第3章 主な医薬品とその作用24主な医薬品とその作用(漢方処方製剤)

登録販売者 第3章 主な医薬品とその作用 問24:主な医薬品とその作用(漢方処方製剤)

防風通聖散・防已黄耆湯・大柴胡湯の3処方に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 防風通聖散は虚証(体力がなく、疲れやすい人)向けの処方であり、胃腸が弱い人には特に適している。
  • 防已黄耆湯は体力があり、赤ら顔で便秘がちな実証向けの処方で、高血圧・肩こりを伴う肥満症に用いる。
  • 大柴胡湯はカンゾウを含まない処方であり、便秘を伴う肥満症・高脂血症・高血圧に用いる実証向けの処方である。正答
  • 防已黄耆湯はダイオウを含み、その瀉下作用によって便秘を改善しながら肥満を解消する。
  • 防風通聖散はマオウを含まず、心臓病・高血圧の人でも制限なく使用できる。
正答:大柴胡湯はカンゾウを含まない処方であり、便秘を伴う肥満症・高脂血症・高血圧に用いる実証向けの処方である。

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正答はウ(正しいもの)です。

大柴胡湯はカンゾウを含まない数少ない漢方処方のひとつで、体力充実した実証(がっちり体型・便秘がち)の人に用います。便秘を伴う肥満症・高脂血症・高血圧が適応です。

ゴロ:「大柴胡湯はカンゾウなしで大実証」

各処方の証をまず押さえましょう:

  • 防風通聖散:実証(体力充実・腹部に皮下脂肪・便秘)
  • 防已黄耆湯:虚証〜中間(色白・水太り・汗かき・疲れやすい)
  • 大柴胡湯:実証(便秘・口苦・肩こり・高血圧傾向)

ア・イ・エ・オはすべて誤りです。防風通聖散はマオウ含有のため心臓病・高血圧患者は使用注意です。

標準試験対策の基準レベル

肥満症3処方の比較表:

| 処方名 | 証 | 体型の特徴 | 主な適応 | 含有注意成分 |

|---|---|---|---|---|

| 防風通聖散 | 実証 | 腹部に皮下脂肪が多い・便秘 | 肥満症・便秘・高血圧・肩こり・むくみ | マオウ・ダイオウ・カンゾウ |

| 防已黄耆湯 | 虚証〜中間 | 色白・水太り・汗かきで疲れやすい | 肥満症・多汗症・浮腫・関節痛 | カンゾウ(少量)※ダイオウなし |

| 大柴胡湯 | 実証 | 体力充実・便秘がち・口が苦い | 肥満症・高血圧・高脂血症・胆石症 | カンゾウを含まない |

各選択肢の解説:

  • ア(誤): 防風通聖散は実証向けです。「体力がなく疲れやすい」のは虚証の特徴で、防已黄耆湯の対象に近い記述です。胃腸が弱い人にも不向きです(マオウ・ダイオウが胃腸を刺激)。
  • イ(誤): 「体力があり、赤ら顔で便秘がち」は防風通聖散または大柴胡湯の特徴。防已黄耆湯は虚証〜中間証で色白・水太りが特徴です。
  • ウ(正): 大柴胡湯はカンゾウを含まない実証処方です。便秘・口苦・高血圧を伴う肥満症に用います。カンゾウ不含であることが試験の頻出ポイントです。
  • エ(誤): 防已黄耆湯にダイオウは含まれません。防已黄耆湯は防已(ボウイ)・黄耆(オウギ)・蒼朮(ソウジュツ)・甘草・生姜・大棗で構成され、瀉下作用ではなく利水(余分な水分の排出)により体重を改善します。
  • オ(誤): 防風通聖散はマオウを含む処方です。マオウのエフェドリンにより心拍数増加・血圧上昇のおそれがあるため、心臓病・高血圧・甲状腺機能障害の人は使用を避けるべきです。
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【肥満症3処方の薬理学的背景と生薬構成の詳細】

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)の構成と機序:

防風・荊芥・連翹・山梔子・黄芩・石膏・桔梗・滑石・甘草・白朮・大黄・芒硝・当帰・川芎・芍薬・薄荷・防已・麻黄の18生薬で構成されます(製品によりやや差あり)。

主要薬理経路:

1. マオウ(麻黄)のエフェドリン: 交感神経刺激→脂肪分解促進(β3アドレナリン受容体)・基礎代謝亢進。同時に心拍数増加・血圧上昇のリスク。

2. ダイオウ(大黄)・芒硝: 刺激性瀉下作用→便秘改善・腸管内容物排出

3. カンゾウ(甘草): 含有されるため、長期・大量使用で偽アルドステロン症(低K血症・浮腫)のリスクあり。

使用上の注意(重要な禁忌・注意):

