基礎的な物理学及び基礎的な化学2静電気

危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問2:静電気

静電気に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 電気の不良導体(絶縁性の高い物質)は電気を逃がしにくいため、ガソリンなどの石油類は静電気を蓄積しやすい。
  • 液体危険物を配管中で速い流速で流したり、ろ過・かくはん・注入したりすると、静電気が発生しやすい。
  • 周囲の湿度が高いほど、静電気は空気中の水分を通じて逃げやすくなり、帯電しにくくなる。
  • 静電気の蓄積を防ぐには、容器や配管を接地(アース)して大地へ電荷を逃がすことが有効である。
  • 静電気の放電火花は、可燃性蒸気の点火源にはなり得ないため、引火の原因として考慮する必要はない。正答
正答:静電気の放電火花は、可燃性蒸気の点火源にはなり得ないため、引火の原因として考慮する必要はない。

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誤っているのはオです。静電気の放電火花は、ガソリンなどの可燃性蒸気の点火源になります。オは「点火源にはなり得ない/考慮不要」としているので誤りです。実際、給油中の静電気火花による火災は典型的な事故例です。

  • ア(正): 石油類は電気を通しにくい(不良導体)ため、発生した静電気がたまりやすい。
  • イ(正): 速い流れ・ろ過・注入で静電気が発生しやすい。
  • ウ(正): 湿度が高いと水分を通じて電気が逃げ、たまりにくい。
  • エ(正): 接地(アース)で電気を大地に逃がすのが基本対策。

「石油類は帯電しやすい」「湿度を上げる・接地・流速を抑える」が防止の3本柱。放電火花が点火源になる点が最重要です。

標準試験対策の基準レベル

静電気が危険物火災を起こす流れ:

発生(流動・摩擦)→蓄積(不良導体なので逃げない)→放電(火花)→可燃性蒸気に着火、という連鎖です。

  • ア(正): ガソリン・灯油等の石油類は電気の不良導体(絶縁性が高い)。発生した電荷が逃げず蓄積する。
  • イ(正): 配管内の高速流動、ろ過、かくはん、タンクへの注入など、液体と固体(配管・フィルター)が擦れ合う動作で静電気が発生(流動帯電)。流速が速いほど発生量が増える。
  • ウ(正): 湿度が高いと空気中・物体表面の水分が導電経路となり電荷が逃げやすく、帯電しにくい。逆に乾燥した冬季は帯電しやすい。
  • エ(正): 接地(アース)・ボンディングで電荷を大地へ逃がすのが基本対策。容器・配管・人体を等電位化する。
  • オ(誤): 静電気の放電火花は十分なエネルギーを持ち、可燃性蒸気の点火源になる。給油・注油時の静電気火災は実際に多発する。本問の正答(誤り)。

防止策の3本柱:

(1)発生を抑える(流速制限・緩やかな注入)、(2)蓄積を防ぐ(接地・導電性材料)、(3)逃がす環境(加湿・除電器)。可燃性蒸気を滞留させない換気も併用します。

上級誤答論破・根拠法令まで深掘り

【理論的背景】

静電気は、2つの物体が接触・分離(摩擦・流動・剥離)する際に電荷が移動して生じます。生じた電荷が逃げれば問題ありませんが、電気の不良導体(絶縁体)では電荷が逃げず蓄積し、電位が高まります。蓄積した電荷が一気に放電すると火花(放電火花)が飛び、これが可燃性蒸気にとって十分な着火エネルギーとなって引火します。第4類危険物(ガソリン等)はいずれも電気の不良導体であり、かつ可燃性蒸気を発生するため、静電気は最重要の点火源リスクです。

【実務・条文構造】

帯電のしやすさを決める要因と対策:

  • 物質の導電性: 不良導体(石油類)ほど帯電しやすい→導電性向上(帯電防止剤)や接地で対応。
  • 流動・摩擦の強さ: 配管内の流速が速いほど・ろ過やかくはんで帯電量が増える→流速を制限し緩やかに移送・注入する。タンクローリーからの荷下ろしでは流速管理が実務上重要。
  • 湿度: 高湿度では水分が導電経路となり電荷が逃げる→加湿(相対湿度を一定以上に保つ)が有効。乾燥した冬季は要注意。
  • 接地(アース)・ボンディング: 容器・配管・タンク・人体を大地および相互に電気的に接続し、等電位化して電荷を逃がす→最も基本かつ確実な対策。

実務での着火事例: 給油時のノズルと給油口、ドラム缶への注入、人体に帯電した静電気がノズルや車体で放電して蒸気に引火、など。セルフ式スタンドで「給油前に金属に触れて除電する」よう案内されるのはこのため。

【試験での位置づけ】

静電気は物理化学・火災予防の両面で頻出。鉄板の引っかけは(1)放電火花が点火源になることを否定する(オ型・本問)、(2)湿度と帯電の関係を逆にする(「湿度が高いほど帯電しやすい」=誤り)、(3)流速と帯電の関係を逆にする(「流速が速いほど帯電しにくい」=誤り)、(4)接地の効果を否定する、の4つ。「不良導体は帯電しやすい/湿度高い・接地・流速制限で防ぐ/放電火花は点火源」という骨格を固定すれば全問対応できます。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 導電率が低い(不良導体)=電荷が逃げず蓄積。逆に金属など導体は接地すれば帯電しない。
  • イ: 流動帯電。フィルターを通すろ過は特に帯電量が大きい。注入は液面の乱れ・気液界面でも帯電。
  • ウ: 加湿は表面に導電性の水膜を作り電荷を逃がす。目安として相対湿度を高く保つと帯電が抑制される。
  • エ: 接地・ボンディングは「逃がす」対策の代表。等電位化で電位差をなくし放電を防ぐ。
  • オ(誤・正答): 放電火花のエネルギーは可燃性蒸気の最小着火エネルギーを上回りうる。静電気火災は現実の重大リスクで「考慮不要」は明確な誤り。

【根拠】確立した物理学(静電気の発生・蓄積・放電と防止)。石油類の流動帯電・湿度/接地による防止・放電火花の点火源性は確立事実。

【補足】不良導体(石油類)は帯電しやすい/流速制限・加湿・接地(ボンディング)で防止/放電火花は可燃性蒸気の点火源になる。

<!-- 監修確定 2026-06-03: 正答オ(放電火花は点火源にならない=誤り)。不良導体の蓄積/流動帯電/湿度・接地による防止/放電火花の点火源性はすべて確立物理学と一致。数値論点なし。誤りなし。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した物理学(静電気の発生・蓄積・放電と防止策)。石油類(電気の不良導体)の流動帯電、湿度・接地による帯電防止、放電火花が点火源となる機構は危険物乙四の物理化学・火災予防の基本。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

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