登録販売者 第4章 薬事関係法規・制度 問20:薬事関係法規・制度(医薬部外品・化粧品の定義と表示)
医薬部外品および化粧品の効能効果の範囲・表示に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア化粧品は、人体に対する作用が緩和であることが前提とされているが、「育毛・発毛を促進する」「ニキビを治す」などの薬理的・治療的効果を標ぼうすることも、化粧品の効能効果の範囲として薬機法上認められている。
- イ医薬部外品は医薬品と同様に、疾病の治療・予防を効能効果として標ぼうすることができるため、「花粉症を治癒する」といった記載が可能である。
- ウ化粧品の製造販売業者が「特定の効能効果がある」と確認できた場合、学会等での発表に基づき、承認を受けずとも添付文書への記載が可能である。
- エ医薬部外品の効能効果は、承認を受けた範囲内に限られ、「肌荒れを防ぐ」「脱毛を防ぐ」などの保健衛生的・予防的効果の範囲でのみ記載できる。正答
- オ化粧品は、厚生労働大臣の承認を受けることなく製造・販売することができ、製造販売業の許可も不要とされている。
AI解説(初心者・標準・上級)
理解度に合わせて3レベルの解説を無料で読めます。根拠も明記。
正答はエ(正しいもの)です。
医薬部外品の効能効果は、承認を受けた範囲内(保健衛生的・予防的効果)に限られます。「肌荒れを防ぐ」「脱毛を防ぐ」などは医薬部外品として認められる効能効果の典型例です。治療・治癒などの医療的作用は認められていません。
ア:誤りです。化粧品の効能効果は告示で定められた範囲(皮膚・毛髪を健やかに保つ等)に限られ、「発毛を促進する」「ニキビを治す」といった薬理的・治療的効果の標ぼうは化粧品では認められません(医薬部外品または医薬品の領域)。
イ:医薬部外品でも「疾病の治癒」の標ぼうはできません。
ウ:化粧品の添付文書への記載は承認なしにはできません(ただし化粧品は個別承認制ではありません)。
オ:製造販売業の許可は必要です。
医薬品・医薬部外品・化粧品の比較(効能効果の範囲):
| 区分 | 効能効果の範囲 | 承認制度 |
|---|---|---|
| 医薬品 | 疾病の治療・予防・診断 | 品目ごとに製造販売承認が必要 |
| 医薬部外品 | 人体に対する作用が緩和な保健衛生・予防的効果(吐き気の防止・体臭の防止・脱毛防止・育毛・除毛等) | 品目ごとの承認または届出(区分により異なる) |
| 化粧品 | 清潔にする・美化する・魅力を増す・容貌を変える・皮膚や毛髪を健やかに保つ、の範囲内 | 製造販売業許可+品目届出(承認不要の場合も多い) |
各選択肢の解説:
- ア(誤): 化粧品の効能効果は告示で定められた範囲(皮膚・毛髪を健やかに保つ、清潔にする、美化する等)に限られ、「発毛を促進する」「ニキビを治す」といった薬理的・治療的効果の標ぼうは化粧品では認められません。これらは医薬部外品(育毛・脱毛防止等)または医薬品の領域です。したがって「化粧品でも薬理的・治療的効果を標ぼうできる」とするアは誤りです。<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 化粧品の効能は告示の範囲内に限定。発毛促進・治療的効果の標ぼうは化粧品では不可(医薬部外品/医薬品の領域)。元のアは「化粧品では認められない」で事実上正しく正答エと二重正答だったため、アを「化粧品でも認められる」という明確な誤りに修正し正答をエに一意化 -->
- イ(誤): 医薬部外品は「疾病の治癒」を効能効果として標ぼうすることはできません。医薬部外品の効能は保健衛生的・予防的な範囲に限られます。「花粉症を治癒する」は医薬品または医薬品的な表現として規制対象です。
- ウ(誤): 化粧品では添付文書への効能効果の記載(医薬品的な記載)が承認なしでできるわけではありません。また化粧品の効能効果の範囲を超えた記載は薬機法違反となります。
- エ(正): 医薬部外品の効能効果は承認された範囲内に限られ、典型的なものとして「脱毛を防ぐ」「育毛」「除毛」「体臭・あせも・ただれ等の防止」「かみそりまけの防止」「肌荒れ防止」「口臭の防止」等があります。
