登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問15:薬事関係法規・制度(掲示・掲示板義務)
薬局・店舗販売業の店舗における掲示事項に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア薬局・店舗販売業者は、店舗の見やすい場所に管理者の氏名を掲示しなければならないが、薬局開設許可証の番号は掲示義務の対象ではない。
- イ店舗販売業者は、取り扱う医薬品のリスク区分に応じた情報提供や相談の実施に関する事項を掲示しなければならず、これにより購入者がどの区分の医薬品をどこで相談できるかを把握できるようにする必要がある。正答
- ウ薬局の掲示事項は薬機法施行規則に定められており、掲示しなければならない事項を店舗内の任意の場所に掲示することで法令上の義務を果たすことができる。
- エ店舗販売業者は、特定販売(ネット販売)を行う場合、店舗の掲示内容に加えてウェブサイトには追加の情報を掲示する必要はなく、店舗内掲示と同一内容で足りる。
- オ薬局・店舗販売業では、高齢者・障害者等が店舗内の掲示板を読めない場合に備えて、掲示内容を音声で案内する設備を設けることが薬機法上の義務とされている。
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正答はイ(正しいもの)です。
店舗販売業者は、リスク区分に応じた情報提供・相談実施に関する事項を店舗に掲示する義務があります。これにより購入者が「第1類はカウンターで薬剤師に相談」「第2類・第3類は登録販売者にも相談可」などを確認できるようにする必要があります。
アは誤りで、許可証の番号等も掲示事項に含まれます。ウは誤りで、「見やすい場所」への掲示が要件であり任意の場所では不足です。エは誤りで、特定販売(ネット販売)を行う場合は、ウェブサイトにも別途必要な情報の掲示が求められます。オは誤りで、音声案内設備は薬機法上の義務ではありません。
薬局・店舗販売業の主な掲示事項(薬機法施行規則):
| 掲示事項の区分 | 掲示が必要な内容の例 |
|---|---|
| 許可・届出に関する事項 | 開設許可番号・許可年月日、開設者(法人の場合は名称・代表者名)等 |
| 管理・運営に関する事項 | 管理者の氏名・資格、勤務する薬剤師・登録販売者の氏名と担当業務 |
| リスク区分別の情報提供 | 各区分の医薬品の情報提供・相談の実施に関する事項 |
| 取扱品目に関する事項 | 取り扱うリスク区分(第1類〜第3類等) |
| 特定販売に関する事項 | 特定販売を行う場合はその旨とURL等 |
各選択肢の解説:
- ア(誤): 店舗の掲示事項には、店舗の管理・運営に関する事項(許可の区分・開設者の氏名・店舗の名称や所在地等)と、医薬品の販売に関する制度の概要が含まれます。管理者の氏名だけを掲示すれば足りるわけではありません。<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 薬局・店舗販売業の掲示は薬機法施行規則に基づき「見やすい場所」へ要する。掲示事項は管理運営事項+制度概要に大別され、管理者氏名のみで足りないとするアの否定は正当。条番号は表現を制度名に置換 -->
- イ(正): リスク区分別の情報提供・相談の実施に関する掲示は義務です。購入者がどの区分で誰に相談できるかを明示することで、適切な専門家の関与を確保します。
- ウ(誤): 掲示は「見やすい場所」への設置が必要です。「任意の場所」では見えない場合があり、義務の趣旨を果たすことができません。
- エ(誤): 特定販売(ネット販売)を実施する場合は、店舗内の掲示に加えて、ウェブサイト等に特定販売を利用するために必要な情報(販売業者の名称・取扱う医薬品の区分・勤務する薬剤師や登録販売者の情報等)を見やすく表示することが薬機法施行規則上求められます。「店舗内掲示と同一で足り、ウェブには追加表示が不要」とする記述は誤りです。<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 特定販売時はホームページ等に必要情報の表示義務あり(薬機法施行規則)。条番号は表現を制度名に置換し裏取りできない番号は記載しない -->その他登録販売者(研修中)の別等の表示も求められます。
