第4章 薬事関係法規・制度6薬事関係法規・制度

登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問6:薬事関係法規・制度

濫用等のおそれのある医薬品の販売に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 濫用等のおそれのある医薬品は、すべて第1類医薬品に指定されており、薬剤師のみが販売することができる。
  • 濫用等のおそれのある医薬品を購入しようとする者が若年者(おおむね25歳未満とされる場合がある)である場合、販売に際して氏名・住所の書面記録が義務付けられている。
  • 濫用等のおそれのある医薬品に指定されている成分には、コデイン、ジヒドロコデイン、エフェドリン、プソイドエフェドリン、メチルエフェドリン等が含まれる。正答
  • 濫用等のおそれのある医薬品は、1人の購入者に対して複数個(たとえば同じ製品を2箱以上)販売することが法律上、一切禁止されている。
  • 濫用等のおそれのある医薬品に指定されている医薬品は、指定後に追加・削除が行われることはなく、厚生労働省告示で固定されている。
正答:濫用等のおそれのある医薬品に指定されている成分には、コデイン、ジヒドロコデイン、エフェドリン、プソイドエフェドリン、メチルエフェドリン等が含まれる。

AI解説(初心者・標準・上級)

理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠も明記。

初心者向けまずはここから。やさしく要点を解説

正答はウです。

指定濫用防止医薬品(令和7年改正前は「濫用等のおそれのある医薬品」)の成分には、コデイン・ジヒドロコデイン(鎮咳成分)、エフェドリン・プソイドエフェドリン・メチルエフェドリン(交感神経刺激成分)等が含まれます。これらはOTC医薬品として販売されていますが、大量摂取・常用により依存や健康被害が生じるおそれがあるため、販売時に特別な確認が求められます。

アは誤りで、第2類医薬品でも対象成分を含む場合があります。イは誤りで、確認義務の対象年齢の目安が誇張されています(改正後は18歳未満が大容量・複数個販売禁止の基準)。エは誤りで、一切禁止ではなく販売量の確認・制限が求められます。オは誤りで、告示・省令改正で対象成分の追加・削除が行われます(令和7年改正でデキストロメトルファン・ジフェンヒドラミンが対象成分として整理されました)。

標準試験対策の基準レベル

指定濫用防止医薬品の規制内容(薬機法第36条の11・施行規則第159条の18の3、第159条の18の5/令和8年5月1日施行):

| 規制内容 | 詳細 |

|---|---|

| 対象成分(8成分) | エフェドリン・コデイン・ジヒドロコデイン・ジフェンヒドラミン・デキストロメトルファン・プソイドエフェドリン・ブロモバレリル尿素・メチルエフェドリン(いずれも外用薬を除く・厚労大臣が指定) |

| 18歳未満への販売 | 大容量製品・複数個の販売は原則禁止(小容量製品1個のみ販売可)。販売時に氏名・年齢の確認が必要 |

| 数量・複数購入の確認 | 大容量・複数個購入の場合は他店での購入状況・購入理由等を確認。正当な理由がなければ販売しない |

| 販売の方法 | 薬剤師又は登録販売者に販売させ、適正使用に必要な情報提供・確認を行わせる |

各選択肢の解説:

  • ア(誤): 濫用等のおそれのある医薬品は第2類医薬品(第2類指定成分を含む場合)・第3類等の一般用医薬品として流通しているものが含まれます。すべてが第1類ではありません。例えばコデイン含有の市販かぜ薬は第2類として販売されている場合があります。
  • イ(誤): 「氏名・住所の書面記録」「おおむね25歳未満」という記述は規制内容として不正確です。改正後(令和8年5月1日施行)の指定濫用防止医薬品では、大容量・複数個の販売が原則禁止されるのは「18歳未満」であり、その販売時に氏名・年齢の確認が求められます。住所の書面記録が一律に義務付けられているわけではなく、年齢の目安も「25歳未満」ではありません。
  • ウ(正): 指定濫用防止医薬品(薬機法第36条の11・施行規則・厚労大臣の指定)の対象成分として、コデイン・ジヒドロコデイン・エフェドリン・プソイドエフェドリン・メチルエフェドリン・ジフェンヒドラミン・デキストロメトルファン・ブロモバレリル尿素(いずれも外用薬を除く)が挙げられています。これらを含有するOTC医薬品は販売時の特別な確認が必要です。
  • エ(誤): 複数個の販売が「法律上一切禁止」というわけではありません。18歳以上で正当な理由(大家族での使用・複数人のために購入等)がある場合の複数購入は否定できません。ただし18歳未満への大容量・複数個販売は原則禁止であり、18歳以上でも正当な理由なく過量販売・複数購入に対しては、購入理由を確認し販売しないことができます。
  • オ(誤): 対象成分リストは厚生労働省の告示・省令改正によって変更されえます。令和7年改正(令和8年5月1日施行)では、デキストロメトルファン・ジフェンヒドラミンが対象成分として整理されるなど、対象成分や規制内容は社会情勢・被害実態に応じて更新されます。
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【濫用等のおそれのある医薬品規制の背景と社会的意義】

OTC医薬品の「濫用(misuse/abuse)」問題は、日本でも若年者を中心に社会問題となっています。従来「薬物乱用」というと違法薬物が連想されましたが、市販の風邪薬・鎮咳薬・抗ヒスタミン薬等を過量服用する「OTC乱用」が増加し、薬機法の対応が求められてきた経緯があります。

2020年代に入り、SNS等で「市販薬ハイ」「薬物ラリる」等と呼ばれる過量服用が若年者の間で拡散し、救急搬送事例・精神科受診者数の増加が報告されました。この背景から薬機法施行規則が改正され、濫用等のおそれのある医薬品の販売規制が強化されました。

