第3章 主な医薬品とその作用95主な医薬品とその作用(鼻炎用薬)

登録販売者 第3章 主な医薬品とその作用 問95:主な医薬品とその作用(鼻炎用薬)

鼻炎用内服薬に配合される成分とその目的に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • フェニレフリン塩酸塩はヒスタミンH₁受容体を遮断して鼻粘膜の過敏性を低下させる目的で配合され、眠気を催す副作用がある。
  • ベラドンナ総アルカロイドは鼻腔内の炎症に対する抗炎症作用を目的として鼻炎用内服薬に配合されており、緑内障の人でも使用できる。
  • クロルフェニラミンマレイン酸塩は抗ヒスタミン成分であり、くしゃみ・鼻水・鼻づまりの症状を緩和するが、排尿困難のある人は使用前に医師等に相談することとされている。正答
  • メキタジンは第1世代抗ヒスタミン薬に分類され、中枢移行性が高いため強い眠気が生じやすく、運転等危険を伴う操作への注意喚起が不要とされている。
  • トラネキサム酸は鼻炎用内服薬には配合されず、専らのどの炎症に対してのみ使用される成分である。
正答:クロルフェニラミンマレイン酸塩は抗ヒスタミン成分であり、くしゃみ・鼻水・鼻づまりの症状を緩和するが、排尿困難のある人は使用前に医師等に相談することとされている。

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正答はウです。

クロルフェニラミンマレイン酸塩は抗ヒスタミン成分であり、くしゃみ・鼻水・鼻づまりを緩和します。同時に抗コリン作用も持つため、排尿困難のある人(前立腺肥大など)は尿閉が悪化するおそれがあり、使用前に医師等に相談するとされています。

誤りのポイント:

  • ア:フェニレフリンはアドレナリン作動成分(血管収縮薬)であり、抗ヒスタミン薬ではありません。
  • イ:ベラドンナ総アルカロイドは抗コリン成分であり、緑内障の人には禁忌(使用してはいけない)です。
  • エ:メキタジンは運転等を避けるよう注意喚起が必要な成分です。
  • オ:トラネキサム酸は鼻炎用内服薬にも配合される場合があります。
標準試験対策の基準レベル

鼻炎用内服薬の成分構成早見表:

| 目的 | 代表成分 | 特徴・注意 |

|---|---|---|

| 抗ヒスタミン(主薬) | クロルフェニラミン・ケトチフェン・メキタジン | くしゃみ・鼻水緩和。眠気・抗コリン副作用 |

| 抗コリン(鼻汁分泌抑制) | ベラドンナ総アルカロイド・スコポラミン | 鼻汁減少。緑内障・排尿困難禁忌 |

| アドレナリン作動(充血除去) | フェニレフリン・プソイドエフェドリン | 鼻粘膜血管収縮→鼻づまり改善。高血圧・心臓病注意 |

| 抗炎症 | グリチルリチン酸・トラネキサム酸 | 鼻粘膜炎症を抑制 |

各選択肢の解説:

  • ア(誤): フェニレフリン塩酸塩はアドレナリン作動成分(α₁受容体刺激薬)です。鼻粘膜の血管を収縮させて充血・鼻づまりを緩和する目的で配合されます。H₁受容体は関与しません。眠気は通常の副作用ではなく、むしろ興奮・動悸のリスクがあります。
  • イ(誤): ベラドンナ総アルカロイドは抗コリン成分です。鼻腺分泌を抑制して鼻汁を減少させる目的で配合されます。緑内障の人は眼圧上昇のリスクがあるため使用してはいけない(禁忌)とされています。
  • ウ(正): クロルフェニラミンマレイン酸塩は第1世代抗ヒスタミン薬です。H₁受容体遮断によりくしゃみ・鼻水を緩和しますが、抗コリン作用もあるため膀胱頸部筋を緊張させ尿閉を悪化させるおそれがあります。排尿困難・前立腺肥大の人は相談することとされています。
  • エ(誤): メキタジンは抗ヒスタミン成分であり、中枢への移行性から眠気が生じます。服用後は自動車の運転等危険を伴う操作に従事しないよう注意喚起が必要です。「不要とされている」という記述は誤りです。
  • オ(誤): トラネキサム酸は鼻炎用内服薬においても鼻粘膜の炎症を抑制する目的で配合される場合があります。専らのど専用という記述は誤りです。
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【鼻炎用内服薬の各成分群の薬理詳細と実務への応用】

アドレナリン作動成分の薬理と鼻づまりへの機序:

