基礎的な物理学及び基礎的な化学36酸化還元・酸化熱

危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問36:酸化還元・酸化熱

自然発火に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 自然発火とは、外部から火源を与えなくても、物質が常温の空気中で自然に発熱し、その熱が蓄積して発火点に達して燃え出す現象である。
  • 発生した熱が周囲に放散されにくい状態(通風が悪い・堆積している)ほど、自然発火が起こりやすい。
  • 動植物油のうち、ヨウ素価の高い乾性油は自然発火を起こしやすい。
  • 油のしみ込んだ布や紙くずを、通風の悪い場所に積み重ねて放置すると自然発火のおそれがある。
  • 自然発火は発熱反応によるものなので、周囲の温度が低いほど起こりやすくなる。正答
正答:自然発火は発熱反応によるものなので、周囲の温度が低いほど起こりやすくなる。

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誤っているのはオです。自然発火は熱がたまって起こるので、周囲の温度が高いほど起こりやすくなります(低いほど、は逆)。

  • ア(正): 火源なしで自然に発熱・蓄積して発火点に達する。
  • イ(正): 熱が逃げにくいほど起こりやすい。
  • ウ(正): ヨウ素価の高い乾性油は起こしやすい。
  • エ(正): 油のしみた布の堆積放置は危険。
  • オ(誤): 周囲温度が高いほど起こりやすい。

「自然発火=熱の蓄積/放熱が悪い・温度が高いほど危険」を押さえます。

標準試験対策の基準レベル

自然発火の条件:

自然発火は、外部の火源なしに、物質内部で生じた熱(多くは酸化熱)が放散されずに蓄積し、温度が上昇して発火点に達して燃え出す現象です。

起こりやすくなる条件:

  • 発熱(酸化)が進みやすい: ヨウ素価の高い乾性油(アマニ油等)は酸化されやすい(ウ=正)。
  • 熱が逃げにくい: 通風が悪い、堆積している、断熱状態(イ・エ=正)。
  • 周囲温度が高い: 反応が速まり蓄熱しやすい。
  • 表面積が大きい(布にしみ込む等)。

選択肢:

  • ア(正): 火源なしで自然に発熱・蓄積して発火点に達する=自然発火の定義。
  • オ(誤): 自然発火は熱の蓄積によるので、周囲温度が高いほど起こりやすい。「低いほど起こりやすい」は逆で、本問の正答。

引っかけパターン: 周囲温度と起こりやすさの関係を逆にする、放熱条件(通風)の影響を逆にする。「酸化熱が蓄積・放熱が悪く温度が高いほど自然発火しやすい」を固定します。乾性油(ヨウ素価130以上)が代表例です。

上級誤答論破・根拠法令まで深掘り

【理論的背景】

通常の燃焼は外部の点火源で始まりますが、自然発火は点火源なしに物質自身が発熱して燃え出す現象です。鍵は「発熱速度」と「放熱速度」のバランスです。物質内部で酸化等の発熱反応が進み、その熱が周囲へ逃げる速さ(放熱)を上回って蓄積すると、温度がどんどん上がり、ついに発火点に達して発火します。したがって、発熱しやすく・放熱しにくい状況ほど自然発火が起こりやすくなります。

【起こりやすさを決める要因】

発熱を増やす要因:

  • 酸化されやすい物質(乾性油=ヨウ素価130以上。半乾性油100〜130、不乾性油100以下)。
  • 表面積が大きい(布・紙にしみ込む、粉状)。
  • 触媒・不純物の存在。

放熱を妨げる要因:

  • 通風が悪い・堆積している・断熱(熱が逃げない)。
  • 大量に山積み(中心部に熱がこもる)。

周囲条件:

  • 周囲温度が高いほど酸化反応が速く、蓄熱しやすい。
  • 湿気等も条件により影響。

【危険物との接続】

  • 動植物油類: 乾性油(アマニ油・キリ油等、ヨウ素価130以上)は二重結合が多く酸化されやすいため、布にしみ込ませて通風の悪い場所に積むと、酸化熱が蓄積して自然発火する。実際に油のしみた布・ウエスの堆積放置は火災原因として知られる。動植物油類の引火点は高い(250℃未満)が、自然発火(低温酸化の蓄積)という別経路の危険がある点が重要。
  • 予防: 油のしみた布は密閉容器に入れるか水に浸す、積み重ねず広げて乾かす、通風を確保する、冷暗所に置く。

【試験での位置づけ】

自然発火は物理化学・性質科目で頻出(頻出度B)です。核心は、(1)自然発火=火源なしで酸化熱等が蓄積して発火点に達する、(2)放熱が悪い・堆積・通風不良・周囲温度が高いほど起こりやすい、(3)乾性油(ヨウ素価130以上)が代表、(4)油のしみた布の堆積放置が危険、です。引っかけは、周囲温度の影響を逆にする(本問のオ)、放熱条件を逆にする、乾性/不乾性のヨウ素価を取り違える、です。「発熱>放熱で蓄熱→発火」という収支で理解すると確実です。

【各選択肢の発展補足】

  • ア(正): 火源なしで自然発熱・蓄積し発火点に達する。
  • イ(正): 熱が逃げにくいほど起こりやすい。
  • ウ(正): ヨウ素価の高い乾性油は起こしやすい。
  • エ(正): 油のしみた布の堆積放置は危険。
  • オ(誤・正答): 周囲温度が高いほど起こりやすい。低いほど、は逆。

【根拠】確立した化学(自然発火・酸化熱の蓄積)。

【補足】自然発火=酸化熱等が放散されず蓄積→発火点。放熱が悪い・堆積・通風不良・周囲温度が高いほど起こりやすい。乾性油(ヨウ素価130以上)が代表。油布の堆積放置に注意。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した化学(自然発火・酸化熱の蓄積)。自然発火は、酸化熱等の発熱が放散されずに蓄積し、温度が発火点に達して起こる。放熱が悪い・堆積・通風不良・周囲温度が高いほど起こりやすい。よって「周囲温度が低いほど起こりやすい」は誤り(高いほど起こりやすい)。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

関連論点

自然発火の条件と仕組み頻出度B

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