  • 心臓病・高血圧・糖尿病・甲状腺機能障害 → マオウ含有のため使用を避ける
  • 授乳中 → ダイオウのセンノシド代謝物が母乳移行
  • 妊婦 → ダイオウ(流早産のおそれ)

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)の構成と機序:

防已(ボウイ)・黄耆(オウギ)・白朮(ビャクジュツ)または蒼朮・甘草・生姜・大棗の6生薬。

主要薬理経路:

1. 防已(ボウイ): アルカロイド(テトランドリン等)による抗炎症・利水。腎尿細管での水分再吸収抑制による余剰水分排出

2. 黄耆(オウギ): 免疫調節・強壮・体表の防衛力(衛気)強化。抗浮腫作用

3. 白朮/蒼朮: 健脾(胃腸機能強化)・利湿(水分代謝改善)

「水太り」タイプに有効な機序:防已・黄耆・白朮が協働して細胞外液の余剰水分を腎臓経由で排出。脂肪燃焼より「水分代謝正常化」が主な作用経路であり、下剤成分(ダイオウ等)は含まない。

大柴胡湯(だいさいことう)の構成と機序:

柴胡・黄芩・芍薬・半夏・生姜・枳実・大黄・大棗の8生薬。カンゾウを含まない点が最重要。

カンゾウを含まない意義:

  • 長期使用時に偽アルドステロン症のリスクがない
  • 大柴胡湯の対象は体力充実した実証の人→カンゾウの補益作用が不要
  • ただしダイオウを含むため、妊婦・授乳中は注意が必要

主要薬理経路:

1. 柴胡(サイコ): 解熱・抗炎症・肝保護。柴胡サポニンがコルチゾール分泌を調整し、代謝改善に寄与

2. 黄芩(オウゴン): バイカリン(フラボノイド)の抗炎症・抗酸化・脂質代謝改善

3. 枳実(キジツ): 消化管運動促進・胃腸の気の流れを改善

4. 大黄(ダイオウ): 刺激性瀉下で便秘改善

登録販売者としての実践的使い分けポイント:

| 相談場面 | 推奨処方 | 根拠 |

|---|---|---|

| 「お腹の脂肪が多くて便秘もある」(体力あり) | 防風通聖散 | 実証・便秘・腹部脂肪が適応 |

| 「むくみやすく汗っかき、疲れやすい水太り」 | 防已黄耆湯 | 虚証・水太り・多汗が適応 |

| 「高血圧・口が苦い・便秘がちで体力はある」 | 大柴胡湯 | 実証・便秘・高血圧・口苦が適応 |

| 心臓病・高血圧で「防風通聖散が欲しい」 | 購入を断り医師相談を勧める | マオウ含有のため使用を避ける |

【試験頻出の鑑別ポイント整理】

1. カンゾウを含まない肥満処方 → 大柴胡湯(「大サイコは甘草なし」と覚える)

2. 虚証の肥満(水太り) → 防已黄耆湯(マオウなし・ダイオウなし)

3. マオウ+ダイオウ両方含む → 防風通聖散(最も禁忌が多い)

これら3処方は「証(体力の強弱)」と「含有成分による禁忌」を正確に理解することが登録販売者試験・実務の両面で必要不可欠です。

<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 正答ウ(大柴胡湯はカンゾウを含まない実証処方)一意・妥当。手引き(令和8年4月版)第3章 漢方処方製剤と一致を確認。大柴胡湯=柴胡・黄芩・芍薬・半夏・生姜・大棗・枳実・大黄でカンゾウ不含・ダイオウ含有、防風通聖散=マオウ・ダイオウ・カンゾウ含有(最も禁忌が多い)、防已黄耆湯=カンゾウ含有・マオウ/ダイオウ不含で利水作用、いずれも添付文書・手引きと整合。修正不要。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章 第15節「漢方処方製剤・生薬製剤」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

関連論点

漢方・肥満症3処方の証の区別=防風通聖散/防已黄耆湯/大柴胡湯頻出度A

第3章 主な医薬品とその作用の他の問題

1
主な医薬品とその作用(かぜ薬・解熱鎮痛薬)
2
主な医薬品とその作用(アレルギー薬・抗ヒスタミン薬)
3
主な医薬品とその作用(漢方処方・生薬)
4
主な医薬品とその作用(かぜ薬)
5
主な医薬品とその作用(鎮咳去痰薬)
6
主な医薬品とその作用(胃腸薬・制酸薬)

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