危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問5:熱量・比熱・熱膨張・熱移動
比熱が2.0J/(g·K)の液体200gの温度を20℃から60℃まで上昇させるのに必要な熱量として、最も適切なものはどれか。ただし、この間に状態変化は起こらないものとする。
- ア4,000 J
- イ8,000 J
- ウ12,000 J
- エ16,000 J正答
- オ24,000 J
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正答はエです。熱量は Q=質量×比熱×温度差 で計算します。
- 質量 m=200g
- 比熱 c=2.0J/(g·K)
- 温度差 Δt=60−20=40
Q=200×2.0×40=16,000J。よってエです。
ポイントは(1)温度差は「上げた後−上げる前」、(2)3つを掛け算するだけ、です。℃の差とK(ケルビン)の差は同じ値なので、40℃上げる=40K上げる、として計算します。比熱は「物質1gを1K上げるのに必要な熱量」のことです。
熱量の計算(Q=m·c·Δt):
ある物質の温度を変えるのに必要な熱量Qは、次の式で求めます。
Q = m(質量)× c(比熱)× Δt(温度差)
本問:
- m=200g
- c=2.0J/(g·K)
- Δt=60℃−20℃=40K(℃の差はKの差と同じ)
Q=200×2.0×40=16,000J → 正答エ
用語の整理:
- 比熱: 物質1gの温度を1K(=1℃)上げるのに必要な熱量。水の比熱は約4.2J/(g·K)で大きく、温まりにくく冷めにくい。
- 熱容量: 物体全体(質量分)の温度を1K上げるのに必要な熱量=m×c。
- 顕熱: 温度変化に使われる熱(この問題の熱)。状態変化に使われる潜熱とは別。
引っかけパターン:
- 温度差の取り違え(60や20をそのまま使う)→ Δtは差の40。
- 比熱を掛け忘れる(200×40=8,000)→ イの誤答。
- 単位の混同。
式 Q=m·c·Δt に正しく代入すれば一意に16,000Jとなります。
【理論的背景】
物体に熱を加えると、その熱は(1)温度を上げる(顕熱)か、(2)状態を変える(潜熱)かのどちらかに使われます。状態変化が起こらない範囲では、加えた熱はすべて温度上昇に使われ、必要な熱量は質量・比熱・温度差の積で表されます(Q=m·c·Δt)。比熱は物質固有の値で、「その物質1gを1K上げるのに必要な熱量」を意味します。比熱が大きい物質ほど温まりにくく冷めにくい性質をもちます。
【実務・条文構造(計算過程)】
本問の計算:
- 与えられた値: m=200g、c=2.0J/(g·K)、温度は20℃→60℃。
- 温度差: Δt=60−20=40。摂氏(℃)の温度差とケルビン(K)の温度差は数値が等しいため、Δt=40K。
- 代入: Q=m·c·Δt=200×2.0×40=16,000J。
- 答え: エ(16,000J)。
検算と誤答の出方:
- 比熱を掛け忘れる: 200×40=8,000J(イ)。
- 温度差を取り違える(例: 20を使う): 200×2.0×20=8,000J(イ)など。
- 質量や比熱を半分・倍に誤る: 4,000J(ア)や24,000J(オ)等。
正しくは3要素すべてを掛けて16,000J。
危険物への接続:
- 引火性液体を加熱すると、まず顕熱で液温が上がり、引火点に達すると液面付近に引火可能な濃度の蒸気が生じる。加熱に必要な熱量や、逆に冷却(冷却消火)で奪うべき熱量を見積もる基礎が Q=m·c·Δt。
- 比熱の大きい水が冷却消火に有効なのは、同じ質量で多くの熱を奪える(蒸発熱も大きい)ためだが、第4類では液面拡大の理由で棒状注水は原則不適(性質科目)。計算の基礎と消火法の適否は別論点として整理する。
【試験での位置づけ】
熱量計算は物理化学で出る基本計算です。乙4では複雑な計算は出ず、Q=m·c·Δtへの単純代入が中心。核心は(1)温度差Δtは「後−前」、(2)℃差=K差、(3)3要素の積。引っかけは温度差の取り違え・比熱の掛け忘れです。比熱・熱容量・顕熱・潜熱の用語整理もあわせて行うと、状態変化(潜熱)の問題と区別して解けます。
【各選択肢の発展補足】
- ア(4,000J): 質量や比熱を取り違えた過小計算。
- イ(8,000J): 比熱の掛け忘れ、または温度差の取り違えによる誤答。
- ウ(12,000J): 中間的な計算ミス。
- エ(16,000J・正): 200×2.0×40の正しい計算。
- オ(24,000J): 温度差や比熱を過大にとった誤答。
【根拠】確立した物理学(Q=m·c·Δt)。
【補足】熱量=質量×比熱×温度差。温度差は後−前(℃差=K差)。比熱は1gを1K上げる熱量。顕熱(温度変化)と潜熱(状態変化)は別。
<!-- 監修確定 2026-06-03: Q=mcΔt=200×2.0×40=16000J。確立物理学(設計書P3)と一致。正答エ。℃差=K差。誤りなし=正答一意。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した物理学(熱量の式 Q=m·c·Δt)。質量m=200g、比熱c=2.0J/(g·K)、温度差Δt=60−20=40K(℃差はK差に等しい)。Q=200×2.0×40=16,000J。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。