- オ(誤): 化粧品の製造販売業者は薬機法に基づく製造販売業の許可が必要です(薬機法第12条等)。ただし、医薬品・医薬部外品と異なり、化粧品は品目ごとの承認ではなく届出(または製造販売業許可のみで販売可能な場合)という制度が基本です。
【医薬部外品・化粧品の法的定義と制度的位置づけ】
薬機法第2条は、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品を区分して定義しています。医薬部外品と化粧品はいずれも「医薬品ではない」が「人体に適用されるもの」として、医薬品よりも緩やかな規制下に置かれています。
医薬部外品の定義(薬機法第2条第2項)の要点:
医薬部外品は、次のいずれかに該当するものとして厚生労働大臣が指定した物品です:
1. 吐き気その他の不快感・口臭または体臭の防止
2. あせも・ただれ等の防止
3. 脱毛の防止、育毛または除毛
4. 人または動物の保健のために使用されるもので、人体に対する作用が緩和なもの(ねずみ・はえ・蚊等の防除を含む)
これらの効能効果は、「疾病の治療・予防」ではなく「保健衛生・予防・美化」の範囲に収まっています。
化粧品の定義(薬機法第2条第3項)の要点:
化粧品は、「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚もしくは毛髪を健やかに保つ」ために使用されるものであり、かつ「人体への作用が緩和なもの」です。
化粧品として標ぼうできる効能効果の範囲は厚生労働省告示で56種類(一般化粧品は56効能が認められている)が明示されており、これを超えた効能効果の標ぼうは薬機法違反となります。例えば「シミを消す」「肌の弾力を回復させる」等の医薬品的表現は化粧品としては認められません。
機能性表示・医薬品的標ぼうの境界線:
実務上・法令解釈上で問題になりやすい境界領域:
- 化粧品の「保湿」→ 認められる(皮膚を健やかに保つ範囲)
- 医薬部外品の「肌荒れ防止・荒れ性」→ 認められる(保健衛生的効果)
- 医薬品的「アトピー性皮膚炎の治療」→ 医薬品としての承認が必要
- 医薬部外品「育毛(毛髪・頭皮の健康を保つ)」→ 認められる
- 化粧品「発毛を促進する」→ 認められない(医薬部外品・医薬品の領域)
この境界線の判断は「作用の強さ・範囲・意図」によって行われ、広告・添付文書の表現が規制の対象となります。
製造販売承認と届出制度の違い(医薬部外品・化粧品):
| 区分 | 承認・届出の方法 |
|---|---|
| 医薬部外品(指定医薬部外品) | 品目ごとに厚生労働大臣の承認が必要 |
| 医薬部外品(日本標準商品分類等) | 届出のみで販売可能な場合もある |
| 化粧品(一般化粧品) | 製造販売業許可のみで、品目ごとの個別承認は原則不要(届出) |
| 化粧品(成分に規制あり) | 配合禁止・配合制限成分の規制遵守が必要 |
「治療」「治癒」等の医薬品的表現と違反リスク:
医薬部外品・化粧品が「治療」「疾病の予防」等の医薬品的効能効果を標ぼうした場合、薬機法第2条の「医薬品」の定義に該当するとみなされ、無承認無許可医薬品として販売停止・廃棄命令等の行政処分対象になります。また広告規制(第66条)の違反として課徴金制度の対象にもなります。
試験での頻出論点:
1. 医薬部外品は「保健衛生・予防的効果」の範囲内(治療・治癒はNG)
2. 化粧品の56効能を超えた標ぼうは違反(「シミを消す」「アトピーに効く」等はNG)
3. 化粧品も製造販売業許可が必要(完全無規制ではない)
4. 「育毛・脱毛防止」は医薬部外品の範囲(化粧品では発毛促進の標ぼうはNG)
【根拠】薬機法第2条第2項(医薬部外品の定義)・第2条第3項(化粧品の定義)・第12条(製造販売業許可)・第42条(医薬部外品の基準)・第61条(医薬部外品の表示)・第62条(化粧品の表示)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第4章 第1節「医薬品の分類・取扱い等」(薬機法第2条・第42条・第61条) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。