第3章 主な医薬品とその作用4主な医薬品とその作用(かぜ薬)

登録販売者 第3章 主な医薬品とその作用 問4:主な医薬品とその作用(かぜ薬)

一般用かぜ薬(総合感冒薬)の配合成分と、その薬理上の役割に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • グアイフェネシンは去痰成分であり、気道分泌液を増やして痰を薄め、排出しやすくする作用がある。
  • ベラドンナ総アルカロイドは抗コリン成分であり、鼻汁・くしゃみを抑制する目的でかぜ薬に配合されることがある。
  • カフェインは中枢神経を興奮させることで眠気を防ぐとともに、解熱鎮痛成分の効果を増強する補助成分として配合される。
  • アセトアミノフェンは解熱鎮痛成分として配合され、胃への刺激が少なく、小児に対しても使用可能な成分の一つとされている。
  • ジヒドロコデインリン酸塩は去痰成分であり、気道の分泌を促進して痰を排出させるために配合される。正答
正答:ジヒドロコデインリン酸塩は去痰成分であり、気道の分泌を促進して痰を排出させるために配合される。

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正答はオ(誤っているもの)です。

ジヒドロコデインリン酸塩は鎮咳成分(中枢性に咳を抑える)であり、去痰成分ではありません。去痰成分(痰を出やすくする)はグアイフェネシン・L-カルボシステイン・ブロムヘキシン塩酸塩などです。鎮咳と去痰は「咳を止める」vs「痰を出す」で役割が逆方向になることもあるため、混同しないことが重要です。

ア〜エはいずれも正しい記述です。かぜ薬は複数の成分を組み合わせており、各成分の役割(解熱鎮痛・鎮咳・去痰・抗ヒスタミン・抗コリン・カフェイン)を区別して覚えることが第3章の基本です。

標準試験対策の基準レベル

一般用かぜ薬の主な配合成分カテゴリと代表例:

| 役割 | 代表成分 | 覚えるポイント |

|---|---|---|

| 解熱鎮痛 | アセトアミノフェン・イブプロフェン・アスピリン | 小児→アセトアミノフェン選択。アスピリン15歳未満禁忌 |

| 鎮咳 | コデインリン酸塩・ジヒドロコデインリン酸塩・デキストロメトルファン | 中枢性に咳反射を抑制。コデイン系12歳未満禁忌 |

| 去痰 | グアイフェネシン・L-カルボシステイン・ブロムヘキシン | 気道分泌液増加・粘液溶解で痰を出やすくする |

| 抗ヒスタミン | クロルフェニラミンマレイン酸塩 | 鼻汁・くしゃみ抑制・眠気副作用あり |

| 抗コリン | ベラドンナ総アルカロイド | 腺分泌抑制(鼻汁抑制)・緑内障・前立腺肥大禁忌 |

| 補助(中枢興奮) | カフェイン | 眠気防止+鎮痛補助 |

各選択肢の解説:

  • ア(正): グアイフェネシンは去痰成分です。気道の杯細胞・腺組織に作用して分泌液を増加させ、痰の粘性を下げて線毛運動による排出を促します。
  • イ(正): ベラドンナ総アルカロイド(スコポラミン等のアトロピン様物質)は抗コリン作用で副交感神経を遮断し、鼻腔の腺分泌を抑制します。ただし緑内障・前立腺肥大症の人には禁忌です。
  • ウ(正): カフェインはアデノシン受容体拮抗作用で中枢神経を覚醒させ、抗ヒスタミン薬による眠気をある程度打ち消します。またプロスタグランジン産生抑制・鎮痛閾値上昇を介して解熱鎮痛成分を補助します。
  • エ(正): アセトアミノフェンはCOX阻害が弱く胃粘膜障害が少ないため、小児(適切な用量で)・妊婦(用量注意)にも選択される成分です。
  • オ(誤・正答): ジヒドロコデインリン酸塩は延髄の咳中枢を抑制する中枢性鎮咳成分です。気道分泌を「促進」するどころか、咳反射を抑制します。なお、ジヒドロコデインはコデインと同様に12歳未満の小児への使用が禁忌とされています(呼吸抑制リスク)。
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【中枢性鎮咳成分(コデイン系)の薬理と禁忌の背景】

コデインリン酸塩水和物・ジヒドロコデインリン酸塩は、オピオイド受容体(主にμ受容体)に作用し、延髄の咳中枢における咳反射閾値を上昇させることで鎮咳作用を発揮します。コデインは体内でCYP2D6によって一部がモルヒネに代謝されます。

