基本情報 平成31年度 春期 問67:ストラテジ系に関する問題
企業経営で用いられるコアコンピタンスを説明したものはどれか。
- a企業全体の経営資源の配分を有効かつ統合的に管理し, 経営の効率向上を図る ことである。
- b競争優位の源泉となる, 他社よりも優越した自社独自のスキルや技術などの強 みである。正答
- c業務プロセスを根本的に考え直し, 抜本的にデザインし直すことによって, 企 業のコスト, 品質, サービス, スピードなどを劇的に改善することである。
- d最強の競合相手又は先進企業と比較して, 製品,サービス, オペレーションな どを定性的・定量的に把握することである。
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答えは b です。
コアコンピタンスは「自社の超得意分野」のこと。他社が真似できない、勝てる強み。
例えば、トヨタの“カイゼン”、ホンダの“エンジン技術”、ユニクロの“素材開発力”みたいな。
👉 覚え方:コア=核、コンピタンス=能力 → 会社の核となる強み。
ほかの選択肢:a 経営資源管理=ERM/経営管理/c 業務プロセス抜本見直し=BPR/d 他社と比較分析=ベンチマーキング。
なぜこれが正解か
正解は b。コアコンピタンスは、他社が容易に模倣できない、競争優位の源泉となる自社独自のスキル・技術・知識・組織能力。Hamel & Prahalad(1990)が提唱した経営戦略概念で、企業の長期競争力の核心と位置づけられる。
各選択肢の解説
- a 経営資源配分の有効・統合管理:経営管理/ERMの説明。
- c 業務プロセス根本見直しで劇的改善:BPR(Business Process Reengineering)。Hammer & Champyが提唱。
- d 競合・先進企業と比較把握:ベンチマーキング。
覚え方・ひっかけ注意
コアコンピタンスの3条件(Prahalad & Hamel):
1. 顧客に認識される価値を提供
2. 競合他社が模倣困難
3. 複数事業・市場に展開可能
この3つを満たす能力がコアコンピタンス。単なる「強み」ではなく、戦略的価値を持つ持続的競争優位の源泉。
理論的背景
コアコンピタンス論はGary HamelとC.K. Prahaladの1990年HBR論文『The Core Competence of the Corporation』で提唱。リソースベースドビュー(RBV)の中核概念で、Jay BarneyのVRIO分析(Value、Rarity、Imitability、Organization)と概念的に近い。「企業は事業ポートフォリオではなく、コアコンピタンスの集合体である」という視点転換が革新的だった。
VRIO分析との対応
- Value(経済価値):顧客に価値を提供するか
- Rarity(希少性):競合が持っていないか
- Imitability(模倣困難性):歴史的経路依存、因果曖昧性、社会複雑性
- Organization(組織):能力を活用する組織体制があるか
全て満たせば持続的競争優位(Sustained Competitive Advantage)。
関連戦略概念
- ダイナミック・ケイパビリティ(Teece):環境変化に応じてコアコンピタンスを再構築する能力
- 両利きの経営(March、O'Reilly):既存事業の深化と新規事業の探索の両立
- アンゾフのマトリクス:既存/新の市場×製品マトリクスで成長戦略
- ポーターの一般戦略:コストリーダーシップ・差別化・集中
- ブルーオーシャン戦略:競争のない市場創造
実務での使われ方
- トヨタ:TPS(カンバン、ジャストインタイム、カイゼン)
- Apple:UX設計、エコシステム統合、ブランド
- Google:検索アルゴリズム、機械学習、データ規模
- AWS:クラウドオペレーション、スケール
- Sony:イメージセンサ、ゲームコンテンツIP
これら企業はコアコンピタンスを中心に多角化や新規事業を展開している。
試験での位置づけ
基本情報・応用情報のストラテジ分野で頻出。ITストラテジスト・中小企業診断士でも基礎概念として必出。経営戦略論の主要フレームワーク(SWOT、5フォース、PEST、3C、BSC)と並ぶ。
選択肢の発展補足
BPRは1990年代に流行したが、現代はDX(デジタルトランスフォーメーション)として再評価。デジタル技術で業務・組織・ビジネスモデルを根本変革する。BPRがプロセス変革中心だったのに対し、DXはビジネスモデル変革まで踏み込む。経済産業省『DXレポート』でも「2025年の崖」とともに語られる重要概念。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成31年度 春期 問67/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。