労働衛生(有害業務以外)65食堂・炊事場・清潔設備

衛生管理者 労働衛生(有害業務以外) 問65:食堂・炊事場・清潔設備

労働安全衛生規則(安衛則)に定める食堂・炊事場に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 事業者が食事を提供するために設ける食堂では、食堂の床面積を、食事の際に利用する労働者1人あたり、1平方メートル以上確保しなければならない。
  • 炊事場(厨房)は食堂と区別して設け、炊事従業員専用の休憩室・便所を設けることが定められている。
  • 炊事場には、明るさを確保するための適切な照明設備を設けるほか、ねずみ・昆虫等の侵入・発生を防止するための措置を講ずることが義務付けられている。
  • 食堂は、炊事場から有害なガス・蒸気・粉じんを受けることのない位置に設け、食堂内で炊事作業を行わないことが原則とされている。
  • 事業者は、食堂での食事提供において、必ず管理栄養士または栄養士を配置して栄養指導を行わなければならない。正答
正答:事業者は、食堂での食事提供において、必ず管理栄養士または栄養士を配置して栄養指導を行わなければならない。

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誤りはオです。安衛則第632条は「1回100食以上または1日250食以上の給食を行うときは栄養士を置くように努めなければならない」(努力義務)と定めており、「必ず管理栄養士または栄養士を配置しなければならない」という配置義務は規定されていません。食堂での食事提供のすべてに栄養士配置を義務付ける条文は存在しないため、オは誤りです。

ア(床面積1m²/人以上・第630条)・イ(炊事場と食堂の区別・炊事従業員専用の休憩室と便所・第630条)・ウ(照明・防虫防鼠・第630条)・エ(炊事場から有害ガス等を受けない位置・採光換気・第630条)はすべて安衛則に規定された正しい内容です。

標準試験対策の基準レベル

各選択肢の正誤と根拠(安衛則第629条〜第632条):

  • ア(正): 安衛則第630条により、食堂の床面積は「食事の際の1人について1平方メートル以上」確保することが義務付けられています。これは食堂での食事が安全・快適に行えるための最低限の空間基準です。
  • イ(正): 安衛則第630条により、食堂と炊事場とは区別して設けることが義務付けられています。また同条第11号で「炊事従業員専用の休憩室及び便所」の設置が規定されており、炊事従業員の衛生管理を通じて食品への汚染を防ぐ設計となっています。
  • ウ(正): 安衛則第630条により、炊事場の採光・換気を十分にすること、はえその他の昆虫・ねずみ・犬・猫等の害を防ぐための設備を設けることが義務付けられています。食品を取り扱う場所での害虫・害獣対策は食中毒予防の基本です。
  • エ(正): 安衛則第630条により、食堂・炊事場は便所や廃物だめから適当な距離のある場所に設け、採光・換気が十分でそうじに便利な構造とすることが義務付けられています。調理中に発生するガス・蒸気・油煙等が食事の場所に流入しないようにする趣旨です。
  • オ(誤): 栄養士の配置は安衛則第632条で「1回100食以上または1日250食以上の給食を行うときは栄養士を置くように努めなければならない」=努力義務です。「必ず管理栄養士または栄養士を配置して栄養指導を行わなければならない」という義務規定ではありません。
上級誤答論破・根拠法令まで深掘り

【理論的背景】

職場の食堂・炊事場に関する衛生基準は、事業場内での食中毒予防・労働者の栄養管理・食環境の快適性を目的として労働安全衛生規則(安衛則)第3編第8章(第629条〜第632条)に規定されています(事務所則ではなく安衛則に置かれている点に注意)。食堂・炊事場の衛生管理は飲食店等に適用される食品衛生法とは別に、労働衛生の観点から規制されており、衛生管理者・産業保健スタッフが確認すべき重要な職場環境要素です。

食堂・炊事場の衛生管理における主要なリスク:

1. 食中毒リスク: 食材の温度管理不備・交差汚染・不十分な加熱・調理者の手指衛生不備

2. 害虫・害獣による汚染: ゴキブリ・ネズミ・ハエ等が食品や調理器具を汚染

3. 環境衛生リスク: 炊事場の換気不足による有害ガス・蒸気・油煙の食堂への流入

【実務・条文構造】

安衛則の食堂・炊事場関連規定の全体:

| 条文 | 規定内容 |

|---|---|

| 第629条 | 一定の有害作業場では作業場外に適当な食事設備を設ける(事業場内で食事しない場合を除く) |

| 第630条 | 食堂・炊事場の構造・衛生基準(下記の各号) |

| 第631条 | 栄養の確保及び向上に必要な措置(給食実施時の努力義務) |

| 第632条 | 栄養士: 1回100食以上または1日250食以上の給食を行うとき置くよう努める(努力義務) |

安衛則第630条の主な号(食堂・炊事場の基準):

