第5章 医薬品の適正使用・安全対策10医薬品の適正使用・安全対策(添付文書の「してはいけないこと」)

登録販売者 第5章 医薬品の適正使用・安全対策 問10:医薬品の適正使用・安全対策(添付文書の「してはいけないこと」)

一般用医薬品の添付文書に記載される「してはいけないこと」に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 抗ヒスタミン薬を含む医薬品は、眠気を催すおそれがあるため、「服用後、乗物または機械類の運転操作をしないこと」が記載されるが、この注意はアレルギー症状目的の鼻炎薬に限られ、かぜ薬や止まり薬には記載されない。
  • スコポラミン臭化水素酸塩水和物は、抗コリン作用を有するが眠気や目のかすみを生じないため、乗物酔い防止薬に配合されていても「服用後、乗物または機械類の運転操作をしないこと」は記載されない。
  • 一般用医薬品における授乳婦への注意として「服用中は授乳を避けること」が記載される成分には、ジフェンヒドラミン塩酸塩が含まれる。これは同成分が母乳中に移行して乳児に昏睡を生じるおそれがあるためである。正答
  • コデイン含有かぜ薬に「服用後、乗物または機械類の運転操作をしないこと」の記載が求められるのは、主として鎮静作用による眠気ではなく、薬物依存のリスクがあるためである。
  • ロートエキスは収れん作用を有し眠気は生じないため、「服用後、乗物または機械類の運転操作をしないこと」は記載されず、「服用中は授乳を避けること」のみが記載される。
正答:一般用医薬品における授乳婦への注意として「服用中は授乳を避けること」が記載される成分には、ジフェンヒドラミン塩酸塩が含まれる。これは同成分が母乳中に移行して乳児に昏睡を生じるおそれがあるためである。

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正答はウです。

ジフェンヒドラミン塩酸塩(抗ヒスタミン薬)は母乳中に移行し、乳児に昏睡を引き起こすおそれがあるため、「服用中は授乳を避けること」が添付文書の「してはいけないこと」に記載されます。

アは誤りです。抗ヒスタミン薬を含む眠気を催す成分は、かぜ薬・鼻炎薬・催眠補助薬など幅広い製品に「運転操作をしないこと」が記載されます。イは誤りで、スコポラミン臭化水素酸塩水和物は抗コリン作用により眠気や目のかすみを生じるため、乗物酔い防止薬等に「服用後、乗物または機械類の運転操作をしないこと」が記載されます。「眠気や目のかすみを生じないため記載されない」は誤りです。エは誤りで、コデインの運転回避は眠気(鎮静作用)によるものです。オは誤りで、ロートエキスは抗コリン作用により口渇・散瞳・眠気等を生じ、運転操作回避も記載されます。

標準試験対策の基準レベル

「してはいけないこと」の主な記載パターン(運転回避・授乳回避):

| 記載内容 | 代表的な該当成分 | 理由 |

|---|---|---|

| 服用後、乗物・機械類の運転操作をしないこと | ジフェンヒドラミン塩酸塩・クロルフェニラミンマレイン酸塩(抗ヒスタミン薬全般)、スコポラミン臭化水素酸塩水和物、ロートエキス、コデインリン酸塩水和物 | 眠気・眼のかすみ等を生じるため |

| 服用中は授乳を避けること | ジフェンヒドラミン塩酸塩 | 母乳中に移行し乳児に昏睡を生じるおそれ |

各選択肢の解説:

  • ア(誤): 抗ヒスタミン薬を含む眠気を催す医薬品は、かぜ薬・鼻炎薬・乗り物酔い薬・催眠補助薬など多くの製品に「運転操作をしないこと」が記載されます。「鼻炎薬に限られる」は誤りです。
  • イ(誤): スコポラミン臭化水素酸塩水和物は抗コリン作用を有し、眼のかすみ・眠気を生じることから、乗物酔い防止薬等に「服用後、乗物または機械類の運転操作をしないこと」が記載されます。選択肢は「眠気や目のかすみを生じないため記載されない」としていますが、これは事実と逆であり誤りです。
  • ウ(正): ジフェンヒドラミン塩酸塩は母乳中に移行し乳児に昏睡等を生じるおそれがあるため、「服用中は授乳を避けること」が「してはいけないこと」に明記されます。
  • エ(誤): コデインの「運転操作をしないこと」記載の根拠は鎮静作用(眠気)です。依存性はコデイン規制の別の論点です。
  • オ(誤): ロートエキスは抗コリン作用により散瞳・眠気を生じることがあり、「運転操作をしないこと」が記載されます。また「服用中は授乳を避けること」も記載されます(母乳中に移行・乳児に頻脈を引き起こすおそれ)。
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【「してはいけないこと」別表の体系と試験出題ポイントの徹底整理】