12歳未満禁忌の根拠(2019年・厚労省通知): 小児ではCYP2D6の活性が個体差・遺伝子多型によって異なり、特に「超高速代謝型(ultra-rapid metabolizer)」の小児では通常用量でもモルヒネへの変換が急速に進み、呼吸抑制・死亡例が報告されました。このリスクを踏まえ、コデイン系成分(コデインリン酸塩・ジヒドロコデインリン酸塩)は12歳未満の小児への使用が禁忌となりました。

依存性についても重要で、コデイン系はオピオイドであるため乱用・依存のリスクがあります。登録販売者は若年者が単独でかぜ薬を複数購入しようとする場合に注意が必要です(濫用等のおそれのある医薬品として記録・制限対象)。

【去痰成分の作用機序の違い】

去痰成分は作用機序によって分類されます:

1. 気道分泌液増加型(滲出型): グアイフェネシン・塩化アンモニウム・クレゾールスルホン酸カリウム

- 気道粘液の水分量を増加させ粘稠度を低下→線毛運動による排出を促進

2. 粘液溶解型: L-カルボシステイン・アセチルシステイン

- 痰の主成分ムチン(糖タンパク)の構造を分解・S-S結合を還元→粘稠度低下

3. 粘液分泌細胞正常化型: L-カルボシステイン(二重作用)

- 杯細胞の過剰産生を正常化+シアル酸産生促進→気道表面液の性状改善

4. ムコキネティック型: ブロムヘキシン塩酸塩

- 気道腺のセロサ(漿液)分泌を増加させてゲル層の下の液状層(ゾル層)を厚くし、線毛運動を助ける

去痰と鎮咳の使い分け: 湿性咳嗽(痰が絡む)→去痰成分優先で痰の排出を助ける、乾性咳嗽(痰が出ない刺激性の咳)→鎮咳成分で咳反射を抑制。かぜ薬には両者が配合されていることが多いですが、どちらに重点を置くかは症状に応じて判断します。

【抗コリン成分(ベラドンナ)の臨床的位置づけ】

ベラドンナ総アルカロイドはムスカリン受容体(M3主体)を遮断し、外分泌腺(唾液腺・鼻腔腺・気管支腺)の分泌を全般的に抑制します。鼻汁・くしゃみの抑制に有効ですが、口渇・便秘・尿閉・眼圧上昇という全身性の抗コリン副作用を伴います。

禁忌疾患(重要):

  • 閉塞隅角緑内障(眼圧急上昇リスク)
  • 前立腺肥大症(排尿困難悪化)
  • 心疾患(反射性頻脈)
  • 甲状腺機能亢進症(代謝亢進に加え頻脈リスク)

登録販売者は購入者に上記疾患がないかを確認し、該当する場合は販売を差し控えるか医師・薬剤師への相談を勧奨する義務があります。

【カフェインの薬理的役割と乱用リスク】

カフェインのアデノシン受容体(A1・A2A)拮抗作用は覚醒・集中力向上に加え、脳血管収縮作用(頭痛の一因となる血管拡張を抑制)を持ちます。これが「解熱鎮痛補助」として機能する機序の一つです。ただしカフェイン自体の乱用・過量摂取では不眠・頻脈・動悸・高血圧が生じ、カフェイン中毒(致死量目安:純カフェイン約5〜10g)も報告されています。OTCかぜ薬に含まれるカフェイン量は通常一錠あたり25〜50mg程度で安全域内ですが、コーヒー・エナジードリンクとの重複摂取には注意が必要です。

【根拠】厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章第1節・第3節

<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): ジヒドロコデインリン酸塩は中枢性鎮咳成分で去痰でない(正答オ=誤りの記述)一意確認。コデイン/ジヒドロコデインの12歳未満禁忌(してはいけないこと「12歳未満の小児」)はH29通知→2019年禁忌移行→令和8年4月手引きに反映済で正確。グアイフェネシン=去痰(気道分泌液増加)・ベラドンナ総アルカロイド=抗コリン(鼻汁抑制)・カフェイン=鎮痛補助/眠気防止・アセトアミノフェン=小児選択可、ア〜エ正記述で突合一致。正答オで成分・薬効に健康被害リスクなし。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章 第1節「かぜ薬」・第3節「鎮咳去痰薬」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

関連論点

かぜ薬の配合成分・役割の区別頻出度A

第3章 主な医薬品とその作用の他の問題

1
主な医薬品とその作用(かぜ薬・解熱鎮痛薬)
2
主な医薬品とその作用(アレルギー薬・抗ヒスタミン薬)
3
主な医薬品とその作用(漢方処方・生薬)
5
主な医薬品とその作用(鎮咳去痰薬)
6
主な医薬品とその作用(胃腸薬・制酸薬)
7
主な医薬品とその作用(胃腸薬・H2ブロッカー)

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