基礎的な物理学及び基礎的な化学9燃焼範囲(爆発限界)

危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問9:燃焼範囲(爆発限界)

可燃性蒸気の燃焼範囲(爆発範囲)と危険性に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 可燃性蒸気の濃度が燃焼範囲の下限値より低い(蒸気が薄すぎる)場合は、点火源があっても燃焼しない。正答
  • 可燃性蒸気の濃度が燃焼範囲の上限値より高い(蒸気が濃すぎる)場合でも、点火源があれば必ず燃焼する。
  • 燃焼範囲が狭い物質ほど、また燃焼下限界が高い物質ほど、一般に危険性が高い。
  • 燃焼範囲は温度や圧力に関係なく、常に一定である。
  • 燃焼範囲とは、可燃性蒸気のみが存在し空気が全くない状態で燃焼できる範囲をいう。
正答:可燃性蒸気の濃度が燃焼範囲の下限値より低い(蒸気が薄すぎる)場合は、点火源があっても燃焼しない。

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正しいのはアです。蒸気が薄すぎる(下限未満)と、点火源があっても燃えません。

  • ア(正): 下限値より薄いと燃えない。
  • イ(誤): 上限値より濃すぎると(酸素不足で)燃えない。「必ず燃焼する」は誤り。
  • ウ(誤): 燃焼範囲が広く、下限値が低いほど危険。逆になっている。
  • エ(誤): 燃焼範囲は温度・圧力で変わる(温度が上がると広がる傾向)。
  • オ(誤): 燃焼範囲は蒸気が空気と混合した状態の範囲。空気がない状態ではない。

「燃焼範囲=薄すぎても濃すぎても燃えない/広く・下限が低いほど危険」を固定。

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燃焼範囲(爆発限界)の意味:

燃焼範囲は、可燃性蒸気が空気と混合して燃焼(爆発)できる蒸気濃度(vol%)の範囲です。下限値を燃焼下限界、上限値を燃焼上限界といいます。

  • ア(正): 濃度が下限値より低い(薄すぎる)と、可燃物が足りず、点火源があっても燃焼しない。
  • イ(誤): 濃度が上限値より高い(濃すぎる)と、相対的に酸素が不足して燃焼しない。「必ず燃焼する」は誤り。
  • ウ(誤): 危険性が高いのは、燃焼範囲が広い物質・燃焼下限界が低い物質。範囲が広いほど燃える濃度域が広く、下限が低いほど薄い蒸気でも燃える。記述は逆で誤り。
  • エ(誤): 燃焼範囲は温度・圧力により変化する。一般に温度が上がると範囲は広がる(下限が下がり上限が上がる傾向)。
  • オ(誤): 燃焼範囲は蒸気が空気(酸素)と混合した状態での濃度範囲。空気が全くない状態ではない。

危険性の指標: 燃焼範囲が広く(例: 二硫化炭素1.3〜50、ジエチルエーテルは下限1.9)、下限値が低い物質ほど、薄い蒸気でも引火するため危険。

引っかけパターン: 上限超で「必ず燃焼」(イ)、危険性の大小を逆にする(ウ)。「薄すぎ・濃すぎは燃えない/広く下限が低いほど危険」を固定。

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【理論的背景】

可燃性蒸気は、空気とちょうどよい割合で混ざったときだけ燃焼します。蒸気が薄すぎても(可燃物不足)、濃すぎても(酸素不足)燃えません。この「燃えられる濃度の範囲」が燃焼範囲(爆発限界)で、最も薄い側の限界を燃焼下限界(下限値)、最も濃い側を燃焼上限界(上限値)といいます。危険物の引火・爆発の危険性を評価する基本指標で、引火点とともに第4類の危険性を特徴づけます。

【実務・条文構造(化学的整理)】

  • 下限未満(蒸気が薄い): 可燃物が足りず、点火源があっても燃えない。
  • 燃焼範囲内: 点火源があれば燃焼・爆発する。
  • 上限超(蒸気が濃い): 酸素が相対的に不足し燃えない。ただし空気と混ざれば燃焼範囲に入って引火し得るため危険がなくなるわけではない。
  • 温度・圧力依存: 一般に温度が上がると燃焼範囲は広がり(下限低下・上限上昇)、引火しやすくなる。

危険性の評価:

  • 燃焼範囲が広いほど、燃える濃度域が広く危険。
  • 燃焼下限界が低いほど、薄い蒸気でも引火するため危険。
  • 代表値(§物性表より): ガソリン約1.4〜7.6、灯油約1.1〜6、二硫化炭素約1.3〜50(範囲が極めて広く危険)、ジエチルエーテルは下限約1.9(上限値は教科書で幅があるため下限・引火点で危険性を判断する)。

引火点との関係:

  • 引火点は「液面上に燃焼下限界の濃度の蒸気を生じる最低液温」とも言える。引火点が低い物質は、低温でも下限界濃度の蒸気を出すため引火しやすい。燃焼範囲(特に下限)と引火点は表裏一体の指標。

【試験での位置づけ】

燃焼範囲は物理化学・性質で頻出です。核心は(1)下限未満(薄い)・上限超(濃い)では燃えない、(2)燃焼範囲が広く下限が低いほど危険、(3)温度上昇で範囲は広がる、(4)蒸気は空気と混合した状態の濃度範囲。引っかけは上限超で「必ず燃える」とする誤り、危険性の大小を逆にする誤り(範囲が狭い・下限が高いほど危険、とする誤り)です。上限値そのものは教科書で幅がある物質があるため、出題は下限・大小関係で押さえます。

【各選択肢の発展補足】

  • ア(正): 下限未満(薄すぎ)では燃えない。
  • イ(誤): 上限超(濃すぎ)では燃えない。必ず燃焼は誤り。
  • ウ(誤): 燃焼範囲が広く下限が低いほど危険。記述は逆。
  • エ(誤): 燃焼範囲は温度・圧力で変化(温度上昇で拡大傾向)。
  • オ(誤): 蒸気が空気と混合した状態での濃度範囲。空気がない状態ではない。

【根拠】確立した化学(燃焼範囲=爆発限界)。

【補足】下限未満・上限超では燃えない/燃焼範囲が広く下限が低いほど危険/温度上昇で範囲は広がる/引火点は下限界濃度の蒸気を生じる最低液温。

<!-- 監修確定 2026-06-03: 燃焼範囲(下限未満・上限超は燃えない/広く下限低いほど危険/温度で変化)は確立化学と一致。上限値は教科書で幅があるため正誤の核心にせず下限・大小で出題(設計書方針)。正答ア。誤りなし。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した化学(燃焼範囲=爆発限界)。燃焼範囲は可燃性蒸気が空気と混合して燃えられる濃度(vol%)の範囲。下限値(燃焼下限界)未満では蒸気が薄く燃えず、上限値(燃焼上限界)超では蒸気が濃すぎ(酸素不足で)燃えない。燃焼範囲が広く下限値が低いほど危険。温度上昇で範囲は広がる傾向。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

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