危険物乙四 危険物に関する法令 問42:製造所等の区分
製造所の位置・構造・設備の基準に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア製造所には保安距離が必要だが、保有空地は一切必要ない。
- イ危険物を取り扱う建築物の屋根は、爆発時の圧力を内部に閉じ込めるため、重く堅固な耐圧構造としなければならない。
- ウ可燃性蒸気が滞留するおそれのある建築物の床は、蒸気が地下にたまるよう、地盤面より低くしなければならない。
- エ危険物を取り扱う建築物は、地階を有しないものとし、壁・柱・床・はり等を不燃材料で造り、延焼のおそれのある外壁は出入口以外の開口部のない耐火構造とする。正答
- オ製造所の窓・出入口にガラスを用いる場合は、採光のため必ず透明な板ガラスとしなければならない。
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正しいのはエです。製造所の建物は、地下室を持たず、燃えにくい材料で造り、燃え移りやすい側の外壁は丈夫な耐火構造にします。
- ア(誤): 製造所は保安距離も保有空地も必要。
- イ(誤): 屋根は爆風を上に逃がすため軽くする。重い耐圧構造は逆。
- ウ(誤): 蒸気は地下にためない。床は地盤面以上で蒸気を屋外へ逃がす。
- エ(正): 地階なし・不燃材料・延焼側外壁は開口部のない耐火構造。
- オ(誤): ガラスは網入りガラス。透明板ガラス限定は誤り。
「地階なし・不燃材料・軽い屋根・延焼側は耐火」を押さえます。
製造所の位置・構造・設備(危政令第9条):
製造所は危険物を製造(取扱い)する施設で、基準は「延焼を防ぎ、爆発時は被害を上方に逃がし、蒸気・漏えいを管理する」方向で組まれています。
- 位置: 保安距離(住宅10m・学校病院等30m・高圧ガス20m・重要文化財50m等)と保有空地を確保(ア=誤)。
- 構造:
- 建築物は地階を有しない(エ=正)。
- 壁・柱・床・はり・階段を不燃材料で造り、延焼のおそれのある外壁は出入口以外の開口部のない耐火構造とする(エ=正)。
- 屋根は不燃材料で、爆風を上方に逃がすため軽量にする(イ=誤:重い耐圧構造は逆)。
- 床は危険物が浸透しない構造で、傾斜・ためますを設ける。可燃性蒸気が滞留する場合は屋外の高所へ排出(ウ=誤)。
- 設備: 窓・出入口に防火設備、ガラスは網入りガラス(オ=誤)。蒸気滞留場所の電気設備は防爆構造、必要に応じ避雷設備(倍数10以上)。
引っかけパターン:
- 屋根を「重く堅固」とする逆転(イ)
- 床を地盤面より低くとする誤り(ウ)
- ガラスを透明板ガラス限定とする誤り(オ)
「地階なし・不燃・軽い屋根・延焼側耐火・網入りガラス」を押さえます。
【理論的背景】
製造所は危険物を取り扱う最も基本的な施設で、その位置・構造・設備の基準は、他の製造所等の基準のひな型になります。基準の設計思想は3つです。(1)周囲への延焼防止(保安距離・保有空地・耐火外壁・防火設備)、(2)爆発時の被害最小化(屋根を軽くし爆風を上に逃がす=周囲の人や建物への横方向被害を減らす)、(3)漏えい・蒸気の管理(浸透しない床+ためます、蒸気の屋外排出、防爆電気設備)。この3つの軸で考えると、個別の基準が一貫して理解できます。
【実務・条文構造】
危政令第9条が製造所の基準を定めます。
- 位置: 保安距離(学校病院等30m・住宅10m・高圧ガス20m・特別高圧架空電線・重要文化財50m等)と、指定数量の倍数に応じた保有空地。
- 構造:
- 地階を有しない(蒸気が地下に滞留・引火するのを防ぐ)。
- 壁・柱・床・はり・階段を不燃材料、延焼のおそれのある外壁は出入口以外の開口部のない耐火構造。
- 屋根は不燃材料で軽量に造り、爆発時に爆風・破片を上方へ逃がす(爆発をリリーフする発想)。
- 床は危険物が浸透しない構造、適当な傾斜+ためます(貯留設備)。
- 設備: 窓・出入口に防火設備、ガラスは網入りガラス。可燃性蒸気が滞留するおそれのある場所では蒸気を屋外の高所に排出する設備、電気設備は防爆構造、静電気除去設備、倍数10以上で避雷設備。
【試験での位置づけ】
製造所の構造基準は、(1)地階を有しない、(2)壁柱床は不燃・延焼側外壁は開口部のない耐火、(3)屋根は軽量(爆風を上に逃がす)、(4)ガラスは網入り、(5)保安距離・保有空地が必要、の各点が問われます。最頻出の引っかけは「屋根を重く堅固にする」で、これは爆発リリーフの発想(軽くして上に逃がす)と正反対であり即座に切れます。「床を地盤面より低く(蒸気を地下にためる)」も、蒸気の滞留=引火源化を促す逆方向の誤りです。基準は常に「延焼させない・爆風を上に逃がす・蒸気と漏えいを管理する」方向に働くと押さえれば、逆転選択肢を一貫して判別できます。
【各選択肢の発展補足】
- ア(誤): 製造所は保安距離だけでなく保有空地も必要。
- イ(誤): 屋根は軽量にして爆風を上方に逃がす。重い耐圧構造は逆。
- ウ(誤): 蒸気を地下にためない。床は浸透しない構造で蒸気は屋外高所へ排出。
- エ(正): 地階なし・不燃材料・延焼側外壁は開口部のない耐火構造。
- オ(誤): ガラスは網入りガラス。透明板ガラス限定は誤り。
【根拠法令】危険物の規制に関する政令第9条。
【補足】製造所=保安距離・保有空地/地階なし・不燃材料・延焼側は開口部のない耐火/屋根は軽量(爆風を上へ)/床は浸透しない+ためます/網入りガラス・防爆電気設備。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 危険物の規制に関する政令第9条(製造所の基準)。製造所は保安距離・保有空地を確保し、危険物を取り扱う建築物は**地階を有しない**、壁・柱・床・はり等を不燃材料で造り、延焼のおそれのある外壁は出入口以外の開口部のない耐火構造とする。屋根は不燃材料で造り、爆風を上方に逃がすため**軽量**にする。床は危険物が浸透しない構造で適当な傾斜・ためますを設ける。窓・出入口には防火設備、ガラスは網入りガラスとする。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。