基本情報 平成28年度 秋期 問64:ストラテジ系に関する問題
業務プロセスを可視化する手法として UML を採用した場合の活用シーンはどれ か。
- a対象をエンティティとその属性及びエンティティ間の関連で捉え, データ中心 アプローチの表現によって図に示す。
- bデータの流れによってプロセスを表現するために, データの発生, 吸収の場所, 蓄積場所, データの処理を, データの流れを示す矢印でつないで表現する。
- c複数の観点でプロセスを表現するために, 目的に応じたモデル図法を使用し, オブジェクトモデリングのために標準化された記述ルールで表現する。正答
- dプロセスの機能を網羅的に表現するために, 一つの要件に対して発生する事象 を条件分岐の形式で記述する。
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答えは c「複数の観点でプロセスを表現、オブジェクトモデリング標準ルールで表現」 です。
UML = Unified Modeling Language(統一モデリング言語)。オブジェクト指向で13種類くらいの図を使い分けてシステムを多角的に表現する標準言語。
たとえばクラス図(構造)、シーケンス図(時間順の処理)、ユースケース図(利用者視点)、アクティビティ図(処理フロー)などを用途別に使います。
👉 覚え方:UML=複数視点で書き分ける標準図法。
ほかの選択肢:a エンティティ+関連=E-R図/b データの流れ=DFD/d 条件分岐記述=デシジョンテーブル等。
なぜこれが正解か
正解は c。UML(Unified Modeling Language)はOMG(Object Management Group)が標準化したオブジェクト指向モデリング言語で、13種類の図(UML 2.x)を用途別に使い分けて複数の観点(構造的視点・振る舞い的視点)からシステムを表現する。業務プロセス可視化にはユースケース図/アクティビティ図/シーケンス図/ステートマシン図等が活用される。
各選択肢の解説
- a エンティティと属性で関連表現:E-R図(Entity-Relationship Diagram)。データ中心アプローチ。
- b データの流れ・発生・吸収・蓄積:DFD(Data Flow Diagram)。構造化分析手法。
- c 複数観点・オブジェクトモデリング標準ルール:正解。UML。
- d 条件分岐形式:デシジョンテーブル/デシジョンツリー。複雑な条件判定の整理。
覚え方・ひっかけ注意
業務・システムモデリング図法の識別:
- E-R図:データ構造(エンティティ+リレーション)
- DFD:データの流れ
- UML:オブジェクト指向の多角的表現
- BPMN(Business Process Model and Notation):業務プロセス専門
- デシジョンテーブル/ツリー:条件分岐
- 状態遷移図:状態変化
「複数観点・標準化・オブジェクト指向」がUMLの3キーワード。試験では複数図法の識別問題が頻出。
理論的背景
UMLはGrady Booch・Jim Rumbaugh・Ivar Jacobsonの3名(Three Amigos)による1990年代後半の統一活動で誕生。UML 1.x(1997)→ UML 2.x(2005)→ UML 2.5(現行)と進化。13種類の図は以下の2大分類:
構造図(Structure Diagrams):
1. クラス図:クラス・属性・操作・関連
2. オブジェクト図:インスタンス
3. コンポーネント図:実装単位
4. 配置図(Deployment Diagram):物理ノードへの配置
5. 複合構造図:内部構造
6. パッケージ図:論理グループ化
7. プロファイル図:UML拡張
振る舞い図(Behavior Diagrams):
8. ユースケース図:アクタとシステム機能
9. アクティビティ図:フロー
10. シーケンス図:オブジェクト間メッセージ時系列
11. コミュニケーション図(旧コラボレーション図):メッセージ送受信
12. ステートマシン図:状態遷移
13. タイミング図:時間軸での状態変化
14. 相互作用概要図:複数シーケンスの統合
実務での使われ方
業務プロセス可視化での活用:
- 業務ユースケース図:アクタ・ユースケース・関係
- ビジネスアクティビティ図:業務フロー詳細
- シーケンス図:システム間メッセージ流れ
- ステートマシン図:注文・申請等の状態遷移
設計フェーズ:
- クラス図:オブジェクト指向設計
- コンポーネント図:マイクロサービス境界
- 配置図:インフラトポロジ
ツール:Enterprise Architect・MagicDraw/Cameo・StarUML・PlantUML(テキスト記述)・draw.io・Lucidchart
試験での位置づけ
ソフトウェア工学・設計分野の頻出テーマ。基本情報・応用情報では図の種類識別と用途、システムアーキテクト・ITストラテジストではOOAD(Object-Oriented Analysis and Design)・UMLプロファイル・MDA(Model Driven Architecture)まで踏み込む。
選択肢の発展補足
UML派生・関連標準:
- SysML(Systems Modeling Language):UML拡張、システム工学向け(要件・パラメトリック制約等)
- BPMN(Business Process Model and Notation):業務プロセス専門記法
- DMN(Decision Model and Notation):意思決定モデリング
- CMMN(Case Management Model and Notation):ケース管理
- ArchiMate:エンタープライズアーキテクチャ
現代モデリングトレンド:
- C4 Model:Context・Container・Component・Codeの4階層シンプル表現(Simon Brown提唱、近年人気)
- Domain-Driven Design(DDD):ユビキタス言語・境界づけられたコンテキスト・コンテキストマップ
- Event Storming:付箋でドメインイベント発見
- Mermaid/PlantUML:テキストベース図表(Gitで管理可能)
アジャイル開発ではJust Enough ModelingでUML全種類を厳格に使うのではなく、コミュニケーション目的に応じた最小限のモデルで進めるのが現代スタンダード。Architecture Decision Record(ADR)で設計決定を文書化する手法も普及。試験対策はUML 13種類の基本+用途別使い分け+現代モデリング手法の理解で応用情報・システムアーキテクト等の上位資格に対応可能。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成28年度 秋期 問64/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。