危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問52:密度・比重
次の物質の蒸気比重(空気の平均分子量を29とする)として、最も近い値の組合せとして**正しいもの**はどれか。 メタノール(分子量32)と二硫化炭素(分子量76)の蒸気比重を求めよ。
- アメタノール 約1.1・二硫化炭素 約2.6正答
- イメタノール 約1.6・二硫化炭素 約2.6
- ウメタノール 約1.1・二硫化炭素 約1.6
- エメタノール 約2.6・二硫化炭素 約1.1
- オメタノール 約0.9・二硫化炭素 約2.6
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正しいのはアです。蒸気比重は分子量÷29で計算します。
- メタノール(分子量32): 32 ÷ 29 ≒ 1.1
- 二硫化炭素(分子量76): 76 ÷ 29 ≒ 2.6
どちらも蒸気比重>1なので、空気より重く低所に滞留します。
計算は割り算一つで済みます。「分子量÷29(空気)」と覚えてください。答えが1より大きければ空気より重い、1未満なら軽いと判断できます。
蒸気比重の計算:
蒸気比重 = 物質の分子量 ÷ 空気の平均分子量(29)
本問の計算:
- メタノール(CH3OH): C=12, H=1×4=4, O=16 → 分子量=32。
蒸気比重=32÷29≒1.10
- 二硫化炭素(CS2): C=12, S=32×2=64 → 分子量=76。
蒸気比重=76÷29≒2.62
よってア(メタノール約1.1・二硫化炭素約2.6)が正答。
各選択肢の確認:
- ア(正): 1.10と2.62で正確。
- イ(誤): メタノールを1.6と誤計算(16÷29の誤り等)。
- ウ(誤): 二硫化炭素を1.6と誤計算。
- エ(誤): 値が入れ替わっている。
- オ(誤): メタノールを0.9(空気より軽い)としているが誤り(蒸気比重1.1で空気より重い)。
引っかけパターン: 分子量の計算ミス(メタノールの原子数誤り)・メタノールを「水溶性だから蒸気比重が小さい」と誤解・値の入れ替え。「蒸気比重=分子量÷29、どちらも>1で低所滞留」を固定します。
【理論的背景】
蒸気比重は「ある気体と同体積の空気との質量比」であり、気体の状態方程式から導くと蒸気比重=気体の分子量÷空気の平均分子量(約29)という関係が成り立ちます。これは確立した物理法則(アボガドロの法則:同温・同圧・同体積の気体は同数の分子を含む)に基づいており、同体積あたりの質量の比=分子量の比になります。空気は窒素(約78%)と酸素(約21%)等の混合気体で、平均分子量が約29です。
【計算の確認】
メタノール(CH3OH、分子量32):
- C: 12、H: 1×4=4(メチル基CH3の3個+ヒドロキシ基OHの1個=4個)、O: 16 → 合計32
- 蒸気比重=32÷29≒1.10
- 蒸気比重>1→空気より重い→低所に滞留
二硫化炭素(CS2、分子量76):
- C: 12、S: 32×2=64 → 合計76
- 蒸気比重=76÷29≒2.62
- 蒸気比重>1→空気より重い→低所に滞留
参考として他の主要第4類物質の蒸気比重:
- ジエチルエーテル(C2H5OC2H5、分子量74): 74÷29≒2.55
- エタノール(C2H5OH、分子量46): 46÷29≒1.59
- ガソリン(混合物): 蒸気比重約3〜4(設計doc確定値)
いずれも蒸気比重>1であり、第4類危険物の蒸気はすべて空気より重いと覚えておけばよいです。
【危険物との接続】
蒸気比重>1という性質は、第4類危険物の「蒸気が低所に滞留する」という貯蔵・取扱上の最大特徴につながります。
- 換気設計: 低所に滞留するため、換気口(排気口)を床近くに設置し、蒸気を屋外に効率よく排出する。
- 漏えい時の危険: 液体が少量漏えいしても、低沸点・低引火点の物質(特殊引火物等)は瞬時に蒸発し蒸気が広がる。蒸気は低所に流れて遠方の点火源(数十m先)でも引火することがある。
- メタノール特有の危険: 蒸気比重約1.1で滞留しやすい。無色・無臭性が高く、蒸気の存在が感知しにくい。かつ引火点11℃(低い)・毒性(視神経障害)も重なる。
- 二硫化炭素特有の危険: 蒸気比重2.6に加え、発火点約90℃(第4類で最低)のため、高温面(蒸気管・電球・ホットプレート等)でも発火する危険がある。蒸気が広がった空間に100℃未満の熱源があっても着火し得る。
【試験での位置づけ】
蒸気比重の計算は物理化学で頻出(頻出度A)の計算問題です。核心は、(1)蒸気比重=分子量÷29、(2)計算結果が1より大きければ空気より重く低所に滞留、(3)第4類危険物はすべて蒸気比重>1、です。計算は単純な割り算一つ(乙四では重い計算は不要)で、分子量を正しく出す(原子量: H=1, C=12, N=14, O=16, S=32)ことが鍵です。引っかけは分子量の計算誤りと、「水溶性だから軽い」「アルコールだから比重が小さい」などの誤解です。「分子量÷29、結果が1より大きければ低所滞留」を固定します。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): メタノール1.1・二硫化炭素2.6(分子量÷29の計算で確認)。
- イ(誤): メタノールの分子量を誤認した場合の誤り。
- ウ(誤): 二硫化炭素の分子量を誤認した場合の誤り。
- エ(誤): 2物質の値を入れ替えた誤り。
- オ(誤): メタノールの蒸気比重を1未満(空気より軽い)としているが誤り。
【根拠】確立した物理学(アボガドロの法則・蒸気比重=分子量÷29)。設計doc §1-2確定値(メタノール蒸気比重1.1、二硫化炭素蒸気比重2.6)と一致。
【補足】蒸気比重=分子量÷29。第4類危険物はすべて蒸気比重>1で低所滞留。原子量(H=1, C=12, O=16, S=32)の暗記が計算の鍵。
<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): メタノール32÷29≒1.10・二硫化炭素76÷29≒2.62検算一致(§1-2確定値1.1/2.6)。正答ア一意。出典/advancedの分子量内訳の冗長・誤記(メチル基内訳/誤字)を修正。OK -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した物理学。蒸気比重=分子量÷空気の平均分子量(29)。メタノール(CH3OH)分子量=C:12+H4:4+O:16=32、32÷29≒1.10。二硫化炭素(CS2)分子量=12+32×2=76、76÷29≒2.62。設計doc §1-2確定値(メタノール蒸気比重1.1・二硫化炭素2.6)と一致。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。