添付文書の「してはいけないこと」は、使用者が自己判断で行ってはならない行為を明確に列挙するセクションです。登録販売者試験では「成分×禁忌の組み合わせ」が頻繁に出題されます。

運転操作回避が求められる主な成分の整理:

| 分類 | 代表成分 | 機序 |

|---|---|---|

| 第一世代抗ヒスタミン薬 | ジフェンヒドラミン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、メキタジン、アゼラスチン塩酸塩等 | 中枢抑制→眠気 |

| 抗コリン薬 | スコポラミン臭化水素酸塩水和物、ロートエキス | 眼のかすみ・眠気 |

| 麻薬性鎮咳薬 | コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩 | 中枢抑制→眠気 |

| ブロモバレリル尿素等 | ブロモバレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素 | 鎮静→眠気 |

授乳回避が求められる主な成分:

  • ジフェンヒドラミン塩酸塩: 母乳中に移行し、乳児に昏睡を生じるおそれがある。これは授乳回避の典型例として試験頻出です。
  • ロートエキス(ヒヨスチアミン等アルカロイド): 母乳中に移行し、乳児の脈が速くなる(頻脈)おそれがあるため、「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」とされる。<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 手引き第5章別表で、ロートエキスは母乳移行により乳児の脈が速くなるおそれがあるため「授乳中は服用しない/服用時は授乳を避ける」とされることを確認。頻脈の記述は正確で確定。 -->
  • コデインリン酸塩水和物(12歳未満使用禁止関連): 授乳中の使用についても注意が必要な成分だが、主要な禁忌は年齢制限(15歳未満禁止→さらに12歳未満に強化)。

「してはいけないこと」と「相談すること」の区別(試験超重要):

「してはいけないこと」は自己判断で絶対に行わない行為(禁止)であるのに対し、「相談すること」は医師・薬剤師に相談の上で判断する行為(制限付き許可)です。この区別は試験でたびたび問われます。

例: 妊婦への対応

  • 「してはいけないこと」: 妊婦または妊娠していると思われる人に対して使用を禁じる成分(例: アスピリン等)
  • 「相談すること」: 妊婦・授乳婦が使用前に医師・薬剤師への相談を要する成分

抗ヒスタミン薬の第一・第二世代の違いと試験への影響:

第一世代抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミン等)は血液脳関門を通過しやすく中枢抑制(眠気)が強い。第二世代抗ヒスタミン薬(フェキソフェナジン等)は中枢移行が少なく眠気が軽減される設計ですが、OTC薬として販売されるものの一部は依然として「運転操作をしないこと」の記載対象となる場合があります。

登録販売者の実務:

顧客への説明時に「この薬を飲んだら車の運転はできません」と伝えることは、重大事故の予防につながる極めて重要な情報提供です。また授乳中の母親への「この成分が母乳に移行し赤ちゃんへの影響が懸念される」という説明は、乳幼児の健康を守る上で不可欠です。これらは添付文書の「してはいけないこと」に明記されている内容であり、登録販売者がすべての販売時に確認・伝達すべき事項です。

<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 二重正答を是正。修正前は選択肢イ(スコポラミンは抗コリン作用により眠気→運転回避記載)も正しい記述で、正答ウと二重正答だった。選択肢イを「眠気や目のかすみを生じないため記載されない」という明確な誤り記述に変更し、正答をウに一意化。beginner/standardの解説もイ=誤りに整合させた。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第5章 第1節「添付文書等への記載事項」(使用上の注意「してはいけないこと」別表関連) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

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