危険物乙四 危険物に関する法令 問26:運搬・移送
移動タンク貯蔵所(タンクローリー)の基準に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア移動貯蔵タンクの容量は1万L以下とし、内部には4,000Lごとに間仕切りを設けなければならない。正答
- イ移動貯蔵タンクには間仕切りを設けてはならず、内部は一つの大きな空間としなければならない。
- ウ移送中、危険物取扱者は車内に乗車している必要はなく、免状を事務所に保管しておけばよい。
- エ移動貯蔵タンクの容量は3万L以下とし、間仕切りは1万Lごとに設ければよい。
- オ移動貯蔵タンクには接地導線(アース)を設ける必要はない。
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正しいのはアです。タンクローリー(移動貯蔵タンク)は、走行中に中の液が大きく揺れないよう、4,000Lごとに間仕切りを入れます(各部屋は4,000L以下)。
- ア(正): 4,000Lごとに間仕切り。各室4,000L以下。
- イ(誤): 間仕切りは「設ける」。一体空間は揺れて危険。
- ウ(誤): 移送中は危険物取扱者が乗車し免状を携帯する。
- エ(誤): 間仕切りは1万Lごとではなく4,000Lごと。
- オ(誤): 静電気除去のため接地導線(アース)を設ける。
「4,000Lごとの間仕切り」「移送は乗車・免状携帯」が最重要です。
移動タンク貯蔵所の基準(危政令第15条・第30条の2):
移動タンク貯蔵所はタンクローリーで、走行に伴う液の揺れ(スロッシング)対策と、走行中の漏えい・静電気対策が基準の中心です。
- 間仕切り: タンク内部に4,000Lごとに間仕切り板を設け、各室を4,000L以下にする(ア=正、イ・エ=誤)。容量2,000L以上の室には防波板を設けて液の動揺を抑える。
- 静電気対策: 注入・排出時の静電気を逃がす接地導線(アース)を設ける(オ=誤)。
- 移送(危政令第30条の2): 移送する危険物を取り扱える危険物取扱者が乗車し、免状を携帯しなければならない(ウ=誤)。長距離・長時間の移送では2名以上の運転要員等の措置。
運搬と移送の区別(最重要):
- 運搬=容器でトラック等に積んで運ぶ。取扱者の乗車は不要(運転者は資格不問)。
- 移送=移動タンク貯蔵所(ローリー)で運ぶ。取扱者の乗車・免状携帯が必要。
「4,000Lごとの間仕切り」と「移送=乗車・免状携帯」を混同しないこと。
【理論的背景】
移動タンク貯蔵所(タンクローリー)は、危険物をタンクのまま走行して運ぶ施設です。固定タンクと違い、(1)走行中に液面が大きく動揺して重心が移動し横転を招く(スロッシング)、(2)路上での衝突・転倒で大量漏えいの危険、(3)注入・排出時に流動帯電で静電気が発生する、という移動体特有のリスクがあります。基準はこれらに対応し、間仕切り・防波板で液の動揺を抑え、接地で静電気を逃がし、移送時は有資格者を乗車させて取扱いの安全を確保します。
【実務・条文構造】
- 容量と間仕切り: 移動貯蔵タンクの容量は30,000L以下。内部は4,000Lごとに間仕切り板で区切り、各室4,000L以下にする。容量2,000L以上の室には防波板を設ける。各室にはマンホール・注入口・安全装置・通気管。
- 静電気対策: タンク車体に接地導線(アース)を設け、注入・排出時の流動帯電による静電気を大地に逃がす。注入は流速を抑える。
- 移送の基準(危政令第30条の2): 移送する危険物を取り扱える危険物取扱者が乗車し、免状を携帯。移送開始前にタンクの底弁・マンホール・配管等を点検。長時間連続移送(運転4時間超/1日9時間超等)では運転要員2名以上。消防吏員・警察官は走行中の移動タンク貯蔵所を停止させ免状の提示を求められる。
- 標識: 車両の前後に「危」の標識を掲げる。
【試験での位置づけ】
移動タンク貯蔵所は法令の頻出施設で、(1)間仕切りは4,000Lごと、(2)タンク容量は30,000L以下、(3)移送は取扱者乗車・免状携帯、(4)接地導線を設ける、の4点が定番です。最大の自爆ポイントは運搬と移送の混同です。「運搬(容器でトラック輸送)は取扱者の乗車不要」「移送(ローリー)は取扱者の乗車・免状携帯が必要」を逆に覚えると確実に失点します。本問のウは「移送中、乗車不要」とする典型的な誤りで、移送の本質(有資格者が運ぶ)を否定しています。間仕切りの数値(4,000L)と移送の乗車要件を正確に。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 容量30,000L以下・4,000Lごとに間仕切り・各室4,000L以下。
- イ(誤): 間仕切りは設ける。一体空間は液の動揺で横転リスク。
- ウ(誤): 移送中は危険物取扱者が乗車し免状を携帯。運搬との混同が原因の誤り。
- エ(誤): 間仕切りは1万Lごとではなく4,000Lごと。
- オ(誤): 静電気除去のため接地導線(アース)を設ける。
【根拠法令】危険物の規制に関する政令第15条・第30条の2、危険物の規制に関する規則。
【補足】移動貯蔵タンク=容量30,000L以下・4,000Lごと間仕切り・防波板・接地導線/移送は取扱者の乗車・免状携帯が必要(運搬は乗車不要)。両者を混同しない。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 危険物の規制に関する政令第15条(移動タンク貯蔵所)、同第30条の2(移送の基準)、危険物の規制に関する規則。移動貯蔵タンクの容量は**30,000L以下**だが、内部には**4,000Lごとに間仕切り板**を設け、各室容量は4,000L以下とする(液の動揺=スロッシング防止)。容量2,000L以上の室には防波板を設ける。移送には危険物取扱者の**乗車が必要で、免状を携帯**する。静電気除去のため接地導線を設ける。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。