鼻づまり(鼻閉)の病態:アレルギー反応や炎症によりヒスタミン・ロイコトリエンが放出→鼻粘膜下層の血管(特に海綿静脈洞)が拡張・充血→鼻腔の実質的な閉塞。

フェニレフリン塩酸塩・プソイドエフェドリン塩酸塩はα₁アドレナリン受容体を刺激することで:

  • 鼻粘膜血管の平滑筋を収縮→充血・腫脹の解消→鼻腔開放
  • 鼻分泌液産生の一部抑制

注意:プソイドエフェドリンは一部の国で濫用(覚醒剤前駆物質)防止規制の対象。日本でも第1類医薬品または購入量制限が設けられている場合があります。

高血圧・心臓病・甲状腺機能亢進症・前立腺肥大のある人はアドレナリン作動成分による:

  • 血圧上昇・心拍数増加(α₁・β₁刺激)
  • 尿道括約筋収縮→尿閉悪化(α₁刺激)

に注意が必要です。

抗コリン成分(ベラドンナ総アルカロイド)の詳細:

ベラドンナ(Atropa belladonna)から得られるアルカロイド(主成分:ヒヨスシアミン・スコポラミン・アトロピン)は、ムスカリン性アセチルコリン受容体(M受容体)を遮断します。

鼻腺への作用:鼻腺の分泌はM₃受容体を介した副交感神経支配です。M受容体遮断により:

  • 鼻腺からのムチン・水様液分泌が減少→水様性鼻汁の抑制
  • 過度の鼻汁が症状の主体(水様性鼻漏)である場合に有効

ただし全身性の抗コリン作用も生じます:

  • 眼:瞳孔散大・眼圧上昇→閉塞隅角緑内障の禁忌(急性緑内障発作誘発)
  • 膀胱:排尿筋弛緩・尿道括約筋緊張→排尿困難・尿閉→前立腺肥大者は禁忌
  • 口腔:唾液分泌減少→口渇
  • 心臓:洞房結節のM₂受容体遮断→頻脈

第1世代と第2世代抗ヒスタミン薬の違い:

| 世代 | 代表成分 | 中枢移行性 | 眠気 | 抗コリン作用 | 運転注意 |

|---|---|---|---|---|---|

| 第1世代 | クロルフェニラミン・ジフェンヒドラミン・メキタジン | 高い | 強い | あり | 必要(禁止) |

| 第2世代(選択性高) | ケトチフェン・エピナスチン・フェキソフェナジン | 低い | 少ない | 少ない | 注意(製品により) |

鼻炎用内服薬に多用される第1世代抗ヒスタミン薬(クロルフェニラミン等)では、眠気と抗コリン作用の双方が問題になります。これが「排尿困難のある人は相談すること」「乗り物・機械の操作をしないこと」などの記載につながります。

クロルフェニラミンマレイン酸塩の臨床的特徴:

  • 作用発現:服用後30〜60分
  • 持続時間:4〜6時間(第2世代より短い)
  • 血液脳関門通過:容易→中枢性眠気・鎮静が強い
  • 子どもへの投与:年齢・体重に応じた用量で小児にも使用可能な場合あり

鼻炎用内服薬と点鼻薬の使い分け:

  • 内服薬:全身性の症状(くしゃみ・鼻水・目の症状)に対応。成分が全身に作用するため全身性副作用もある。
  • 点鼻薬(スプレー型):局所作用が主体。アドレナリン作動成分の点鼻は鼻粘膜血管収縮に有効だが、連用によるリバウンド(反応性充血)に注意。

登録販売者として販売時に確認すべき事項:

1. 緑内障の有無(抗コリン成分が禁忌)

2. 前立腺肥大・排尿困難の有無(抗コリン・アドレナリン成分が禁忌)

3. 高血圧・心臓病・甲状腺機能亢進症(アドレナリン作動成分に注意)

4. 職業・運転(抗ヒスタミン薬による眠気)

5. 妊婦・授乳婦(成分による)

6. 他の抗アレルギー薬・漢方薬との重複

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章 第8節「鼻炎薬」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

関連論点

鼻炎用内服薬の成分構成=抗ヒスタミン/抗コリン/アドレナリン/抗炎症頻出度A

第3章 主な医薬品とその作用の他の問題

1
主な医薬品とその作用(かぜ薬・解熱鎮痛薬)
2
主な医薬品とその作用(アレルギー薬・抗ヒスタミン薬)
3
主な医薬品とその作用(漢方処方・生薬)
4
主な医薬品とその作用(かぜ薬)
5
主な医薬品とその作用(鎮咳去痰薬)
6
主な医薬品とその作用(胃腸薬・制酸薬)

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