基礎的な物理学及び基礎的な化学83化学反応式・物質量

危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問83:化学反応式・物質量

物質量(mol)に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 1 mol の物質には約 6.0×10²³ 個の粒子(原子・分子)が含まれる。
  • 分子量が 32 の物質(例: メタノール CH3OH)の場合、1 mol の質量は 32 g である。
  • 二酸化炭素(CO2)の分子量は、C(原子量12)+O(原子量16)×2 = 44 である。
  • 分子量が大きい物質ほど、1 mol 当たりの質量(g)が少ない。正答
  • 空気の平均分子量は約 29 であり、蒸気比重の計算に使われる。
正答:分子量が大きい物質ほど、1 mol 当たりの質量(g)が少ない。

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誤っているのはエです。分子量が大きい物質ほど、1 mol あたりの質量(g)は多く(大きく)なります。「少ない」は逆の記述です。

モル質量(g/mol)= 分子量の数値と同じ。

  • ア(正): 1 mol ≒ 6.0×10²³ 個(アボガドロ数)。正しい。
  • イ(正): 分子量 32 の物質は 1 mol = 32 g。メタノール(CH3OH)の分子量 = 12+4×1+16+1 = 32。正しい。
  • ウ(正): CO2 の分子量 = 12 + 16×2 = 44。正しい。
  • エ(誤): 分子量大→1 mol の質量(g)が多い(大きい)。「少ない」は逆。
  • オ(正): 空気の平均分子量 ≒ 29(N2:78%・O2:21%等の平均)。蒸気比重 = 分子量/29 の分母として使われる。正しい。

分子量とモル質量(g/mol)は同じ数値で比例関係です。

標準試験対策の基準レベル

物質量(mol)と分子量の関係(確立した化学):

| 定義 | 内容 |

|---|---|

| 1 mol | 粒子(原子・分子)が約6.02×10²³ 個(アボガドロ数) |

| モル質量(g/mol) | 分子量と同じ数値(g/mol の単位) |

| 分子量の求め方 | 構成原子の原子量の総和 |

主な原子量(確定値): H=1, C=12, N=14, O=16, S=32, Cl=35.5

代表例:

  • メタノール(CH3OH): C(12)+H(1)×4+O(16) = 32。1 mol = 32 g
  • エタノール(C2H5OH): C(12)×2+H(1)×6+O(16) = 46。1 mol = 46 g
  • CO2: C(12)+O(16)×2 = 44。1 mol = 44 g
  • ガソリン(混合物のため概数で分子量 ≒ 87〜114程度)

各選択肢:

  • ア(正): アボガドロ定数 ≒ 6.02×10²³ /mol。正しい。
  • イ(正): CH3OH の分子量 = 12+1×4+16 = 32。1 mol = 32 g。正しい。
  • ウ(正): CO2 = C(12)+O(16)×2 = 12+32 = 44。正しい。
  • エ(誤): 分子量大→モル質量大(1 mol の質量が多い)。「少ない」は逆。
  • オ(正): 空気の平均分子量 ≒ 29(N2 78%・O2 21%等の重量平均)。蒸気比重 = 蒸気の分子量/29 で計算。正しい。

第4類への接続: 蒸気比重 = 分子量/29 > 1 の物質(ほぼ全第4類)は空気より重く低所に滞留→引火危険。

上級誤答論破・根拠法令まで深掘り

【理論的背景:mol と分子量の関係】

物質量(mol、モル)は「アボガドロ数(NA ≒ 6.022×10²³)個の粒子を1 mol」と定義した量です。分子量(molecular weight)は「分子を構成する原子の原子量の総和」で無次元の相対値です。1 mol の質量(モル質量、molar mass)は分子量の数値に g/mol の単位を付けたものと一致します。

例:

  • H2O(水): H(1)×2 + O(16) = 18。1 mol = 18 g/mol
  • CH4(メタン): C(12) + H(1)×4 = 16。1 mol = 16 g/mol
  • C2H5OH(エタノール): C(12)×2 + H(1)×6 + O(16) = 46。1 mol = 46 g/mol

「分子量が大きいほどモル質量が大きい(1 mol の質量が重い)」は mol の定義から自明の正比例関係です。

【蒸気比重の計算と第4類危険物】

蒸気比重 = 蒸気の分子量 / 空気の平均分子量(≒ 29)

この計算は危険物の物理化学で重要です:

  • ジエチルエーテル(C2H5OC2H5): 分子量 = C(12)×4 + H(1)×10 + O(16) = 74。蒸気比重 ≒ 74/29 ≒ 2.55(空気より重い)
  • メタノール(CH3OH): 分子量 = 32。蒸気比重 ≒ 32/29 ≒ 1.10(空気より僅かに重い)
  • エタノール(C2H5OH): 分子量 = 46。蒸気比重 ≒ 46/29 ≒ 1.59

第4類の主要物質は蒸気比重 > 1(空気より重い)→低所・床面に滞留→引火危険。

【各選択肢の発展補足】

  • ア(正): アボガドロ定数(NA ≒ 6.02×10²³ /mol)は化学の基本定数。1 mol に含まれる粒子数の定義。
  • イ(正): メタノール CH3OH は分子式 CH4O(C1・H4・O1)。分子量 = C(12) + H(1)×4 + O(16) = 12 + 4 + 16 = 32。よって 1 mol = 32 g。CH3 の H が3個・OH の H が1個で水素は計4個(CH3OH を CH4O とまとめて数えると間違えにくい)。
  • ウ(正): CO2 = 12+16×2 = 44。基本的な計算。CO2 の分子量44は蒸気比重44/29≒1.5で空気より重い(低所滞留)。
  • エ(誤): 分子量大→モル質量大(g/mol が大きい)。mol の定義から自明の正比例関係。逆(分子量大→質量少ない)は不正確。
  • オ(正): 空気の平均分子量≒29(N2:約28×0.78、O2:約32×0.21、Ar等の重量平均≒29)。蒸気比重の分母として乙四で頻出。

【試験での位置づけ】

乙四試験では mol の厳密な計算より、「分子量/29 = 蒸気比重」の計算と「蒸気比重>1→低所滞留」の論点が重要です。分子量の大小比較と蒸気比重の大小(危険性)をセットで理解してください。CO2(分子量44・蒸気比重1.5)が床面に滞留する窒息消火剤として使われる根拠も同じ原理です。

【根拠】確立した化学(物質量・分子量・モル質量の定義)。

【補足】分子量大→1 mol の質量(g)が多い(正比例)。蒸気比重=分子量/29。空気平均分子量≒29。

<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): CH3OH分子量=C12+H4+O16=32、CO2=12+16×2=44、アボガドロ数6.0×10^23、空気平均分子量29すべて正確。蒸気比重=分子量/29 も正しい。正答エ(分子量大→1mol質量が少ないは逆)で一意。advancedイの破綻した数式(12+4+16+1−1+1=...)を正しい記述に修正済。確定。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した化学(物質量・分子量・モル質量の定義)。1 mol の質量(g)は分子量と同じ数値であり、「分子量が大きいほど 1 mol 当たりの質量が多い」(大きい)が正しい。エは逆の記述。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

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