平成29年度 秋期72ストラテジ系

基本情報 平成29年度 秋期 問72:ストラテジ系に関する問題

“かんばん方式" を説明したものはどれか。

  • a各作業の効率を向上させるために, 仕様が統一された部品, 半製品を調達する。
  • b効率よく部品調達を行うために, 関連会社から部品を調達する。
  • c中間在庫を極力減らすために, 生産ラインにおいて, 後工程が自工程の生産に 合わせて, 必要な部品を前工程から調達する。正答
  • dより品質が高い部品を調達するために, 部品の納入指定業者を複数定め, 競争 入札で部品を調達する。
正答:C中間在庫を極力減らすために, 生産ラインにおいて, 後工程が自工程の生産に 合わせて, 必要な部品を前工程から調達する。

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答えは c です。

かんばん方式=トヨタ生産方式の中核で、「後の工程が、必要な部品を、必要なときに、必要なだけ前の工程から引き取る」仕組み。

部品を貯めずジャストインタイム(JIT)で流すので、中間在庫が極小になります。「かんばん」というカードに必要数を書いて前工程に渡すのが由来。

👉 覚え方:かんばん=後工程が前工程に「これだけ持ってきて」と注文!

ほかの選択肢:a 仕様統一の部品調達=標準化/b 関連会社調達=系列調達/d 競争入札=コンペ調達

標準試験対策の基準レベル

なぜこれが正解か

正解は cかんばん方式は、トヨタ自動車が1950年代に開発したJIT(Just In Time)生産の運用手法。後工程が自工程の生産進度に合わせて、必要な部品を前工程から引き取る(プル型)ことで、中間在庫を極小化する。情報伝達には「かんばん」(部品種別・数量等を記載したカード)を用いる。

各選択肢の解説

  • a 仕様統一の部品調達:標準化/部品共通化の説明。
  • b 関連会社から調達:系列調達/グループ調達の説明。
  • c 後工程が必要なときに前工程から引き取る:かんばん方式 → 正解。
  • d 競争入札で複数業者から調達:コンペティティブソーシングの説明。

覚え方・ひっかけ注意

プッシュ型(前工程が押し込む)vs プル型(後工程が引き取る)の区別。MRPはプッシュ型、かんばんはプル型の代表。TPS(トヨタ生産方式)= JIT + 自働化の2本柱で、かんばんはJIT実現の具体手法。過剰生産・在庫・運搬・加工・待ち・動作・不良の7つのムダの排除が思想的背景。

上級誤答論破・背景理論まで深掘り

理論的背景

トヨタ生産方式(TPS)は大野耐一が1950〜70年代に体系化、後にJames Womackらがリーン生産方式(Lean Manufacturing)として世界に普及(『The Machine That Changed the World』1990)。TPSはジャストインタイム(JIT)自働化(自動化+人偏付き、異常時自動停止)の2本柱を平準化生産で支える構造。

かんばんの種類

  • 生産指示かんばん:生産すべき部品種別・数量・タイミングを工程内で指示。
  • 引取りかんばん:後工程から前工程へ部品引取りを指示。
  • 電子かんばん(e-Kanban):MES/ERPと連携した電子化版。トヨタも一部で導入。
  • JIRA/Trello等のカンバンボード:ソフトウェア開発分野でのアレンジ。WIP制限、フロー可視化。

関連概念

  • 平準化生産(Heijunka):需要変動を吸収するため小ロット混流生産。
  • タクトタイム:1個生産すべき目標時間 = 稼働時間 / 需要数。
  • 段取り替え時間短縮(SMED):シングル段取り(10分以内)。
  • 自働化:機械が異常を検知して自動停止、不良品を流さない。
  • 5S:整理・整頓・清掃・清潔・しつけ。
  • 改善(Kaizen):継続的な小さな改善。

ソフトウェア開発への影響

  • アジャイル開発:リーン思考の影響大。
  • カンバン方式(David J. Anderson、2010):ソフトウェア開発のフローベース管理手法。WIP制限、プル型タスク、可視化が3原則。
  • リーンスタートアップ:Build-Measure-Learn サイクル、最小実行可能製品(MVP)。
  • DevOps:継続的デリバリで在庫(未デプロイ機能)を削減。

限界・批判

  • 需要急変への弱さ:サプライチェーン全体が同期しないと機能しない。
  • 災害・パンデミックリスク:在庫ゼロは供給断絶に脆弱(2011東日本大震災、2020コロナ、2022半導体不足で再評価)。
  • 対策としての BCP(事業継続計画):戦略的在庫、複数調達、ニアショアリングへ揺り戻し。

試験での位置づけ

FE「ストラテジ/生産管理」分野で頻出。応用情報・ITストラテジストでもサプライチェーン管理(SCM)の文脈で出題。MRP vs JIT、プッシュ vs プル、TPS の各要素は確実な得点源。

選択肢の発展補足

bの系列調達は1990年代まで日本の競争優位とされたが、グローバル化でオープン調達へシフト。dの競争入札は調達コスト削減効果あるが、品質・納期保証や長期関係構築の弱さで全面採用は減少。戦略的調達(strategic sourcing)TCO(総保有コスト)最小化を図るのが現代的。

出典・引用について

出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成29年度 秋期72/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。

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