第3章 主な医薬品とその作用141主な医薬品とその作用(成分群の横断・配合目的)

登録販売者 第3章 主な医薬品とその作用 問141:主な医薬品とその作用(成分群の横断・配合目的)

一般用医薬品に含まれるビタミン成分の配合目的に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • ビタミンB₁(チアミン)は脂溶性ビタミンであり、体内に蓄積しやすいため、長期の大量摂取では過剰症(頭痛・吐き気・脂肪肝)を起こす可能性がある。
  • ビタミンE(トコフェロール)は強い抗酸化作用を持ち、末梢の血行を促進する目的で外用薬(しもやけ・あかぎれ用)にも配合されることがある。正答
  • ビタミンA(レチノール)は水溶性ビタミンであり、過剰摂取しても尿中に速やかに排泄されるため、大量摂取による過剰症の心配はない。
  • ビタミンC(アスコルビン酸)は主に末梢神経の機能維持を目的として配合されており、糖質の代謝や神経伝達物質(アセチルコリン)の合成に必須の補酵素として働く。
  • ビタミンD(カルシフェロール)は腸管からのカリウム吸収を促進し、筋肉の収縮に必要な電解質バランスを維持する目的で滋養強壮薬に配合される。
正答:ビタミンE(トコフェロール)は強い抗酸化作用を持ち、末梢の血行を促進する目的で外用薬(しもやけ・あかぎれ用)にも配合されることがある。

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正答はイです。

ビタミンEは脂溶性ビタミンで抗酸化作用末梢血行促進作用があります。しもやけ・あかぎれ用の外用薬にも配合されます(イが正しい)。

主要ビタミンの配合目的の覚え方:

| ビタミン | 溶解性 | 主な配合目的 |

|---|---|---|

| B₁ | 溶性 | 糖質代謝補助・神経機能維持(疲労回復) |

| B₂ | 水溶性 | 口唇炎・舌炎・皮膚炎の改善 |

| C | 水溶性 | 抗酸化・コラーゲン合成・鉄吸収補助 |

| E | 溶性 | 抗酸化・末梢血行促進 |

| A | 脂溶性 | 夜盲症・皮膚・粘膜の保護(過剰症に注意) |

| D | 脂溶性 | カルシウム吸収促進(骨・歯) |

アはB₁が水溶性ビタミンなので誤り。ウはAが脂溶性で過剰症あり誤り。エはCでなくB₁の説明。オはDはカルシウム(カリウムでなく)吸収促進。

標準試験対策の基準レベル

ビタミン成分の配合目的横断整理:

| ビタミン | 代表成分 | 主な配合目的 | 主な含有製品カテゴリ |

|---|---|---|---|

| B₁ | チアミン硝化物・塩酸チアミン・フルスルチアミン | 糖質代謝補助・神経機能維持・疲労回復 | 滋養強壮薬・かぜ薬・総合感冒薬 |

| B₂ | リボフラビン | 発育促進・口唇炎・舌炎・皮膚炎の改善・細胞の酸化還元 | 滋養強壮薬・ビタミン補給剤 |

| B₆ | ピリドキシン塩酸塩 | タンパク質・アミノ酸代謝・神経伝達物質合成補助・口内炎 | 滋養強壮薬・口内炎用薬 |

| B₁₂ | シアノコバラミン | 赤血球の形成(造血)・末梢神経機能 | 貧血薬・滋養強壮薬 |

| C | アスコルビン酸 | 抗酸化・コラーゲン合成促進・メラニン生成抑制・鉄吸収促進 | ビタミンC剤・かぜ薬・滋養強壮薬 |

| E | トコフェロール・トコフェロールコハク酸エステル | 抗酸化・末梢血行促進・生殖機能への関与 | 滋養強壮薬・外用(しもやけ・血行促進) |

| A | レチノール酢酸エステル・レチノールパルミチン酸エステル | 夜盲症改善・皮膚・粘膜保護(分化促進) | 滋養強壮薬・目の薬 |

| D | エルゴカルシフェロール・コレカルシフェロール | 腸管でのカルシウム・リン吸収促進・骨・歯の形成 | カルシウム補給剤・滋養強壮薬 |

各選択肢の解説:

  • ア(誤): ビタミンB₁は水溶性ビタミンです。過剰分は尿中に排泄されるため、通常の使用量では蓄積しません。脂肪肝・過剰症リスクがあるのは脂溶性ビタミン(A・D・E・K)です。
  • イ(正): ビタミンEは脂溶性ビタミンで抗酸化作用と末梢血行促進作用を持ちます。内服薬(滋養強壮薬)だけでなく、外用薬(しもやけ・あかぎれ・血行促進クリーム)にも配合されることがあります。
  • ウ(誤): ビタミンAは脂溶性ビタミンであり、体内の脂肪組織や肝臓に蓄積します。大量摂取(特に妊娠中の過剰摂取)では催奇形性・頭蓋内圧亢進・肝機能障害等の過剰症が報告されています。
  • エ(誤): 糖質の代謝補助・神経伝達物質合成補助は主にビタミンB₁(チアミン)の役割です。ビタミンCの主な配合目的は抗酸化作用・コラーゲン合成促進・メラニン生成抑制です。
  • オ(誤): ビタミンDが促進するのはカルシウム(およびリン)の腸管吸収であり、カリウムではありません。カリウムはナトリウムとともに体液の浸透圧・電解質バランスに関わりますが、ビタミンDとの直接の関連はありません。
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【ビタミン成分の配合目的横断:機序・過剰症・登録販売者の実務判断】

