危険物乙四 危険物に関する法令 問139:保安距離・保有空地
製造所の保安距離に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア製造所から一般住居までの保安距離は10メートル以上であり、製造所の外壁または当該外壁に相当する工作物の外側から測定する。
- イ製造所から学校・病院等の多数人収容施設までの保安距離は30メートル以上であり、製造所の外壁等から対象施設の外壁等までの距離で測定する。
- ウ保安距離は、製造所等ができた後に近くに住居が建設された場合でも適用され、後から建てた住居の側が退去しなければならない。正答
- エ特別高圧架空電線(使用電圧7,000ボルト超35,000ボルト以下)について定める保安距離は水平距離であり、3メートル以上が必要である。
- オ製造所から文化財(重要文化財・史跡等)までの保安距離は50メートル以上である。
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誤っているのはウです。保安距離は製造所等の設置許可申請時点で確保が審査されるものです。「後から建てた住居の側が退去しなければならない」という規定はありません(製造所等を設置する側が保安距離を確保する義務がある)。
- ア(正): 住居まで10m以上・外壁等から測定が正確。
- イ(正): 学校・病院等まで30m以上が正確。
- ウ(誤): 後から建てた住居の退去義務という規定はない。
- エ(正): 電線(7,000〜35,000V)は水平距離3m以上が正確(監修確定値)。
- オ(正): 文化財まで50m以上が正確(監修確定値)。
「保安距離は製造所等を設置する側が確保すべき義務・住居側に退去義務なし」を押さえます。
保安距離の計算・測定方法と義務の性質(危政令第9条第1項):
- ア(正): 住居まで10m以上の保安距離。測定は「製造所等の外壁またはこれに相当する工作物の外側から対象物の外壁等まで」の水平距離(危政令第9条第1項第1号・監修確定値)。
- イ(正): 学校・病院等(多数人収容施設)まで30m以上(危政令第9条第1項第2号・監修確定値)。測定方法はアと同様(外壁等から対象物外壁等まで)。
- ウ(誤): 保安距離は製造所等の設置(または変更)の許可申請時に、申請者(製造所等の設置者)が確保しなければならない義務です。「後から住居が建てられた場合に住居の側が退去する」という規定はありません。実際には製造所等の設置許可の段階で周辺環境が審査されますが、既設の住居が後に製造所等の保安距離内に入ることになった場合の対応は、法令上「後から建てた住居が退去」という一方的な義務ではなく、状況に応じた行政指導・命令等で対処される(条文上の明示的規定は確認が必要)。いずれにせよ「後から建てた住居が退去しなければならない」という明示的な規定は誤り。
- エ(正): 特別高圧架空電線(7,000〜35,000V)は水平距離3m以上(危政令第9条第1項第4号等・監修確定値)。「水平距離」という測定方法が特徴。
- オ(正): 文化財(重要文化財・史跡等)まで50m以上(危政令第9条第1項第5号・監修確定値)。
引っかけパターント: 「後から建てた住居が退去」という義務主体の誤り(ウ)。保安距離は製造所等を設置する側が確保する義務。
【理論的背景】
保安距離の確保義務は、製造所等の設置者(危険物施設を設置しようとする者)に課せられた義務です。設置許可申請の際に、周囲の住居・学校・病院・文化財等との距離が法定値を満たしているかが審査され、満たしていない場合は許可されません。言い換えれば、保安距離は「製造所等を設置する際の制約(設置できる場所の制限)」であり、「周辺住居の退去義務」を課するものではありません。
製造所等の設置後に保安距離内に住居等が建設された場合の取扱いは、法令上明示的には規定されていませんが、行政上の問題(危険物施設の基準維持義務・行政指導等)として取り扱われます。「後から建てた住居の側が退去しなければならない」という規定はなく、選択肢ウは誤りです。
【実務・条文構造】
保安距離の全数値(危政令第9条第1項・監修確定済):
| 対象 | 距離 |
|---|---|
| 一般住居 | 10m以上 |
| 学校・病院・劇場等(多数人収容) | 30m以上 |
| 高圧ガス施設(高圧ガス保安法・液化石油ガス法) | 20m以上 |
| 特別高圧架空電線(7,000〜35,000V) | 水平3m以上 |
| 特別高圧架空電線(35,000V超) | 水平5m以上 |
| 重要文化財・史跡・重要有形民俗文化財等 | 50m以上 |
測定方法:
- 住居・学校・高圧ガス・文化財: 製造所等の外壁等から対象物の外壁等まで(水平距離)。
- 特別高圧架空電線: 「水平距離」(架空線の真下ではなく水平面での距離)。
保安距離を確保できない場合:
- 製造所等の設置許可が下りない(申請が認められない)。
- 既存施設が基準に不適合となった場合は、基準適合命令(修理・改造・移転等)の対象になり得る。
【試験での位置づけ】
保安距離の個別数値と測定方法は法令A頻出です。(1)住居10m・高圧ガス20m・学校病院劇場30m・文化財50m(数列)、(2)電線は水平距離(7,000〜35,000Vは3m・35,000V超は5m)、(3)保安距離は製造所等の設置者が確保する義務(住居側に退去義務なし)、が核心です。引っかけは「後から建てた住居が退去」(ウ・義務の主体を取り違えた誤り)です。監修確定済みの数値(設計doc§2-1)を基準に、「住居10・高圧ガス20・学校病院30・文化財50(10刻みで別格の50)」の数列で覚えます。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 住居10m以上・製造所等の外壁等から測定(危政令第9条第1項第1号・監修確定)。
- イ(正): 学校・病院等30m以上(危政令第9条第1項第2号・監修確定)。
- ウ(誤): 保安距離は製造所等の設置者が確保する義務。「後から建てた住居の側が退去」という規定はなく誤り。
- エ(正): 特別高圧架空電線(7,000〜35,000V)は水平距離3m以上(危政令第9条第1項第4号等・監修確定)。「水平距離」という測定方法が特徴。
- オ(正): 重要文化財・史跡等50m以上(危政令第9条第1項第5号・監修確定)。
【根拠法令】危険物の規制に関する政令 第9条第1項(製造所の保安距離)各号。
【補足】保安距離は製造所等を設置する側が確保する義務(住居側に退去義務なし)。数値:住居10m・高圧ガス20m・学校病院30m・文化財50m・電線(7,000〜35,000V)水平3m・(35,000V超)水平5m。
<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): 保安距離(住居10m・学校病院30m・高圧ガス20m・電線7000〜35000V水平3m/35000V超水平5m・文化財50m)は確定表§2-1と一致。「後から建てた住居が退去しなければならない」という規定は消防法に存在せず誤り→正答ウ(誤っているもの)一意・誤りなし。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 危険物の規制に関する政令 第9条第1項(保安距離)。保安距離は製造所等の設置時に確保義務が発生するものであり、「後から建てた住居が退去しなければならない」という一方的な義務を規定した条文はない。設置許可申請時点で保安距離の確保が審査される。保安距離の数値・測定方法(住居10m・学校病院30m・高圧ガス20m・電線3m/5m・文化財50m)は監修確定済み。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。