危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問70:化学反応式・物質量
燃焼と一酸化炭素(CO)に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- アメタン(CH4)が十分な酸素のもとで完全燃焼すると、一酸化炭素(CO)と水(H2O)が生成する。
- イ一酸化炭素(CO)は、可燃性ガスであるが酸素がなければ燃焼しない。
- ウ酸素が不足した環境で可燃物が燃えると、完全燃焼ができず一酸化炭素(CO)が発生する(不完全燃焼)。正答
- エ一酸化炭素(CO)は無臭で無色のガスであるが、毒性はほとんどない。
- オ完全燃焼でも不完全燃焼でも、発生するガスの種類は同じである。
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正しいのはウです。酸素が不足した状態(換気不良など)で可燃物が燃えると、完全に酸化されずに一酸化炭素(CO)が発生します(不完全燃焼)。
- ア(誤): 十分な酸素での完全燃焼はCO2(二酸化炭素)と水が生成(COではない)。
- イ(誤): COも可燃性で酸素があれば燃える。
- ウ(正): 酸素不足→不完全燃焼→CO発生。
- エ(誤): COは毒性が強い(一酸化炭素中毒)。
- オ(誤): 完全燃焼と不完全燃焼では生成ガスが異なる(CO2対CO)。
「不完全燃焼→CO(一酸化炭素)発生・COは毒性強い」を押さえます。
完全燃焼と不完全燃焼:
炭化水素の燃焼:
- 完全燃焼(酸素十分): 炭素→CO2(二酸化炭素)、水素→H2O(水)に完全酸化される。
- 例: CH4(メタン)+ 2O2 → CO2 + 2H2O
- 不完全燃焼(酸素不足): 炭素が完全にCO2まで酸化されず、CO(一酸化炭素)が生成する。
- 例: 2CH4 + 3O2 → 2CO + 4H2O(ただし条件により混合生成物)
各選択肢の検討:
- ア(誤): 十分な酸素での完全燃焼の生成物はCO2と水(COは不完全燃焼で生成)。
- イ(誤): CO(一酸化炭素)も可燃性ガス(2CO + O2 → 2CO2と燃焼する)。酸素があれば燃える。
- ウ(正): 酸素不足環境での燃焼(不完全燃焼)でCO が発生する。換気不良の閉空間での火気使用の危険(一酸化炭素中毒)の化学的根拠。
- エ(誤): COは無臭・無色だが毒性が非常に強い(ヘモグロビンと強く結合して酸素輸送を阻害→一酸化炭素中毒)。
- オ(誤): 完全燃焼(CO2・H2O)と不完全燃焼(CO・H2O・すす等)では生成物が異なる。
引っかけパターント: 完全燃焼をCO発生と誤解(ア)、COを「毒性なし」とする(エ)。「不完全燃焼=CO発生・COは毒性強い」を固定します。
【理論的背景】
炭素を含む可燃物(有機化合物・石油類等)が燃焼する際、酸素の供給量によって生成物が変わります。酸素が十分にある完全燃焼では炭素がCO2に、水素がH2Oに完全酸化されます。酸素が不足すると炭素の酸化が途中(CO)で止まる不完全燃焼が起こります。一酸化炭素(CO)は可燃性・毒性を持つ危険なガスです。
【燃焼反応式の整理】
メタン(CH4)の例:
- 完全燃焼: CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O
(炭素:C=1 → CO2=1、水素:H4 → H2O=2個分)
- 不完全燃焼: 2CH4 + 3O2 → 2CO + 4H2O
(炭素:C → CO、酸素が1個しか使えない場合)
ガソリン(炭化水素混合物・代表的にC8H18=オクタンとすると)の完全燃焼:
- C8H18 + 12.5O2 → 8CO2 + 9H2O
- 酸素不足なら一部がCO・ すす(炭素粒子)として生成される。
一酸化炭素(CO)の性質:
- 無色・無臭の気体(検知が難しい)
- 可燃性: 2CO + O2 → 2CO2(青い炎で燃える)
- 毒性: ヘモグロビン(赤血球)との結合力が酸素の200倍以上。体内の酸素輸送が阻害される→一酸化炭素中毒(頭痛・目眩・死亡)。
- 密度(蒸気比重): 28÷29≒0.97(空気とほぼ同じ密度)。
- 発生源: 換気不良での燃焼・不完全燃焼エンジン・石炭ストーブ等。
【危険物との接続】
第4類危険物の火災・燃焼との接続:
- 閉空間での火災: 換気が不十分な室内・地下タンク室等での火災では、酸素が消費されて不完全燃焼が起こりやすく、COが発生する。消防士・救助者が高濃度COに被曝する危険がある。
- エンジン室・機械室: 危険物取扱施設の動力源(ディーゼル発電機等)が不完全燃焼するとCOが発生する。換気の確保が必要。
- ガスセンサー: COの検知は一般の気体センサー(炭化水素センサー)では困難なため、CO専用センサーを設置する場合がある。
- 燃焼範囲: COも可燃性ガスで燃焼範囲は約12.5〜74vol%(広い)。COが充満した場所での引火・爆発の危険もある。
【試験での位置づけ】
不完全燃焼とCOは頻出(頻出度C)です。核心は、(1)酸素不足の不完全燃焼でCO(一酸化炭素)が発生、(2)完全燃焼ではCO2(二酸化炭素)と水が生成(COは完全燃焼では生成しない)、(3)COは可燃性かつ毒性が強い(一酸化炭素中毒)、(4)COは無色・無臭で発見が難しい、です。引っかけは「完全燃焼でCO生成」とする(ア)、「COは毒性がない」とする(エ)です。「不完全燃焼→CO発生・COは可燃かつ強毒」を固定します。
【各選択肢の発展補足】
- ア(誤): 十分な酸素での完全燃焼ではCO2と水が生成(COではない)。CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O。
- イ(誤): COは可燃性(酸素があれば燃える)。2CO + O2 → 2CO2。
- ウ(正): 酸素不足→不完全燃焼→CO発生。
- エ(誤): COは強毒性(ヘモグロビンと強く結合・一酸化炭素中毒)。無色・無臭は正しい。
- オ(誤): 完全燃焼(CO2・H2O)と不完全燃焼(CO等)では生成物が異なる。
【根拠】確立した化学(完全燃焼/不完全燃焼・一酸化炭素の性質)。完全燃焼: CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O。不完全燃焼: 酸素不足→CO発生。COは可燃性・強毒性(ヘモグロビン結合)。
【補足】不完全燃焼(酸素不足)=CO発生。完全燃焼=CO2+H2O。COは無色・無臭・可燃性・毒性強(一酸化炭素中毒の原因)。
<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): 完全燃焼CH4+2O2→CO2+2H2O・不完全燃焼で酸素不足→CO発生。COは可燃性かつ強毒性(無色無臭)。正答ウ一意。OK -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した化学(燃焼反応式・完全燃焼/不完全燃焼)。完全燃焼では炭素を含む可燃物が全てCO2とH2Oになる(CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O)。酸素不足の不完全燃焼ではCO(一酸化炭素)が生成する(2CH4 + 3O2 → 2CO + 4H2O)。COは可燃性かつ毒性(ヘモグロビンとの強い結合で一酸化炭素中毒)がある。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。