登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問1:薬事関係法規・制度
一般用医薬品のリスク区分および登録販売者に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア要指導医薬品は、薬剤師または登録販売者のいずれかが対面で情報提供を行えば販売することができる。
- イ第1類医薬品の販売にあたっては、薬剤師が書面を用いて情報提供を行う義務があり、登録販売者はこれを代行することができない。正答
- ウ登録販売者は、第1類医薬品・第2類医薬品・第3類医薬品のすべてのリスク区分の医薬品を独立して販売することができる。
- エ第3類医薬品には副作用リスクがなく、使用上の注意を読む必要はないと法令上定められている。
- オ第2類医薬品の販売においては、薬剤師または登録販売者が必ず書面を用いて情報提供を行わなければならない。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠も明記。
正答はイです。
第1類医薬品は薬剤師のみが販売でき、書面による情報提供が義務です。登録販売者は第1類の販売・情報提供を代行することができません。
アは誤りで、要指導医薬品は薬剤師のみが対面販売可能です(登録販売者は不可)。ウは誤りで、登録販売者は第2類・第3類のみ販売可能で、第1類は販売できません。エは誤りで、第3類医薬品にも副作用リスクはあります(区分はリスクの相対的な高低を示すもの)。オは誤りで、第2類医薬品の情報提供は「努力義務」であり、書面の必須義務ではありません。
医薬品リスク区分と販売資格の対応表(最頻出・必須暗記):
| 区分 | リスク程度 | 販売者 | 情報提供 | 書面交付 |
|---|---|---|---|---|
| 要指導医薬品 | 高(スイッチ直後等) | 薬剤師のみ(対面) | 義務(書面) | 義務 |
| 第1類医薬品 | 高 | 薬剤師のみ | 義務(書面) | 義務 |
| 第2類医薬品 | 中 | 薬剤師または登録販売者 | 努力義務 | 努力義務 |
| 第3類医薬品 | 低 | 薬剤師または登録販売者 | 規定なし | 規定なし |
各選択肢の解説:
- ア(誤): 要指導医薬品は「薬剤師のみ」に販売・授与させる規定があります(薬機法第36条の5)。情報提供・指導は対面・書面で行います(同第36条の6)。登録販売者は販売できません。医師から処方されることなくOTCで購入できる一方、スイッチ後一定期間の安全性確認が目的のため特別扱いです。
- イ(正): 第1類医薬品は薬剤師のみが販売でき(薬機法第36条の9第1項)、薬剤師が書面(添付文書・情報提供文書等)を用いて購入者への情報提供を行う義務があります(同第36条の10第1項)。登録販売者はこれを代行できません。
- ウ(誤): 登録販売者が独立して販売できるのは第2類と第3類のみです。第1類および要指導医薬品は薬剤師のみが販売でき、登録販売者には販売権限がありません(ただし新人登録販売者は研修中は薬剤師等の管理下での販売に制限される場合があります)。
- エ(誤): 第3類医薬品のリスク区分「低い」はあくまで相対的なもので、副作用リスクがゼロという意味ではありません。第3類にも副作用があり、使用上の注意の確認は必要です。区分は法的な販売者資格要件と情報提供義務の差を示すものです。
- オ(誤): 第2類医薬品の情報提供は薬機法上「努力義務」(第36条の10第3項「適切な情報を提供させるよう努めなければならない」)です。書面を用いた情報提供は「しなければならない」という義務ではなく、「努力する」義務です。法律上の義務(しなければならない)と努力義務(するよう努める)の区別は試験頻出です。
【薬機法上の医薬品区分の体系的理解】
薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)における医薬品販売規制の体系:
```
医薬品
├── 処方箋医薬品(医師の処方箋が必要)
└── 要処方箋外医薬品(処方箋不要)
├── 要指導医薬品(薬機法上の特別区分)
│ → スイッチOTC直後・毒薬・劇薬を含む一部
│ → 薬剤師のみ対面販売・一定期間後にOTCに移行
└── 一般用医薬品(OTC)
├── 第1類(高リスク)→ 薬剤師のみ
├── 第2類(中リスク)→ 薬剤師または登録販売者(努力義務)
└── 第3類(低リスク)→ 薬剤師または登録販売者(義務なし)
```
この区分の法的根拠(薬機法・現行条文):
- 第36条の5: 要指導医薬品の販売従事者(薬剤師に販売・授与させる義務)
- 第36条の6: 要指導医薬品の情報提供・指導(対面・書面・指導義務)
- 第36条の7: 一般用医薬品の区分(第1類・第2類・第3類の定義)
- 第36条の8: 資質の確認(登録販売者試験に関する規定)
- 第36条の9: 一般用医薬品の販売従事者(第1類=薬剤師、第2類・第3類=薬剤師または登録販売者)
