危険物乙四 危険物に関する法令 問120:許可・承認・届出
危険物保安統括管理者に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア一定規模以上の危険物を製造・貯蔵・取り扱う製造所等を有する事業所では、危険物保安統括管理者を定め、遅滞なく市町村長等に届け出なければならない。正答
- イ危険物保安統括管理者は、危険物取扱者の免状を有する者でなければ選任できない。
- ウ危険物保安統括管理者は、事業所のすべての危険物施設の保安監督者を兼任する必要がある。
- エ危険物保安統括管理者の設置義務は、指定数量の倍数が1以上のすべての製造所等に課せられる。
- オ危険物保安統括管理者を定めた場合、危険物保安監督者の選任は不要となる。
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正しいのはアです。一定規模以上の大量の危険物を扱う事業所には、危険物保安統括管理者を定め、遅滞なく市町村長等に届け出る義務があります。
- ア(正): 一定規模以上の事業所は保安統括管理者を定め遅滞なく届出。
- イ(誤): 保安統括管理者に危険物取扱者の免状は不要。資格は問われない。
- ウ(誤): 保安統括管理者は保安監督者を兼任する必要はない(兼任は禁止)。
- エ(誤): すべての施設ではなく、大規模な事業所(指定数量の倍数の合計が一定以上)が対象。
- オ(誤): 保安統括管理者を定めても、保安監督者の選任義務は別途存続する。
「保安統括管理者=大規模事業所の統括責任者・免状不要・保安監督者とは別」を押さえます。
危険物保安統括管理者(消防法第12条の7・危政令第30条の3):
一定数量以上の危険物を取り扱う大規模な事業所には、危険物の保安に関する業務全体を統括管理する危険物保安統括管理者の選任と届出が義務づけられています。
- ア(正): 一定規模以上の事業所が保安統括管理者を定め、遅滞なく市町村長等に届け出る(消防法第12条の7・危政令第30条の3)。大規模事業所の統括的な保安管理のために設けられた制度。
- イ(誤): 保安統括管理者は危険物取扱者の免状が不要(資格不問)。事業所の安全・防災管理を統括できる立場の者(工場長等)が選任されることが多い。保安監督者(甲種・乙種+実務経験6か月以上)とは要件が根本的に異なる。
- ウ(誤): 保安統括管理者は保安監督者を兼任することはできない(法令上の兼任禁止)。統括管理の立場(マネジメント側)と現場監督者(実務側)を分離する趣旨。
- エ(誤): すべての施設が対象ではなく、第4類危険物の取扱量が政令で定める一定以上(倍数の合計3,000以上等)の大規模事業所が対象。
- オ(誤): 保安統括管理者を定めても、保安監督者は引き続き選任が必要。両制度は並立する。
引っかけパターント: 「免状が必要」「全施設に義務」「保安監督者の選任が不要になる」が定番誤り。
【理論的背景】
危険物保安監督者は個々の製造所等ごとの保安責任者ですが、大規模事業所では複数の製造所等が同一構内にあり、複数の保安監督者を統括する上位の管理者が必要です。そこで設けられたのが「危険物保安統括管理者」制度です(消防法第12条の7)。この制度は、同一の事業所内に複数の危険物施設がある大規模事業所(石油化学コンビナート・大型製油所等)において、事業所全体の危険物保安を統括的に管理する責任者を義務づけるものです。
保安統括管理者は「危険物取扱者の免状が不要」という点が保安監督者と大きく異なります。これは、統括管理者の役割が「現場での実際の危険物取扱い」ではなく「事業所全体の保安管理体制の統括・指揮」にあるためです。工場長・安全管理部門長等が選任されるケースが典型で、危険物の専門知識より組織管理能力が重視されます。
【実務・条文構造】
危険物保安統括管理者の主要規制(消防法第12条の7・危政令第30条の3等):
- 設置義務の対象: 政令で定める大規模な事業所(第4類危険物の指定数量の倍数の合計が3,000以上の製造所等を有する事業所等)。
- 資格要件: 危険物取扱者の免状は不要(資格不問)。
- 職務: 事業所全体の危険物の保安に関する業務を統括管理する。
- 届出: 選任または解任したとき、遅滞なく市町村長等に届け出る。
- 兼任禁止: 保安統括管理者は保安監督者を兼任できない。
- 保安監督者との関係: 保安統括管理者を定めても、各製造所等の保安監督者は別途選任が必要(両制度は並立)。
保安監督者との対比:
| 項目 | 危険物保安監督者 | 危険物保安統括管理者 |
|---|---|---|
| 根拠 | 消防法第13条 | 消防法第12条の7 |
| 対象 | 各製造所等ごと | 大規模事業所全体 |
| 資格要件 | 甲種or乙種+実務経験6か月以上 | 免状不要(資格不問) |
| 届出 | 遅滞なく | 遅滞なく |
| 関係 | 並立(両方必要) | 並立 |
【試験での位置づけ】
保安統括管理者は法令B頻出です。保安監督者との違いが問われます。(1)一定規模以上(大規模)の事業所に選任義務、(2)危険物取扱者の免状は不要(資格不問)、(3)保安監督者との兼任は禁止、(4)選任・解任は遅滞なく届出、(5)保安監督者の選任義務は存続(保安統括管理者の選任で不要にはならない)、が核心です。引っかけは「免状が必要」(イ)、「全施設義務」(エ)、「保安監督者選任が不要」(オ)です。保安監督者との対比表を作って整理すると区別しやすくなります。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 消防法第12条の7・危政令第30条の3のとおり。一定規模以上の事業所に選任・届出義務。
- イ(誤): 保安統括管理者に危険物取扱者の免状は不要(資格不問)。保安監督者要件(甲種or乙種+実務経験6か月以上)とは根本的に異なる。
- ウ(誤): 保安監督者との兼任は禁止。統括管理と現場監督は役割が異なる。
- エ(誤): 指定数量倍数1以上の全施設ではなく、大規模事業所(倍数3,000以上等)が対象。
- オ(誤): 保安統括管理者の選任は保安監督者の選任義務に影響しない。両制度は並立。
【根拠法令】消防法 第12条の7(危険物保安統括管理者)、危険物の規制に関する政令 第35条の3(設置義務対象)。
【補足】保安統括管理者=大規模事業所の統括責任者・免状不要・保安監督者との兼任禁止・保安監督者の選任義務は存続。遅滞なく届出。
<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): 保安統括管理者は第4類危険物の指定数量の倍数の合計が3,000以上の事業所(製造所・一般取扱所)に選任義務(消防法第12条の7・政令第30条の3)を一次/準一次ソースで突合・確定。資格(免状)不要・遅滞なく届出も確認。正答ア一意・誤りなし。※本文の条文番号「第35条の3」は誤記のため「第30条の3」に全置換修正済。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 消防法第12条の7(危険物保安統括管理者)、危険物の規制に関する政令第30条の3。第4類危険物の指定数量の倍数の合計が3,000以上の製造所等を有する事業所(政令で定める大規模事業所)は危険物保安統括管理者を選任し遅滞なく届け出る義務。保安統括管理者は危険物取扱者の免状は不要(資格不問・事業所の長等が兼任可能)。保安監督者との兼任不可・保安監督者の選任義務は別途存続。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。