関係法令(有害業務以外)57安全衛生管理体制

衛生管理者 関係法令(有害業務以外) 問57:安全衛生管理体制

衛生委員会の設置および運営に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 常時50人以上の労働者を使用する事業場(全業種)では、衛生委員会を設置しなければならない。
  • 衛生委員会は、少なくとも毎月1回開催しなければならない。
  • 衛生委員会の委員のうち、衛生管理者は事業者が指名した者が委員に加わるが、産業医は委員に含まれない。正答
  • 衛生委員会の議事の概要は、遅滞なく労働者に周知させなければならない。
  • 衛生委員会の議事で重要なものに係る記録は、3年間保存しなければならない。
正答:衛生委員会の委員のうち、衛生管理者は事業者が指名した者が委員に加わるが、産業医は委員に含まれない。

AI解説(初心者・標準・上級)

理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠法令も明記。

初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

誤っているのはウです。衛生委員会の委員構成(安衛法第18条第2項)には、「産業医のうちから事業者が指名した者」が含まれます(第3号)。「産業医は委員に含まれない」という記述は明確に誤りです。

衛生委員会の委員の正しい構成: ①議長(総括安全衛生管理者または事業の実施を統括管理する者)、②衛生管理者のうちから事業者が指名した者(必須)、③産業医のうちから事業者が指名した者(必須)、④当該事業場の労働者で衛生に関し経験を有する者のうちから事業者が指名した者、⑤過半数組合または過半数代表者の推薦による者(任意参加の委員)。

産業医は衛生委員会の重要な構成員であり、医学的見地からの意見・提言を委員会において行う役割を担います。

標準試験対策の基準レベル

衛生委員会の設置・構成・運営の全体像(安衛法第18条・安衛則第21〜23条):

各選択肢の正誤と根拠:

  • ア(正): 衛生委員会の設置義務は「常時50人以上」の事業場で「全業種」に適用されます(安衛法第18条)。安全委員会(製造業・建設業等の特定業種のみ)と異なり、業種を問わず設置義務があります。
  • イ(正): 衛生委員会は「毎月1回以上」開催する義務があります(安衛則第21条第2項)。産業医の事業場巡視(月1回以上)とセットで理解すると整理しやすいです。
  • ウ(誤): 産業医は衛生委員会の必須の委員です(安衛法第18条第2項第3号:「産業医のうちから事業者が指名した者」)。「産業医は委員に含まれない」は明白な誤りです。
  • エ(正): 衛生委員会の議事の概要は遅滞なく労働者に周知する義務があります(安衛則第23条第3項)。周知方法は、①掲示または備え付け、②書面の交付、③電子的方法(イントラネット等)のいずれかで実施。
  • オ(正): 衛生委員会の議事で重要なものに係る記録(議事録等)は3年間保存が義務(安衛則第23条第4項)。ここでも「3年間」の保存期間が重要。

衛生委員会の調査審議事項(安衛法第18条第1項各号)の主要事項:

  • 労働者の健康障害を防止するための基本となるべき対策
  • 労働者の健康の保持増進を図るための基本となるべき対策
  • 長時間労働者に係る労働者の健康障害防止対策
  • ストレスチェック制度の実施・結果への対策
上級誤答論破・根拠法令まで深掘り

【理論的背景】

衛生委員会制度(安衛法第18条)は、「労使双方の参加による職場の衛生・健康問題の審議」を制度的に保障する仕組みです。使用者だけが一方的に衛生管理の方針を決定するのではなく、労働者代表も参加して審議することで、職場の実態に即した衛生施策の立案・実施を可能にします。

安全委員会(安衛法第17条)と衛生委員会は統合して「安全衛生委員会」として設置することも認められます(安衛法第19条)。安全委員会は特定業種・50人以上で設置義務がありますが、衛生委員会はすべての業種・50人以上で設置義務があるため、衛生委員会の設置範囲が広くなっています。

【実務・条文構造】

衛生委員会の詳細な法的要件:

設置義務(安衛法第18条):

  • 対象: 常時50人以上の労働者を使用するすべての事業場
  • 注意: 「常時使用する労働者」の数え方(派遣労働者は派遣先の頭数に含む・パートタイム労働者も含む)

委員の構成(安衛法第18条第2項):

| 委員種別 | 要件 | 必須/任意 |

|---|---|---|

| 議長(1号) | 総括安全衛生管理者またはその事業場の事業の実施を統括管理する者 | 必須 |

| 衛生管理者(2号) | 衛生管理者のうちから事業者が指名した者 | 必須(1人以上) |

| 産業医(3号) | 産業医のうちから事業者が指名した者 | 必須(1人以上) |

| 労働者代表(4号) | 衛生に関し経験を有する労働者のうちから事業者が指名した者 | 必須(1人以上) |

| 推薦委員 | 過半数組合または過半数代表者の推薦による者 | 任意(加えることができる) |

→ 半数については、過半数組合がある場合、当該組合が推薦した者を委員の半数とすることができる(安衛法第18条第3項・安衛則第21条)