- 第36条の10: 一般用医薬品の情報提供等(第1類=書面による情報提供義務、第2類=情報提供の努力義務)
【要指導医薬品の位置づけと特殊性】
要指導医薬品は2014年の薬事法改正(薬機法への移行時)に新設された区分です。設置理由:
1. スイッチOTC転換直後の監視期間: 処方薬からOTCに転換された薬物(スイッチOTC)は使用実績が少なく、OTC環境での安全性確認が必要。一定の安全性実績が積まれると第1類以下に移行します。
2. 毒薬・劇薬の一部: 毒薬・劇薬に指定されるOTC製品(一部の外用薬等)を含みます。
3. 特定要指導医薬品の新設とオンライン販売解禁(令和7年改正・令和8年5月1日施行): 従来、要指導医薬品は対面販売が義務でネット販売(特定販売)が禁止されていました。しかし令和7年の薬機法改正(令和8年5月1日施行)により、要指導医薬品は薬剤師の判断のもとオンライン服薬指導等を行えばインターネット販売が可能となりました。一方、対面販売が特に必要なものは新設の「特定要指導医薬品」(緊急避妊薬等)に区分され、これは引き続き対面販売が必須でネット販売できません。手引き令和8年4月版では特定販売の対象に「要指導医薬品(特定要指導医薬品を除く)」が追加されています。
【登録販売者の業務範囲と実務上の制限】
登録販売者(registered seller)は薬機法第36条の8(資質の確認=試験)に基づき都道府県知事の登録を受け、第36条の9により第2類・第3類医薬品を販売する専門家です。ただし実務上の制限として:
1. 研修中の登録販売者: 実務経験が一定基準(過去5年間に2年以上の実務経験等)を満たさない場合は、「研修中の登録販売者」として薬剤師または管理者(経験ある登録販売者)の管理下でのみ販売できます。
2. 管理者要件: 店舗販売業・配置販売業の管理者となるには実務経験要件があります(薬剤師でない場合、過去5年間に2年以上の実務経験を含む条件を満たすこと)。
【義務と努力義務の法的区別と実務的意義】
法令上の表現の違いは試験頻出かつ実務で重要です:
- 義務(しなければならない): 違反すると法的制裁(行政処分・罰則)の対象となる強制義務。第1類の情報提供義務はこれ。
- 努力義務(するよう努めなければならない): 法的強制力はないが、プロとして期待される行動規範。第2類の情報提供努力義務はこれ。
実務では「努力義務だからやらなくていい」ではなく、第2類であっても積極的に使用者の状況(持病・服用中の薬・年齢等)を確認することが、登録販売者としての専門家的責務です。副作用リスクの高い第2類指定薬(喘息発作誘発リスクのある消炎鎮痛剤、前立腺肥大禁忌成分含有薬等)については、義務の有無に関わらず適切な情報提供が求められます。
【試験での位置づけと必須暗記事項】
第4章は法規・制度の章であり、以下の3テーマが頻出です:
1. 区分ごとの販売者・情報提供義務の対応表(今回の問題)
2. 登録販売者の業務範囲(第1類・要指導は販売不可)
3. 薬局・店舗販売業・配置販売業の開設許可と管理者要件
特に区分と販売者の対応表は「要指導・第1類=薬剤師のみ」「第2類・第3類=登録販売者も可」という基本軸を絶対に覚えた上で、情報提供の「義務/努力義務/規定なし」の区分を加えて完成させてください。
【根拠】薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)第36条の5〜第36条の10、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章
<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 【重大修正】薬機法の条文番号が全て1号ずつズレており全面差替(誤:区分=36条の4/対面=36条の5/情報提供=36条の6/登販販売=36条の7/資質=36条の8)→ 正(e-Gov・法令リード確認):36条の5=要指導の販売従事者/36条の6=要指導の情報提供・指導/36条の7=一般用の区分(第1〜3類定義)/36条の8=資質の確認(登販試験)/36条の9=一般用の販売従事者(第1類=薬剤師,第2類3類=薬剤師or登販)/36条の10=一般用の情報提供(第1類=書面義務,第2類=努力義務)。正答イは妥当(第1類は薬剤師のみ・書面情報提供義務・登販代行不可=正)。販売資格・情報提供の義務/努力義務の対応表は内容正しい。正答一意OK。【法改正反映】令和7年薬機法改正(令和8年5月1日施行)で要指導医薬品のオンライン販売が解禁され、対面必須は新設の「特定要指導医薬品」(緊急避妊薬等)のみに。旧記述「要指導はネット販売禁止」は古くなったため最新化(手引き令和8年4月版も特定販売対象に要指導医薬品(特定要指導医薬品を除く)を追加済)。設問本体(対面・薬剤師による販売)の正誤判定には影響なし。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)第36条の5〜第36条の10、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。