危険物乙四 危険物に関する法令 問1:指定数量
同一の場所で、ガソリンを600L、灯油を2,000L、重油を4,000L貯蔵している。この貯蔵に係る指定数量の倍数の合計として、正しいものはどれか。なお、それぞれの指定数量はガソリン200L、灯油1,000L、重油2,000Lとする。
- ア3倍
- イ5倍
- ウ7倍正答
- エ9倍
- オ11倍
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指定数量の倍数は、貯蔵量を指定数量で割った値を、品目ごとに計算して足し算します。
- ガソリン: 600 ÷ 200 = 3倍
- 灯油: 2,000 ÷ 1,000 = 2倍
- 重油: 4,000 ÷ 2,000 = 2倍
合計 = 3 + 2 + 2 = 7倍。よって正答はウです。
ポイントは「複数の危険物を同じ場所に置くときは、それぞれの倍数を出してから合計する」ことです。1つでも合計が1倍以上になると、その施設は消防法の規制(許可や保安監督者の選任など)の対象になります。倍数計算は法令科目で毎回出る最重要計算です。指定数量そのもの(ガソリン200L・灯油1,000L・重油2,000L)の暗記が前提になります。
指定数量の倍数の計算手順(危政令第1条の11):
同一の場所で2種類以上の危険物を貯蔵・取り扱う場合、指定数量の倍数は「各危険物の数量÷それぞれの指定数量」を求め、その和で判定します。
本問の計算:
- ガソリン(第一石油類・非水溶性、指定数量200L): 600 ÷ 200 = 3倍
- 灯油(第二石油類・非水溶性、指定数量1,000L): 2,000 ÷ 1,000 = 2倍
- 重油(第三石油類・非水溶性、指定数量2,000L): 4,000 ÷ 2,000 = 2倍
- 合計 = 3 + 2 + 2 = 7倍 → 正答ウ
なぜこの計算が重要か:
指定数量の倍数が1以上になると、その貯蔵・取扱いは消防法上の「危険物施設」として規制対象になります(許可・完成検査・保安監督者選任・予防規程・定期点検等が倍数や施設区分に応じて課される)。1未満(指定数量未満)の場合は消防法ではなく市町村条例(火災予防条例)で規制されます。
引っかけパターン:
- 単純に貯蔵量を足す(600+2,000+4,000)誤り
- 一番大きい倍数だけを答える(3倍のみ)誤り
- 指定数量の値を取り違える(水溶性と非水溶性の混同、灯油と軽油の混同)
指定数量は品名ごとに暗記が必須です。
【理論的背景】
「指定数量」とは、危険物の危険性の程度に応じて政令で定められた基準量で、危険性が高い危険物ほど少ない量で規制対象になります(危政令別表第三)。第四類では、危険性が最も高い特殊引火物が50Lと最小、危険性が下がるにつれ第一石油類200L→第二石油類1,000L→第三石油類2,000L→第四石油類6,000L→動植物油類10,000Lと段階的に大きくなります。同じ石油類でも水に溶けやすい(水溶性)ものは火災時に水で希釈・消火しやすいため、非水溶性の2倍の指定数量が設定されています(第一石油類なら非水溶性200L/水溶性400L)。
「倍数」は、実際の貯蔵量がこの基準量の何倍にあたるかを示す指標で、これが規制の発動スイッチになります。
【実務・条文構造】
危政令第1条の11は、同一場所で複数の危険物を扱う場合の倍数の合算を定めています。計算は「各危険物の貯蔵量÷各指定数量」の総和です。本問では3+2+2=7倍となります。
倍数が規制に与える影響の例:
- 倍数1以上 → 消防法の危険物施設(市町村長等の許可が必要)。1未満は市町村の火災予防条例(少量危険物)。
- 倍数が大きくなるほど、保有空地の幅、予防規程・定期点検・自衛消防組織などの要求が厳格化します(保安距離は対象施設で固定値)。
- 製造所・一般取扱所では指定数量の倍数が一定以上で定期点検義務や予防規程作成義務が生じます。例: 製造所・一般取扱所は倍数10以上で定期点検義務(消防法第14条の3の2・政令第8条の5)かつ予防規程作成義務(政令第37条)。屋内貯蔵所は倍数150以上、屋外貯蔵所は100以上、屋外タンク貯蔵所は200以上で予防規程義務。
【試験での位置づけ】
倍数計算は法令科目で毎回1問は出る鉄板論点です。出題は本問のような複数品目の合算が中心で、(1)指定数量を正しく暗記しているか、(2)割って和をとる手順を知っているか、の2点を同時に試します。指定数量の暗記(ガソリン200・灯油/軽油1,000・重油2,000・特殊引火物50・アルコール類400・第四石油類6,000・動植物油類10,000、水溶性は非水溶性の2倍)が得点の前提です。数値を1つでも取り違えると全滅するため、§指定数量表の暗記が最優先事項になります。
【各選択肢の発展補足】
- ア(3倍): ガソリンの倍数だけを答えた誤り。最大の倍数のみを採用する誤解。
- イ(5倍): 計算ミスのトラップ(例: 灯油を1倍と誤算等)。
- ウ(7倍・正): 3+2+2の正しい合算。
- エ(9倍): 指定数量の取り違え(例: 重油を1,000Lと誤る→4倍)による過大計算。
- オ(11倍): 複数の取り違えによる過大計算。
【根拠法令】危険物の規制に関する政令 別表第三(指定数量)、同 第1条の11(倍数の計算)。
【補足】倍数=各貯蔵量÷各指定数量の和。指定数量の暗記(特に水溶性=非水溶性の2倍、ガソリン200/灯油1,000/重油2,000)が前提。製造所・一般取扱所は倍数10以上で定期点検・予防規程作成義務(監修確定)。
<!-- 監修確定 2026-06-03: 指定数量(ガソリン200/灯油1000/重油2000)・倍数合算3+2+2=7=ウ・倍数閾値すべて危政令別表第三/第1条の11/政令第8条の5/第37条と一致。誤りなし。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 危険物の規制に関する政令 別表第三(指定数量)、危険物の規制に関する政令 第1条の11(指定数量の倍数の計算=同一場所で複数の危険物を貯蔵・取り扱う場合は各危険物の数量を各指定数量で除した値の和で判定)。第四類の指定数量はガソリン(第一石油類・非水溶性)200L、灯油(第二石油類・非水溶性)1,000L、重油(第三石油類・非水溶性)2,000L。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。