基礎的な物理学及び基礎的な化学26物質の三態・状態変化

危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問26:物質の三態・状態変化

物質の状態変化と潜熱に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 液体が沸騰して気体になるとき、熱を吸収せずに状態が変化する。
  • 氷が0℃で水に変化している間、加えた熱で温度はどんどん上昇する。
  • 気体が液体になる(凝縮する)とき、熱を吸収する。
  • 状態変化に伴って出入りする熱(潜熱)は、物質の温度を上昇または下降させるために使われる。
  • 固体が液体になる融解熱より、液体が気体になる蒸発熱のほうが一般に大きい。正答
正答:固体が液体になる融解熱より、液体が気体になる蒸発熱のほうが一般に大きい。

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正しいのはオです。固体→液体(融解熱)より、液体→気体(蒸発熱)のほうが必要な熱は大きいです。

  • ア(誤): 液体→気体は熱を吸収する(吸熱)。
  • イ(誤): 氷が水に変わる間は温度は一定(0℃のまま)。
  • ウ(誤): 気体→液体(凝縮)は熱を放出する(発熱)。
  • エ(誤): 潜熱は状態変化に使われ、温度変化には使われない。
  • オ(正): 蒸発熱>融解熱(一般に)。

「状態変化中は温度一定/蒸発熱>融解熱/融解蒸発は吸熱」を押さえます。

標準試験対策の基準レベル

潜熱と状態変化:

物質の状態変化(固↔液↔気)に伴って出入りする熱を潜熱といいます。

  • 吸熱(熱を吸収): 融解(固→液)、蒸発(液→気)、昇華(固→気)。
  • 発熱(熱を放出): 凝固(液→固)、凝縮(気→液)、凝華(気→固)(ウ=誤:凝縮は放熱)。
  • 蒸発(液→気)は熱を吸収する(ア=誤)。

潜熱の重要な性質:

  • 状態変化中は温度が一定。加えた(奪った)熱は状態を変えることに使われ、温度の上昇(下降)には使われない(イ=誤:氷→水の間は0℃一定、エ=誤:温度変化には使われない)。
  • 蒸発熱>融解熱: 一般に、液体を気体にする蒸発熱は、固体を液体にする融解熱より大きい(オ=正)。例:水の融解熱より蒸発熱のほうがはるかに大きい。

引っかけパターン:

  • 蒸発・融解を放熱、凝縮・凝固を吸熱とする逆転(ア・ウ)
  • 状態変化中に温度が上がるとする誤り(イ・エ)

「融解・蒸発は吸熱/凝縮・凝固は発熱/状態変化中は温度一定/蒸発熱>融解熱」を固定します。

上級誤答論破・根拠法令まで深掘り

【理論的背景】

物質を加熱すると温度が上がりますが、状態が変化している間(氷が解けている間、水が沸騰している間)は、加えた熱が温度上昇ではなく分子間の結びつきを切ることに使われるため、温度は一定に保たれます。この、状態変化に使われて温度変化に現れない熱を潜熱といいます。固体→液体で吸収する熱が融解熱、液体→気体で吸収する熱が蒸発熱です。逆向き(凝固・凝縮)では同じ量の熱を放出します。一方、状態が変わらず温度だけ変える熱は顕熱(Q=mcΔtで計算できる熱)です。

【吸熱・発熱の向きと大小】

  • 吸熱(周囲から熱を奪う): 融解・蒸発・昇華。打ち水や汗の蒸発で涼しくなるのは、蒸発が周囲の熱を奪う(気化熱=蒸発熱)ためです。
  • 発熱(周囲へ熱を出す): 凝固・凝縮・凝華。
  • 大小関係: 一般に蒸発熱>融解熱。液体を気体にするには、分子をばらばらに引き離す必要があり、固体を液体にする(分子の配列を緩める)よりも大きなエネルギーが要るためです。

【危険物との接続】

潜熱の概念は、危険物の挙動と消火に深く関わります。

  • 蒸発と引火: 引火性液体は蒸発(吸熱)して可燃性蒸気を出します。蒸発熱が小さく揮発性が高い液体ほど、少ない熱で大量に蒸発し、危険です。
  • 冷却消火と水: 水は蒸発熱が非常に大きい液体です。火災に水をかけると、水が蒸発する際に多量の熱(蒸発熱)を奪うため、強力な冷却効果を発揮します。これが水が一般火災に有効な理由です。ただし第4類火災では、棒状注水は液面を広げ延焼させるため不適で、霧状水や泡・粉末等を使います(性質・消火科目に接続)。
  • 二硫化炭素・特殊引火物: 沸点・蒸発熱が小さく揮発性が極めて高いため、常温でも盛んに蒸発し、蒸気が低所に滞留して引火・爆発の危険が高い。

【試験での位置づけ】

潜熱・状態変化は、(1)融解・蒸発は吸熱、凝固・凝縮は発熱、(2)状態変化中は温度一定(潜熱は温度変化に使われない)、(3)蒸発熱>融解熱、の3点が問われます。誤答は吸熱・発熱の向きを逆にする、状態変化中に温度が上がるとする、で作られます。「状態を変える熱(潜熱)と温度を変える熱(顕熱)は別物」「氷→水→水蒸気では、状態が変わる平らな区間(温度一定)がある」というグラフ的なイメージを持つと確実です。水の蒸発熱の大きさ(冷却消火の根拠)まで結びつけると、消火法の理解にもつながります。

【各選択肢の発展補足】

  • ア(誤): 液体→気体(蒸発)は熱を吸収する。吸収せずは誤り。
  • イ(誤): 氷→水の間は温度が0℃で一定。上昇しない。
  • ウ(誤): 気体→液体(凝縮)は熱を放出する。吸収は逆。
  • エ(誤): 潜熱は状態変化に使われ、温度の上昇・下降には使われない。
  • オ(正): 一般に蒸発熱は融解熱より大きい。

【根拠】潜熱・状態変化(融解熱・蒸発熱)の確立した物理学。

【補足】融解・蒸発は吸熱/凝固・凝縮は発熱/状態変化中は温度一定/蒸発熱>融解熱。水の大きな蒸発熱が冷却消火の根拠。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 潜熱・状態変化の確立した物理学。融解・蒸発(固→液、液→気)は熱を吸収(吸熱)、凝固・凝縮(液→固、気→液)は熱を放出(発熱)。状態変化中は温度一定(加えた熱は状態変化に使われ温度上昇に使われない=潜熱)。一般に蒸発熱>融解熱。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

関連論点

潜熱(融解熱・蒸発熱頻出度B

基礎的な物理学及び基礎的な化学の他の問題

1
燃焼(引火点・発火点・燃焼範囲)
2
静電気
3
物質の三態・状態変化
4
密度・比重
5
熱量・比熱・熱膨張・熱移動
6
熱量・比熱・熱膨張・熱移動

科目別に解いて、危険物乙四に合格

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