- オ(誤): 音声案内設備の設置は薬機法上の義務として規定されていません。バリアフリー対応は他の法令(高齢者・障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律等)で別途規定されます。
【掲示事項制度の目的と法的根拠】
薬局・店舗販売業における掲示義務は、薬機法施行規則に規定されており、消費者(購入者)が販売店の正当性・専門家の配置状況・相談できる内容を一目で確認できるようにする「透明性確保」の制度です。
掲示義務の制度的背景:
2009年(平成21年)の薬事法改正によりリスク区分制度が導入されたことに伴い、各区分の医薬品に対応する専門家(薬剤師・登録販売者)の配置状況を購入者に明示する仕組みが整備されました。これにより「この店では第1類医薬品を扱える薬剤師がいる時間帯はいつか」「第2・3類は登録販売者が対応する」といった情報が購入者に伝わるようになります。
掲示事項の詳細(薬機法施行規則):
掲示板には大きく以下の区分で情報が整理されます:
1. 店舗の許可に関する事項:
- 店舗販売業の許可の区分(店舗販売業・薬局等)
- 許可番号・許可年月日
- 開設者の氏名(法人は名称・代表者名)
- 店舗の名称・所在地
2. 管理・運営に関する事項:
- 管理者の氏名・資格(薬剤師・登録販売者の別)
- 勤務する薬剤師・登録販売者の氏名と担当業務
- 勤務体制(薬剤師が不在の時間帯等)
3. 取扱品目・情報提供に関する事項:
- 取り扱う医薬品のリスク区分
- 各リスク区分の医薬品についての情報提供・相談実施に関する事項
- 要指導医薬品の取扱いの有無
4. 特定販売に関する事項(特定販売を行う場合のみ):
- 特定販売を行う旨
- 特定販売に用いるウェブサイトのURL等
「見やすい場所」要件の実務上の意味:
「見やすい場所」への掲示は、掲示板が購入者の目線で容易に発見・閲覧できる位置に設置されていることを意味します。例えば、入口付近の壁面、販売カウンターの近傍等が典型的な設置場所です。バックヤードや倉庫内への設置では義務を果たしたとは言えません。
特定販売(ネット販売)時のウェブサイト掲示義務:
特定販売を行う場合は、店舗内の掲示に加えて、インターネット上(ウェブサイト)にも購入者が確認できるよう必要な情報を表示する義務があります。これは「ネットで購入する消費者も店舗購入者と同等の情報にアクセスできるようにする」という観点から重要です。
具体的にウェブサイトへの掲示が求められる情報には、販売業者の名称・所在地・許可番号・取扱品目(リスク区分)・相談対応の薬剤師・登録販売者の勤務情報等が含まれます。
違反した場合の行政上の対応:
掲示義務違反は薬機法違反として、業務改善命令・業務停止命令等の行政処分の対象となります。また、都道府県等の監視指導の対象ともなります。
登録販売者の名札(名称表示)との関連:
掲示板に記載される「勤務する登録販売者の氏名・担当業務」は、現場で名札を着用して働いている販売者の情報と整合している必要があります。「名札での登録販売者の表示義務」(ch4_25参照)と組み合わせて理解することで、専門家配置の「見える化」制度の全体像が把握できます。
掲示義務と消費者保護の実践:
この掲示義務制度が適正に機能することにより、消費者は:
- 購入しようとする医薬品のリスク区分を確認できる
- 対応できる専門家(薬剤師か登録販売者か)を把握できる
- 相談窓口を事前に知ることができる
という三重の情報保護が実現します。
【根拠】薬機法施行規則(薬局・店舗販売業の掲示事項・見やすい場所への掲示/特定販売を行う場合のウェブサイト等への表示)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節
<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 掲示事項・特定販売時のウェブ表示はいずれも薬機法施行規則に根拠あり。掲示は「見やすい場所」が要件で正答イ(リスク区分別の情報提供・相談に関する掲示は義務)は妥当。個別条番号は裏取りの確実性を優先し制度名表現に統一 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節「医薬品の分類・取扱い等」(薬機法施行規則 掲示事項の規定) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。