| 号(要旨) | 規定内容 |

|---|---|

| 食堂・炊事場の区別 | 食堂と炊事場とは区別して設け、採光・換気が十分でそうじに便利な構造とする |

| 位置 | 便所・廃物だめから適当な距離のある場所に設ける |

| 食堂の床面積 | 食事の際の1人について1m²以上 |

| 害虫等の防止 | はえ・昆虫・ねずみ・犬・猫等の害を防ぐ設備を設ける |

| 飲用水 | 清浄な水を十分に備える |

| 炊事従業員専用施設 | 炊事従業員専用の休憩室及び便所を設ける |

| 作業衣等 | 炊事専用の清潔な作業衣を使用させる・炊事場への出入り制限 |

栄養士配置の根拠法令(混同に注意):

| 法令 | 対象 | 栄養士の関与 |

|---|---|---|

| 安衛則第632条 | 事業場で1回100食以上または1日250食以上の給食 | 栄養士を置くよう努める(努力義務・配置義務ではない) |

| 健康増進法第21条 | 特定給食施設(継続的に1回100食以上または1日250食以上) | 都道府県知事の指定があれば管理栄養士配置義務(その他は栄養士配置の努力義務等) |

食中毒予防の3原則(食堂・炊事場での実務):

1. つけない: 手洗い・衣服管理・器具の衛生管理・食材の分別保管

2. 増やさない: 食材の低温管理(冷蔵・冷凍)・迅速な調理・提供

3. やっつける: 十分な加熱(食材の中心温度75℃以上1分以上・ノロウイルスは85〜90℃90秒以上)

炊事従業員の健康管理(食品衛生上の義務):

  • 化膿性疾患(傷・おでき)・下痢・嘔吐・発熱等の症状がある従業員の作業からの排除
  • 検便(腸内細菌検査)の実施(事業場・地域の衛生管理規則による)

【試験での位置づけ】

食堂・炊事場の問題では「食堂の床面積1m²/人以上(安衛則第630条)」「炊事場と食堂の区別義務」「炊事従業員専用の休憩室及び便所」「採光・換気・防虫防鼠」「栄養士は1回100食以上または1日250食以上で置くよう努める=努力義務(安衛則第632条)」が頻出です。オのような「必ず栄養士を配置しなければならない(義務)」という誤りは、努力義務を絶対的義務に格上げした典型的な引っかけです。なお食堂・炊事場の規定は事務所則ではなく安衛則に置かれている点も押さえます。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 食堂の床面積1m²/人(安衛則第630条)という基準は「食事がとれる最低限の空間」として設定されています。利用時間がずれる場合(全員が同時に食堂を使わない場合)は最大利用人数で計算します。大企業の社員食堂では通常この基準を大幅に超える広さが確保されていますが、小規模事業場での簡易食堂では注意が必要です。
  • イ: 安衛則第630条第11号の「炊事従業員専用の休憩室及び便所」の設置義務は、炊事従業員の衛生状態を一般労働者と分けて管理し、食品への汚染リスクを下げるためのものです。条文上は「休憩室及び便所」であり「更衣室」ではない点に注意します。
  • ウ: ねずみ・昆虫等の害を防ぐ設備としては、排水溝・換気口へのスクリーン設置・防虫灯の設置・定期的な清掃・食材の密封保管・専門業者による防除(ペストコントロール)が実務上行われます。
  • エ: 食堂・炊事場を便所・廃物だめから適当な距離に設け、採光・換気を十分にする基準は、換気設備の設計と密接に関係します。炊事場には大型の排気フード・換気扇を設置し、炊事場からの油煙・水蒸気が食堂に流れ込まないよう負圧管理(炊事場を相対的に負圧に保つ)が推奨されます。
  • オ: 安衛則第632条の栄養士は「努力義務」(置くよう努める)であって配置義務ではありません。一方、健康増進法に基づく特定給食施設のうち都道府県知事が指定するものでは管理栄養士の配置が義務となる場合がありますが、これは栄養管理を目的とする別制度です。安衛則と健康増進法のいずれを根拠としても、本選択肢の「必ず配置しなければならない」は誤りです。

【根拠法令】労働安全衛生規則(安衛則)第629条〜第632条(食堂及び炊事場)。

【補足】食堂の床面積=1人あたり1m²以上(安衛則第630条)。炊事場と食堂は区別して設け、炊事従業員専用の休憩室及び便所を設ける。栄養士は1回100食以上または1日250食以上で「置くよう努める」=努力義務(安衛則第632条)であり配置義務ではない。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生規則(安衛則)第629条〜第632条(食堂及び炊事場)。栄養士は安衛則第632条で「1回100食以上または1日250食以上の給食を行うときは栄養士を置くように努めなければならない」=努力義務であり、「必ず配置しなければならない」という義務規定ではない。なお食堂・炊事場の規定は事務所則ではなく安衛則に置かれている。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

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科目別に解いて、衛生管理者に合格

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