃焼(引火点・発火点・燃焼範囲)

引火点、発火点及び燃焼範囲(爆発範囲)に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 引火点とは、可燃性液体の表面に点火源を近づけたとき、引火するのに十分な濃度の蒸気を液面上に発生する最低の液温をいう。
  • 発火点とは、可燃性物質を空気中で加熱したとき、点火源がなくても自ら燃え始める最低の温度をいう。
  • 一般に、同一の可燃性液体では引火点は発火点よりも高い温度である。正答
  • 燃焼範囲とは、可燃性蒸気が空気と混合して燃焼できる蒸気の濃度の範囲をいい、濃度の下限値を燃焼下限界、上限値を燃焼上限界という。
  • 燃焼範囲が広い物質ほど、また燃焼下限界が低い物質ほど、一般に危険性が高い。
正答:一般に、同一の可燃性液体では引火点は発火点よりも高い温度である。

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誤っているのはウです。同じ可燃性液体では、引火点のほうが発火点より低い温度です。ウは「引火点は発火点よりも高い」と逆に書いているので誤りです。

  • 引火点: 火(点火源)を近づけると燃え出す最低の液温(低い温度)。
  • 発火点: 火がなくても加熱だけで自然に燃え出す温度(高い温度)。

つまり「火を近づければ低い温度でも燃える=引火点」「火なしで燃えるにはもっと高温が必要=発火点」という関係です。

燃焼範囲は、蒸気が空気とまざって燃えられる濃度の幅で、範囲が広いほど・下限が低いほど危険(エ・オは正しい)。引火点と発火点の大小は毎回問われます。

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3つの定義と関係:

  • ア(正): 引火点=点火源があるとき、液面上に引火可能な濃度の蒸気を発生する最低液温。ガソリンは−40℃以下、灯油は40℃以上など、物質固有の値。
  • イ(正): 発火点=点火源がなくても加熱だけで自然発火する最低温度。ガソリンは約300℃、二硫化炭素は約90℃(第4類で最低クラス)。
  • ウ(誤): 大小関係が逆。引火点 < 発火点が一般則。火を近づければ低温(引火点)で燃えるが、火なしで燃え出すにはより高温(発火点)が必要。本問の正答(誤り)。
  • エ(正): 燃焼範囲=可燃性蒸気が空気と混合して燃える濃度範囲(vol%)。下限=燃焼下限界、上限=燃焼上限界。
  • オ(正): 燃焼範囲が広いほど、燃焼下限界が低いほど危険。少量の蒸気でも・広い濃度域で燃えるため。

引火点と燃焼下限界の関係:

引火点は「液面上の蒸気濃度がちょうど燃焼下限界に達する液温」と言い換えられます。だから引火点が低い液体ほど常温で蒸気が燃焼下限界を超えやすく、危険です。ガソリン(引火点−40℃以下)は常温で常に引火危険があり、灯油(引火点40℃以上)は常温では蒸気濃度が下限に届かず引火しにくい、という違いが生まれます。

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【理論的背景】

可燃性液体そのものは燃えず、液面から蒸発した蒸気が空気と混ざって燃えます(蒸発燃焼)。だから「燃えるかどうか」は液温と蒸気濃度で決まります。ここに引火点・発火点・燃焼範囲という3つの指標が関わります。

  • 引火点: 点火源があるとき引火できる最低液温。=液面の蒸気濃度が燃焼下限界に達する温度。
  • 発火点: 点火源なしで加熱だけで燃え出す温度。蒸気と空気の混合気が、外部の火花や炎なしに反応熱で連鎖的に発火する温度。
  • 燃焼範囲: 蒸気濃度が薄すぎても濃すぎても燃えない。燃える濃度の幅(下限界〜上限界)。

【実務・条文構造】

引火点と発火点は別物理現象であり、大小関係は一般に 引火点 < 発火点。例(監修確定値):

  • ガソリン: 引火点 約−40℃以下 / 発火点 約300℃
  • 二硫化炭素: 引火点 約−30℃ / 発火点 約90℃(第4類で最低=低温の表面でも発火する危険)
  • 灯油: 引火点 約40℃以上 / 発火点 約220℃

燃焼範囲(vol%・監修確定)の例: ガソリン約1.4〜7.6、二硫化炭素約1.3〜50(広い)。範囲が広いものほど・下限が低いものほど危険性が高い。

引火点と燃焼下限界の橋渡し: 液温=引火点のとき、液面直上の蒸気濃度=燃焼下限界。引火点が低い液体は常温で蒸気濃度が下限を超え、点火源があれば即引火する。

【試験での位置づけ】

この論点は物理化学・性質の両科目で毎回出ます。核心の引っかけは(1)引火点と発火点の大小を逆にする(ウ型・最頻出)、(2)発火点を「火を近づけて燃える温度」と引火点の定義にすり替える、(3)燃焼範囲の広い/狭いと危険性の関係を逆にする、の3つ。「引火点<発火点」「範囲が広い・下限が低いほど危険」は反射で正誤判断できるようにします。二硫化炭素の発火点約90℃という具体値も頻出(蒸気管・電球の熱でも発火しうる象徴例)。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 引火点は「点火源あり」が前提。これに対し発火点は「点火源なし」。この前提の違いが定義の核。
  • イ: 発火点は反応熱の蓄積で連鎖反応が自走し始める温度。物質と条件(圧力・容器)で変わる。
  • ウ(誤・正答): 仮に引火点>発火点なら「火なしで燃える温度より、火をつけて燃える温度が高い」となり矛盾。直感でも誤りと分かる。
  • エ: 燃焼範囲は下限〜上限の濃度帯。下限未満は薄すぎ(燃料不足)、上限超は濃すぎ(酸素不足)で燃えない。
  • オ: 「範囲が広い=燃えられる濃度域が広い」「下限が低い=薄い蒸気でも燃える」ためいずれも危険性増大。ガソリンが危険なのは引火点が極低かつ下限が低いため。

【根拠】確立した化学(燃焼の基礎理論)。引火点<発火点、燃焼範囲が広い/下限が低いほど危険は確立した一般則。

【補足】引火点(点火源あり・低温)<発火点(点火源なし・高温)。引火点=液面蒸気が燃焼下限界に達する液温。二硫化炭素 発火点約90℃・燃焼範囲1.3〜50、ガソリン燃焼範囲1.4〜7.6(監修確定)。

<!-- 監修確定 2026-06-03: 正答ウ(引火点>発火点は逆で誤り)。引火点<発火点の一般則、二硫化炭素発火点90、ガソリン燃焼範囲1.4〜7.6はすべて確定。誤りなし。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した化学(燃焼の基礎理論)。引火点・発火点・燃焼範囲の定義は危険物乙四の物理化学・性質科目の基本概念。引火点と発火点の大小関係(発火点>引火点)は確立した一般則。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

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