危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問50:物質の三態・状態変化
物質の状態変化と熱に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア固体が液体になる変化を融解といい、熱を吸収する。
- イ液体が気体になる変化を蒸発(気化)といい、熱を吸収する。
- ウ固体が直接気体になる変化を昇華という。
- エ状態変化が起きている間は、加熱を続けても物質の温度はほぼ一定に保たれる。
- オ液体が気体になるとき、周囲に熱を放出して周囲の温度を上げる。正答
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誤りはオです。液体が気体になるとき(蒸発)は周囲から熱を奪い、周囲を冷やします。
- ア(正): 融解(固→液)は熱を吸収。
- イ(正): 蒸発(液→気)は熱を吸収。
- ウ(正): 昇華は固→気の直接変化。
- エ(正): 状態変化中は温度がほぼ一定(潜熱)。
- オ(誤): 蒸発は周囲から熱を奪う(周囲を冷やす)。放熱して温度を上げるは逆。
「融解・蒸発・昇華は吸熱/変化中は温度一定」を押さえます。
状態変化と熱(潜熱):
物質は固体・液体・気体に変化し、変化に伴って熱が出入りします。
- ア(正): 融解(固体→液体)は熱を吸収する(融解熱)。
- イ(正): 蒸発(気化)(液体→気体)は熱を吸収する(蒸発熱・気化熱)。
- ウ(正): 昇華は固体が直接気体になる(またはその逆)変化(ドライアイス・ナフタレン等)。
- エ(正): 状態変化の最中は、加えた熱が潜熱として状態変化に使われるため、温度はほぼ一定に保たれる。
- オ(誤): 液体が気体になる(蒸発)ときは、周囲から熱を奪うため周囲を冷やす(打ち水・汗の気化で涼しくなる)。「周囲に放熱して温度を上げる」は逆。
吸熱(融解・蒸発・昇華)↔ 放熱(凝固・凝縮・凝華)の対応も押さえる。
引っかけパターン: 蒸発を放熱・周囲を温めるとする(本問のオ)、状態変化中に温度が上がり続けるとする。「融解・蒸発・昇華は吸熱(周囲を冷やす)/変化中は温度一定」を固定します。
【理論的背景】
物質の三態(固体・液体・気体)の間の変化を状態変化といい、必ず熱の出入りを伴います。固体→液体→気体の方向(融解・蒸発・昇華)は熱を吸収し、逆方向(凝縮・凝固・凝華)は熱を放出します。状態変化中に出入りする熱を潜熱といい、この間は温度が変化しません。乙四では、蒸発が周囲を冷やすこと(吸熱)と、状態変化中の温度一定が問われます。
【状態変化と熱の整理】
- 吸熱(熱を吸収):
- 融解(固→液): 融解熱。
- 蒸発(気化)(液→気): 蒸発熱(気化熱)。周囲から熱を奪うので周囲を冷やす(汗・打ち水・冷媒の原理)。
- 昇華(固→気): 昇華熱。
- 放熱(熱を放出):
- 凝固(液→固)・凝縮(液化)(気→液)・凝華(昇華の逆)(気→固)。
- 潜熱と温度一定: 状態変化中は、加えた(奪った)熱が分子の結合状態を変えるのに使われ、温度は一定に保たれる(例: 沸騰中の水は100℃のまま)。状態変化が終わると再び温度が変わる。
【危険物との接続】
- 蒸発と引火: 第4類危険物は液面から蒸発(吸熱)した可燃性蒸気が燃焼します。蒸発しやすい(沸点・引火点が低い)ほど危険です。
- 冷却消火: 水は蒸発熱(気化熱)が大きく、火災で水が蒸発する際に大量の熱を奪うため冷却消火に優れます(ただし第4類への棒状注水は液面拡大で不適)。
- 二硫化炭素・特殊引火物は蒸発しやすく、揮発による蒸気の滞留が危険につながります。蒸発の吸熱・潜熱の概念は、これらの挙動の理解の基礎です。
【試験での位置づけ】
状態変化と熱は物理化学で標準的な論点(頻出度B)です。核心は、(1)融解・蒸発・昇華は吸熱(逆は放熱)、(2)蒸発は周囲を冷やす(吸熱)、(3)状態変化中は温度一定(潜熱)、(4)昇華は固↔気の直接変化、です。引っかけは、蒸発を放熱・周囲を温めるとする(本問のオ)、状態変化中も温度が上がり続けるとする、です。「方向で吸熱/放熱・蒸発は周囲を冷やす・変化中は温度一定」を固定します。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 融解(固→液)は熱を吸収。
- イ(正): 蒸発(液→気)は熱を吸収。
- ウ(正): 昇華は固→気の直接変化。
- エ(正): 状態変化中は温度がほぼ一定。
- オ(誤): 蒸発は周囲から熱を奪い周囲を冷やす。
【根拠】確立した物理学(状態変化と潜熱)。
【補足】融解・蒸発・昇華は吸熱(逆は放熱)。蒸発は周囲を冷やす。状態変化中は潜熱に使われ温度は一定。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した物理学(状態変化と潜熱)。融解・蒸発・昇華は熱を吸収する変化(凝固・凝縮は放熱)。状態変化中は潜熱に使われ温度は一定。蒸発は気化熱を周囲から奪うため周囲を冷やす(放熱して温度を上げるは誤り)。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。