運営(安衛則第21条):

  • 開催頻度: 毎月1回以上(月に1回以上・記録に注意)
  • 議長の開催責務: 委員会を招集する義務あり
  • 委員の意見提出: 委員は議題について意見を述べる機会を持つ

審議事項(安衛法第18条第1項各号):

1. 労働者の健康障害を防止するための基本となるべき対策(作業環境管理・健康診断実施方針等)

2. 労働者の健康の保持増進を図るための基本となるべき対策(THP推進等)

3. 労働災害の原因・再発防止対策に関すること(衛生に係るもの)

4. 前3号に掲げるもののほか、労働者の健康障害の防止および健康の保持増進に関する重要事項

→ ストレスチェック制度・長時間労働対策・産業医の勧告内容の報告も審議対象

議事録・周知(安衛則第23条):

  • 議事の概要の周知: 「遅滞なく」行う(方法: 掲示・書面交付・電子方法)
  • 重要議事の記録保存: 3年間(記録方法は書面またはデータ)
  • 「議事の概要」の周知と「重要議事の記録保存」は別の義務

産業医と衛生委員会の関係(2019年改正後):

2019年改正により、事業者は産業医から受けた勧告を「遅滞なく衛生委員会(または安全衛生委員会)に報告する義務」が追加されました(安衛法第13条第6項)。産業医の勧告が委員会で共有されることで、勧告の透明性・実効性が確保されます。

【試験での位置づけ】

衛生委員会の頻出ポイント:

  • 「50人以上・全業種で設置義務」(安全委員会は特定業種のみ)
  • 「産業医は必須の委員(2号または3号)」
  • 「月1回以上の開催」
  • 「議事の概要は遅滞なく周知・重要議事記録は3年保存」

「産業医は委員に含まれない」「開催頻度は3か月に1回」「50人未満でも設置義務あり」等の誤り選択肢が定番です。委員の構成(特に産業医が必須委員)と保存期間(3年)を正確に覚えることが重要です。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 衛生委員会(全業種50人以上)と安全委員会(特定業種50人以上)の違いは、試験で「安全委員会は全業種が対象」という誤り選択肢として登場します。製造業・建設業等では両委員会の設置義務があり、安全衛生委員会として統合設置が認められています。
  • イ: 月1回以上の開催義務は、産業医の巡視(月1回以上)と同じ頻度です。衛生管理者の巡視は週1回以上とより高頻度であることを区別して覚えましょう。
  • ウ: 産業医が必須委員である理由は、医学的な専門知識を委員会の審議に反映させるためです。産業医は委員として参加するだけでなく、健康診断結果・ストレスチェック結果等に基づく意見・勧告を委員会において行うことが期待されています。
  • エ: 「議事の概要」の周知義務は、労働者が衛生委員会で審議された内容を知る権利を保障するためです。委員会は労働者代表も参加していますが、参加していない一般労働者への情報共有が「周知義務」の趣旨です。
  • オ: 「重要なものに係る記録」の3年保存は、特別教育の記録(3年)・産業医勧告の記録(3年)と同じです。健康診断個人票(5年)やストレスチェック実施記録(5年)とは異なります。この保存期間の違いを「3年グループ」「5年グループ」として分類して覚えると混乱を防げます。

【根拠法令】労働安全衛生法 第18条(衛生委員会の設置義務:50人以上・全業種、委員構成:議長+衛生管理者+産業医+労働者経験者)・第19条(安全衛生委員会)、労働安全衛生規則 第21条(運営:月1回以上・半数構成)・第23条(議事概要の遅滞なく周知・重要議事記録3年保存)

【補足】衛生委員会は50人以上の全業種で設置義務(安全委員会は特定業種のみ)。産業医は必須の委員(委員に含まれないは誤り)。開催は月1回以上。議事概要は遅滞なく周知・重要議事記録は3年保存。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法(安衛法)第18条(衛生委員会)・第19条(安全衛生委員会)、労働安全衛生規則(安衛則)第21条(衛生委員会の運営)・第23条(議事録の3年保存・周知義務)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

関連論点

衛生委員会の設置・構成・運営・議事録頻出度A

関係法令(有害業務以外)の他の問題

1
安全衛生管理体制
2
安全衛生管理体制
3
健康診断
4
安全衛生管理体制
5
労働基準法
6
健康診断・メンタルヘルス

科目別に解いて、衛生管理者に合格

関係法令・労働衛生・労働生理を260問。第一種・第二種対応。各問に根拠法令とAI解説(3レベル)付き。