危険物乙四 危険物に関する法令 問23:貯蔵・取扱の基準
屋内貯蔵所の位置・構造・設備の基準に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア貯蔵倉庫は独立した専用の建築物とし、その軒高は原則として6m未満の平家建てとしなければならない。正答
- イ貯蔵倉庫の床は、危険物が浸透しやすいように土間のままとし、排水溝を設けてはならない。
- ウ貯蔵倉庫の窓および出入口は、採光と通気を最大化するため常時開放できる木製のものとしなければならない。
- エ危険物を貯蔵する場合、容器に収納せず床面に直接流して貯蔵することができる。
- オ屋内貯蔵所には、保安距離・保有空地はいずれも一切要求されない。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠も明記。
正しいのはアです。屋内貯蔵所の貯蔵倉庫は、ほかの用途と一緒にしない独立した専用の建物で、原則として平家建て・軒高6m未満とします。
- ア(正): 独立専用・平家建て・軒高6m未満が基本。
- イ(誤): 床は危険物がしみ込まない構造にし、流れ出た液をためる措置をとる。土間放置は誤り。
- ウ(誤): 窓・出入口は防火設備(防火戸)。常時開放の木製は誤り。
- エ(誤): 危険物は容器に入れて貯蔵する。床に流すのは論外。
- オ(誤): 屋内貯蔵所も保安距離・保有空地の対象。
貯蔵倉庫=独立・平家・床は不浸透、という基本像を押さえます。
屋内貯蔵所の基準の骨格(危政令第10条):
屋内貯蔵所は、危険物を容器に収納して屋内で貯蔵する施設です。基準の柱は次のとおりです。
- 貯蔵倉庫は独立した専用の建築物とし、原則として平家建て・軒高6m未満(ア=正)。
- 壁・柱・床は不燃材料、延焼のおそれのある外壁は耐火構造とする。
- 床は危険物が浸透しない構造とし、適当な傾斜とためます(貯留設備)を設ける(イ=誤)。
- 窓・出入口には防火設備(防火戸)を設け、引火点の低い危険物では網入りガラスとする(ウ=誤)。
- 危険物は容器に収納して貯蔵する(エ=誤)。
- 屋内貯蔵所も保安距離・保有空地の対象(指定数量の倍数で空地幅が決まる)(オ=誤)。
引っかけパターン:
- 床を「浸透しやすく」とする逆転(イ)
- 窓・出入口を防火設備でなく開放木製とする誤り(ウ)
- 容器収納を否定する誤り(エ)
- 保安距離・空地を「不要」とする誤り(オ)
「独立・平家・不浸透床・防火戸・容器収納」が屋内貯蔵所のキーワードです。
【理論的背景】
屋内貯蔵所は、危険物を容器に収納した状態で屋内に貯蔵する貯蔵所です(タンクで貯蔵する屋内タンク貯蔵所とは別区分)。火災時に建物内で危険物が燃えると消火・避難が難しくなるため、(1)他用途と切り離した独立建築物、(2)上階への延焼を防ぐ平家・低い軒高、(3)漏れた液が床下や地下に浸透・拡散しない床構造、(4)開口部からの延焼を防ぐ防火設備、という発想で基準が組まれています。これを一つの絵として理解すると、個別の数値も覚えやすくなります。
【実務・条文構造】
危政令第10条と危規則が屋内貯蔵所の位置・構造・設備を定めます。
- 位置: 保安距離(住宅10m・学校病院等30m・高圧ガス20m・重要文化財50m等)と、指定数量の倍数に応じた保有空地を確保。
- 構造: 独立専用建築物・原則平家建て・軒高6m未満・一の貯蔵倉庫の床面積は1,000㎡以下(危政令第10条第1項第5号)。壁柱床は不燃材料、延焼のおそれのある外壁は耐火構造、屋根は軽量な不燃材料で爆風を上に逃がす。床は危険物が浸透しない構造+傾斜+ためます。
- 設備: 窓・出入口に防火設備(防火戸)、引火点の低い危険物では網入りガラス、必要な採光・照明・換気、可燃性蒸気が滞留するおそれのある場合は蒸気を屋外の高所に排出する設備、指定数量10倍以上で避雷設備。
【試験での位置づけ】
施設区分ごとの個別基準は、法令科目で「どの施設の基準か」を取り違えさせる形で問われます。屋内貯蔵所では、(1)独立専用・平家・軒高6m未満、(2)床は不浸透+ためます、(3)開口部は防火設備、(4)保安距離・保有空地の対象、の4点が定番です。特に「床を浸透しやすく」「窓を常時開放」のように、安全の方向性を逆にした選択肢が誤りとして頻出します。基準は常に「漏らさない・浸透させない・延焼させない」方向に働くと押さえれば、逆転選択肢を即座に切れます。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 独立専用建築物・原則平家建て・軒高6m未満。屋内貯蔵所の基本構造。
- イ(誤): 床は危険物が浸透しない構造とし傾斜・ためますを設ける。土間放置・排水溝禁止は誤り。
- ウ(誤): 窓・出入口は防火設備(防火戸)。常時開放の木製は延焼防止に反する。
- エ(誤): 危険物は容器に収納して貯蔵。床に流す貯蔵はあり得ない。
- オ(誤): 屋内貯蔵所も保安距離・保有空地の対象。「一切不要」は誤り。
【根拠法令】危険物の規制に関する政令第10条、危険物の規制に関する規則。
【補足】屋内貯蔵所=独立専用・原則平家・軒高6m未満/一の貯蔵倉庫の床面積1,000㎡以下/床は不浸透+ためます/開口部は防火設備/保安距離・保有空地の対象。基準は「漏らさない・延焼させない」方向。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 危険物の規制に関する政令第10条(屋内貯蔵所の基準)、危険物の規制に関する規則。貯蔵倉庫は独立専用建築物・原則平家建て・軒高6m未満が基本。床は危険物が浸透しない構造とし傾斜・ためますや適切な排水措置を設ける。窓・出入口は防火設備(防火戸)とし、引火点が低い危険物では網入りガラス等とする。危険物は原則容器に収納して貯蔵。屋内貯蔵所も保安距離・保有空地の対象。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。