水溶性ビタミンvs脂溶性ビタミンの薬理学的違い:

| 特性 | 水溶性ビタミン(B群・C) | 脂溶性ビタミン(A・D・E・K) |

|---|---|---|

| 吸収 | 小腸で直接吸収 | 脂質(ミセル)と共に吸収。胆汁酸が必要 |

| 貯蔵 | ほとんどされない(過剰は尿排泄) | 肝臓・脂肪組織に貯蔵 |

| 過剰症 | 通常量では生じにくい(一部例外:B₆大量摂取→末梢神経障害) |過剰症あり(特にA・D) |

| 欠乏症の出現 | 比較的早く出現 | 貯蔵があるため遅れて出現 |

各ビタミンの薬理機序詳細:

ビタミンB₁(チアミン)の役割:

  • ピルビン酸脱水素酵素・α-ケトグルタル酸脱水素酵素の補酵素として働き、糖質からATPを産生するTCA回路に必須
  • 末梢神経の活動電位維持に関与(欠乏すると末梢神経炎・脚気)
  • 疲労回復・神経機能維持として滋養強壮薬に配合
  • アリルジスルフィド誘導体(フルスルチアミン、ビスチアミン等)は吸収率が高く、主に医療用での使用が多いが一般用にも含まれる

ビタミンE(トコフェロール)の役割:

  • 脂溶性の強力な抗酸化剤。細胞膜リン脂質の不飽和脂肪酸を酸化から守る(脂質過酸化連鎖反応を終結させる)
  • 末梢の毛細血管の血流改善(血管拡張・血小板凝集抑制)
  • 外用製剤では皮膚の脂質酸化防止と血行促進の両面から使用
  • 医療用での大量投与(出血傾向増加)と異なり、OTC用量では過剰症リスクは低い

ビタミンA(レチノール)の役割と過剰症:

  • 11-cis-レチナールとしてロドプシン(視覚色素)の構成成分→暗所視に必須(欠乏で夜盲症)
  • 細胞分化・増殖の調節(皮膚・粘膜上皮の正常化)
  • 過剰症リスクが高い(脂溶性で肝臓に蓄積):

- 急性過剰症: 吐き気・頭痛・頭蓋内圧亢進

- 慢性過剰症: 肝障害・骨粗鬆症・関節痛

- 妊婦への催奇形性: 妊娠初期の高用量摂取で頭蓋顔面奇形・心臓奇形のリスク。妊娠中の過剰なビタミンA摂取は禁忌

ビタミンD(カルシフェロール)の役割と過剰症:

  • 腸管でのカルシウムおよびリンの吸収を促進(小腸上皮でのカルシウム結合タンパク産生を促進)
  • 腎臓でのカルシウム再吸収促進
  • 骨へのカルシウム沈着促進(骨石灰化)
  • 過剰症: 高カルシウム血症(倦怠感・多尿・腎結石・腎機能障害・軟組織の石灰化)

ビタミンCの配合目的の多様性:

  • 抗酸化作用(水溶性環境での活性酸素除去・ビタミンEの再生)
  • コラーゲン合成(プロリンヒドロキシラーゼの補酵素として不可欠)→皮膚弾力・血管壁の維持
  • メラニン生成抑制(チロシナーゼ活性阻害)→美白
  • 非ヘム鉄の吸収促進(Fe³⁺をFe²⁺に還元)→貧血薬との併用

登録販売者として確認すべき点(ビタミン販売時):

1. 妊婦へのビタミンA: 通常の食事由来量に加えてサプリ・高用量OTCビタミンAを摂取していないか確認。妊娠中の摂取上限はOCとしての安全上限(上限摂取量)以内に留める。

2. 脂溶性ビタミン(A・D)の長期大量摂取: 複数のサプリメント・OTC薬を重複摂取していないか確認(脂溶性ビタミンは蓄積するため)

3. ビタミンD: カルシウム補給薬との重複摂取による高カルシウム血症リスク

4. ビタミンB₁: 疲労回復目的で広く使用。アルコール大量摂取者(ウェルニッケ脳症リスク)には医師への受診を勧める

製品カテゴリをまたがる「配合目的」の重要性:

ビタミン成分は単一の用途で使われるのではなく、かぜ薬・滋養強壮薬・貧血薬・外皮用薬・目薬など多くのカテゴリに横断的に配合されています。同じビタミンが異なる製品に入っている場合の重複摂取(特に脂溶性ビタミン)には注意が必要であり、購入者から複数の製品を同時購入の相談があった際には重複確認が登録販売者の重要な役割です。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章 滋養強壮保健薬・ビタミン成分の配合目的 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

関連論点

ビタミン成分の配合目的横断(補給・抗酸化・末梢循環・粘膜保護の役割整理頻出度B

第3章 主な医薬品とその作用の他の問題

1
主な医薬品とその作用(かぜ薬・解熱鎮痛薬)
2
主な医薬品とその作用(アレルギー薬・抗ヒスタミン薬)
3
主な医薬品とその作用(漢方処方・生薬)
4
主な医薬品とその作用(かぜ薬)
5
主な医薬品とその作用(鎮咳去痰薬)
6
主な医薬品とその作用(胃腸薬・制酸薬)

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