危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問86:酸・塩基・有機/無機
酸と塩基(アルカリ)のpHに関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- アpHが7未満の水溶液は酸性である。
- イpHが7の水溶液は中性(純水に近い状態)である。
- ウpHが7を超える水溶液はアルカリ性(塩基性)である。
- エpHの値が小さいほど酸性が弱く、pHが大きいほど酸性が強い。正答
- オ危険物の酢酸(氷酢酸)は酸性を示す液体であり、水溶液のpHは7未満である。
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誤っているのはエです。pHの値が小さいほど酸性が強く、pHが大きいほどアルカリ性(塩基性)が強いのが正しい説明です。エは方向が逆になっています。
- ア(正): pH < 7 は酸性。正しい。
- イ(正): pH = 7 は中性。純水は25℃でpH≒7。
- ウ(正): pH > 7 はアルカリ性(塩基性)。正しい。
- エ(誤): 「pHが小さいほど酸性が弱い」は逆。pH1(強酸)よりpH6(弱酸)の方が酸性が弱い。
- オ(正): 酢酸(CH3COOH)は弱酸性の液体。水に溶かすとpH < 7(酸性)。正しい。
pH は 0〜14 のスケールで、7 が中性・7未満が酸性・7超がアルカリ性です。
pH の定義と酸・塩基(確立した化学):
pH(水素イオン指数)は溶液中の水素イオン濃度 [H⁺] を対数で表したものです(pH = −log₁₀[H⁺])。
| pHの範囲 | 性質 | 例 |
|---|---|---|
| pH < 7 | 酸性 | 塩酸(pH1)・酢酸(pH3程度)・炭酸水(pH4〜5) |
| pH = 7 | 中性 | 純水(25℃) |
| pH > 7 | アルカリ性(塩基性) | 水酸化ナトリウム水溶液(pH13)・アンモニア水(pH11) |
方向性:pH 小 → 酸性強。pH 大 → アルカリ性強。
各選択肢:
- ア(正): pH < 7 は酸性。正しい定義。
- イ(正): pH = 7 は中性。純水のpHは25℃でほぼ7。
- ウ(正): pH > 7 はアルカリ性。正しい定義。
- エ(誤): 「pHが小さいほど酸性が弱い」は逆。pH1の塩酸はpH6の弱酸より酸性が強い。
- オ(正): 酢酸(氷酢酸・CH3COOH)は弱酸。水に溶けるとH⁺を供給し、pH < 7 の酸性水溶液を形成する。第二石油類・水溶性・指定数量2,000L。
第4類への接続: 酢酸(氷酢酸)は引火点39℃・液比重1.05(水より重い)の水溶性危険物。酸性(腐食性)を持つため容器・取扱いに注意が必要。
【理論的背景:pHの定義と水素イオン濃度】
pH(ペーハー、または英語読みピーエイチ)は「水素イオン濃度([H⁺]、厳密には水素イオン活量)の逆数の対数」として定義されます。
pH = −log₁₀[H⁺]
水は微量に自己解離して H⁺ と OH⁻ を生じます(Kw = [H⁺][OH⁻] = 10⁻¹⁴ at 25℃)。
- 純水: [H⁺] = [OH⁻] = 10⁻⁷ mol/L → pH = 7(中性)
- 酸性([H⁺] > 10⁻⁷): pH < 7
- 塩基性([H⁺] < 10⁻⁷): pH > 7
pH の増減方向:
- pH が 1 下がる = [H⁺] が10倍(酸性10倍強い)
- pH が 1 上がる = [H⁺] が1/10(塩基性10倍強い)
【酢酸(氷酢酸)と危険物規制】
酢酸(CH3COOH)は第4類危険物・第二石油類(水溶性)・指定数量2,000Lに分類されます。純粋な酢酸(氷酢酸)は引火点39℃(常温でも引火の危険)・沸点118℃・液比重1.05(水より重い)・燃焼範囲4〜19.9%。水溶性かつ酸性(弱酸・pH 3〜4程度)であり、腐食性があります。消火には耐アルコール泡・粉末・CO2等(水溶性のため通常泡は不可)。
【強酸・弱酸・強塩基・弱塩基の分類】
酸の「強弱」はpHの数値より「電離度(イオン化の程度)」で分類されます:
- 強酸: 塩酸(HCl)・硫酸(H2SO4)・硝酸(HNO3)→水中でほぼ完全にH⁺を放出
- 弱酸: 酢酸(CH3COOH)・炭酸(H2CO3)→一部のみ電離(電離平衡)
同じpHでも強酸と弱酸は性質が異なります。乙四試験では酸・塩基の強弱より「pH7未満=酸性・7超=アルカリ性」の定性的理解が求められます。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): pH < 7 は酸性。H⁺ 濃度が OH⁻ より大きい状態。
- イ(正): pH = 7 は中性(25℃純水)。温度が変わると純水のpHも変化(60℃では pH≒6.5)が、乙四レベルでは常温(25℃)pH=7を中性の基準とする。
- ウ(正): pH > 7 はアルカリ性(塩基性)。OH⁻ 濃度が H⁺ より大きい。
- エ(誤): pHが小さいほど酸性が強い(H⁺ 濃度高い)。大きいほどアルカリ性が強い。「小さいほど酸性が弱い」は逆。
- オ(正): 酢酸は弱酸性の危険物(第二石油類・水溶性・指定数量2,000L・引火点39℃)。腐食性あり。pH < 7(正しい)。
【試験での位置づけ】
乙四試験では「pH7未満=酸性・pH7=中性・pH7超=アルカリ性」とpHの大小方向(小=酸性強)が出題されます。また酢酸(氷酢酸)は第二石油類・水溶性・液比重>1(水より重い)として性質科目でも頻出。物理化学の酸塩基基礎と性質科目の物質理解を接続して記憶すると得点が安定します。
【根拠】確立した化学(pHの定義・酸塩基の基礎)。
【補足】pH < 7 = 酸性・pH = 7 = 中性・pH > 7 = アルカリ性。pH 小 → 酸性強(逆ではない)。酢酸は弱酸性危険物(pH < 7)。
<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): pH<7酸性/=7中性/>7アルカリ性、pH小=酸性強(pH1で[H+]が10倍)すべて正確。酢酸=第二石油類・水溶性・指定数量2000L・引火点39℃・液比重1.05は§1-2物性表と一致。正答エ(pH小ほど酸性弱いは逆)で一意。確定。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した化学(pH の定義)。pHが小さいほど酸性が**強く**、pHが大きいほど**アルカリ性が強い**(酸性は弱い)。エは逆の記述。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。