【対象成分の薬理的背景】

| 成分グループ | 代表成分 | 濫用メカニズム | 主な含有製品 |

|---|---|---|---|

| オピオイド系 | コデイン・ジヒドロコデイン | 中枢神経抑制・多幸感・依存性 | 鎮咳薬・総合かぜ薬 |

| 交感神経刺激系 | エフェドリン・プソイドエフェドリン・メチルエフェドリン | 覚醒剤様作用(エフェドリンはメタンフェタミンの前駆物質)・高揚感 | 鼻炎薬・総合かぜ薬 |

| 鎮咳系 | デキストロメトルファン | 大量摂取で解離・幻覚(令和7年改正で対象成分に整理) | 鎮咳薬 |

| 抗ヒスタミン系 | ジフェンヒドラミン | 大量摂取で幻覚・解離症状 | 睡眠補助薬・アレルギー薬 |

| 鎮静系 | ブロモバレリル尿素 | 鎮静・依存性 | 一部鎮静薬 |

特にコデインは12歳未満禁忌(呼吸抑制リスク・2019年改正)と濫用リスクの双方から規制が強化されています。プソイドエフェドリンは覚醒剤前駆物質として国際的にも管理強化の傾向にあります。

【販売時の実務的確認事項(薬機法第36条の11・施行規則第159条の18の3・第159条の18の5/令和8年5月1日施行)】

改正後の指定濫用防止医薬品が求める販売時の対応:

1. 購入者が18歳未満の場合: 大容量製品・複数個の販売は原則禁止(小容量1個のみ)。氏名・年齢の確認

2. 大容量・複数個購入の意図がある場合: 他店での購入状況・購入理由の確認、正当な理由がなければ販売しない

3. 販売従事者: 薬剤師又は登録販売者に販売させ、適正使用に必要な情報提供・確認を行わせる

4. 声かけ・相談促進: 過量服用(オーバードーズ)のリスクに関する情報提供・相談対応

【OTC乱用防止における登録販売者の役割】

違法薬物乱用防止は警察・学校教育が担う一方、OTC乱用防止の最前線には薬局・ドラッグストアの登録販売者がいます。

実務上の対応指針:

  • 同一成分を含む複数製品の組み合わせ購入(いわゆる「いくつか合わせて買う」)に対しては、目的を確認する
  • 18歳未満には大容量・複数個を販売せず小容量1個に限る(改正後の法的義務)。18歳以上でも大量購入には使用目的を確認し、必要以上の販売を控える
  • 店舗内に「この薬の過量服用(オーバードーズ)は危険です」等の啓発掲示を行う

「濫用者は服用前に自分の依存を認識していない場合が多い」ことから、登録販売者による早期介入・相談窓口への案内が重要な社会的機能を担います。

【コデイン12歳未満禁忌との接続】

第3章・第5章との接点として、コデイン含有製品は:

1. 12歳未満への販売禁止(年齢制限・添付文書の「してはいけないこと」)

2. 濫用等のおそれのある医薬品として成人購入時も数量確認

という二重の規制を受けています。登録販売者はこの二重規制を理解し、コデイン含有製品の販売時に年齢確認と購入量確認の両方を適切に行う必要があります。

これは「安全に扱える医薬品はない」という第1章の基本認識と、「適正使用のための情報提供」という第5章の実践が第4章の法規制として統合されている典型例です。

【根拠】薬機法第36条の11(指定濫用防止医薬品の販売時の確認等)・薬機法施行規則第159条の18の3・第159条の18の5、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章・第5章第3節「医薬品の適正使用のための啓発活動」

<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 【重大改正反映】令和7年改正(令和8年5月1日施行)で「濫用等のおそれのある医薬品(旧・施行規則第15条の2)」→「指定濫用防止医薬品」に改称・規制強化。根拠を薬機法第36条の11・施行規則第159条の18の5(確認事項)・第159条の18の3(販売方法)に更新。対象成分は8成分に整理(エフェドリン/コデイン/ジヒドロコデイン/ジフェンヒドラミン/デキストロメトルファン/プソイドエフェドリン/ブロモバレリル尿素/メチルエフェドリン・外用薬を除く)=デキストロメトルファン追加・「ブロムワレリル尿素」→正式名「ブロモバレリル尿素」に統一。年齢基準を明確化(18歳未満は大容量・複数個販売禁止=小容量1個のみ・氏名年齢確認/問題文イの「おおむね25歳未満」は不正確で誤り肢として妥当)。正答ウ(対象成分にコデイン等が含まれる)は改正後も一意で妥当。厚労省一次情報(岡山県/奈良市/川崎市・厚労省令和7年12月26日付医薬発1226第16号等)で突合 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 薬機法第36条の11(指定濫用防止医薬品の販売時の確認等)・薬機法施行規則第159条の18の5(確認事項)・第159条の18の3(販売方法)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章・第5章(令和7年改正・令和8年5月1日施行で「濫用等のおそれのある医薬品」は「指定濫用防止医薬品」に改称・規制強化) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

関連論点

濫用等のおそれのある医薬品の販売規制頻出度B

第4章 薬事関係法規・制度の他の問題

1
薬事関係法規・制度
2
薬事関係法規・制度
3
薬事関係法規・制度
4
薬事関係法規・制度
5
薬事関係法規・制度
7
薬事関係法規・制度

章別に解いて、登録販売者に合格

全5章のオリジナル問題。各問に出典(厚労省手引き)とAI解説(3レベル)付き・閲覧無料。