危険物乙四 危険物に関する法令 問50:運搬・移送
移動タンク貯蔵所(タンクローリー)の設備および取扱いの基準について、次の記述のうち**誤っているもの**はどれか。
- ア移動貯蔵タンクには、見やすい箇所に標識を設け、自動車用消火器を備える。
- イガソリン等を移動貯蔵タンクから他のタンクに注入するときは、静電気による災害防止のため接地(アース)導線を用いる。
- ウ移動貯蔵タンクには、危険物の取扱いに必要な書類として完成検査済証等を備え付けておく。
- エ移動タンク貯蔵所で危険物を移送する場合、危険物取扱者は乗車する必要がなく、運転者が無資格でも移送できる。正答
- オ移動貯蔵タンクの底弁等には、事故時に直ちに閉鎖できるよう手動および自動の閉鎖装置(緊急レバー等)を設ける。
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誤っているのはエです。危険物を移送するタンクローリーには、危険物取扱者が乗車しなければなりません。
- ア(正): 標識と自動車用消火器を備える。
- イ(正): 注入時は接地(アース)導線で静電気対策。
- ウ(正): 完成検査済証等を備え付ける。
- エ(誤): 取扱者の乗車が必要。無資格運転者だけでの移送は不可。
- オ(正): 緊急時に閉鎖できる装置(緊急レバー等)を設ける。
「移送=危険物取扱者が乗車」が核心です。運搬(乗車不要)と区別します。
移動タンク貯蔵所(移送・危政令):
タンクローリーで危険物を運ぶ「移送」は、運搬(容器に入れて運ぶ)と区別され、移動タンク貯蔵所として規制されます。
設備・取扱いの基準:
- ア(正): 見やすい箇所に標識を設け、自動車用消火器を備える。
- イ(正): ガソリン等を注入するときは接地(アース)導線で静電気を逃がす。
- ウ(正): 完成検査済証・定期点検記録・譲渡引渡しの書類等を備え付ける。
- エ(誤): 危険物を移送する場合、移送する危険物を取り扱える危険物取扱者が乗車しなければならない(消防法第16条の2)。「無資格運転者だけで移送できる」は誤りで、本問の正答。
- オ(正): 底弁等に手動・自動の緊急閉鎖装置(緊急レバー等)を設け、事故時に直ちに流出を止められるようにする。
引っかけパターン: 移送(移動タンク・乗車必要)と運搬(容器・乗車不要)の混同。移送には取扱者の乗車・乗車証としての免状携帯が必要です。
【理論的背景】
危険物を運ぶ行為には、容器に入れて車両で運ぶ「運搬」と、移動タンク貯蔵所(タンクローリー)で運ぶ「移送」の2系統があります。移送はタンク単位の大量輸送で危険が大きいため、車両構造・設備に加えて「移送中は有資格者が乗車する」という人の要件まで課される点が、運搬との決定的な違いです。この区別は法令科目で繰り返し問われます。
【実務・条文構造(移送の要件)】
- 危険物取扱者の乗車(消防法第16条の2): 移送する危険物を取り扱える危険物取扱者(甲種、または当該類の乙種)が乗車し、免状を携帯する。丙種は取り扱える品目の範囲で乗車可。
- 標識: 車両前後の見やすい箇所に「危」の標識を掲げる。
- 消火器: 自動車用消火器を所定数備える。
- 接地導線: ガソリン等(静電気を生じやすい非導電性の危険物)の注入・抜き取り時に接地(アース)で帯電を逃がす。
- 緊急閉鎖装置: 底弁・配管に手動・自動の緊急レバー等を設け、事故時に直ちに閉鎖して流出を止める。
- 書類の備付け: 完成検査済証、定期点検記録、譲渡・引渡しの届出書類等。
- 長時間連続移送: 一定時間・距離を超える移送では2名以上の運転要員等の措置。
運搬(移送との対比):
- 運搬は指定数量未満でも規制対象(運搬容器・積載方法・混載基準・標識)。
- 運搬には危険物取扱者の乗車・同乗は不要(資格がなくても運搬できる)。
- 移送(移動タンク)は取扱者の乗車が必要。
【試験での位置づけ】
移動タンク貯蔵所・移送は法令科目で頻出(頻出度A)です。最大の核心は「移送=危険物取扱者が乗車(免状携帯)/運搬=乗車不要」の対比です。設備面では標識・自動車用消火器・接地導線・緊急閉鎖装置・書類備付けが定番。引っかけは、(1)移送で取扱者乗車を不要とする(本問のエ)、(2)運搬と移送を取り違える、(3)接地・緊急装置を不要とする、です。「運ぶ=運搬は乗車不要・移送は乗車必要」を一語で言えるようにしておきます。
【各選択肢の発展補足】
- ア(正): 標識・自動車用消火器を備える。
- イ(正): 注入時は接地導線で静電気対策。
- ウ(正): 完成検査済証等を備え付ける。
- エ(誤・正答): 移送には危険物取扱者の乗車が必要。無資格運転者のみでは不可。
- オ(正): 緊急閉鎖装置(緊急レバー等)を設ける。
【根拠法令】消防法第16条の2、危政令第15条・第30条の2、危規則。
【補足】移送(移動タンク)=危険物取扱者が乗車・免状携帯。標識/自動車用消火器/接地導線/緊急閉鎖装置/書類備付け。運搬(容器)は乗車不要・指定数量未満も規制。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 消防法第16条の2(移送)、危政令第15条・第30条の2、危規則。危険物を移送する移動タンク貯蔵所には、移送する危険物を取り扱える**危険物取扱者が乗車**しなければならない。標識・自動車用消火器・接地導線・完成検査済証等の備付け・緊急時の底弁閉鎖装置が必要。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。