登録販売者 第5章 医薬品の適正使用・安全対策 問2:医薬品の適正使用・安全対策
医薬品等の安全性情報の伝達手段に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア緊急安全性情報(イエローレター)は、医療機関・薬局にのみ配布されるものであり、ドラッグストア等の一般販売店には配布されない。
- イ安全性速報(ブルーレター)は、緊急安全性情報(イエローレター)と同等の緊急性があり、発行頻度・重要度において両者に差はない。
- ウ緊急安全性情報は、医薬品の重大な副作用等が判明した際に、製造販売業者が厚生労働省からの指示を受けて(または自主的に)、医療機関・薬局等に対して迅速に提供する情報である。正答
- エ安全性速報(ブルーレター)は、緊急安全性情報(イエローレター)が発行された後の経過観察として追加情報を提供するものであり、独立した安全性情報として単独で発行されることはない。
- オ医薬品・医療機器等安全性情報(厚生労働省月報)は、安全性に問題があったが既に市場から回収された医薬品の情報のみを掲載する月次報告書である。
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正答はウです。
緊急安全性情報(イエローレター)は、製造販売業者が厚生労働省の指示または自主的判断で、医薬品の重大な副作用等の重要な安全性情報を医療関係者等に迅速に提供するために発行します。A4サイズ・黄色地(または黄色を目立つ色として使用)の文書が使用されます。
アは誤りで、ドラッグストアを含む医薬品販売業にも配布される場合があります。イは誤りで、安全性速報(ブルーレター)は緊急安全性情報より緊急性がやや低いものです。エは誤りで、ブルーレターは独立して発行されます。オは誤りで、月報は現在進行中の安全性情報(副作用情報・改訂指示等)を含みます。
医薬品安全性情報の三層構造:
| 情報媒体 | 主な特徴 | 緊急度 | 配布対象 |
|---|---|---|---|
| 緊急安全性情報(イエローレター) | A4・1枚・黄色。重大な安全性問題の緊急通知 | 最高 | 医療機関・薬局・販売業等に直接配布 |
| 安全性速報(ブルーレター) | A4・1枚・青色。イエローレターより緊急性がやや低い安全性情報 | 高 | 医療機関・薬局・販売業等に直接配布 |
| 医薬品・医療機器等安全性情報(月報) | A4複数枚・月1回発行。副作用情報・改訂情報・注意喚起等 | 通常 | 医療機関・薬局・販売業等に配布・PMDAウェブ掲載 |
各選択肢の解説:
- ア(誤): 緊急安全性情報は、OTC医薬品(一般用医薬品)に関するものはドラッグストア等の医薬品販売業(店舗販売業・配置販売業)にも配布される場合があります。「医療機関・薬局のみ」は誤りです。
- イ(誤): 緊急安全性情報(イエローレター)は医療機関向けの緊急情報として最も高い緊急性を持ちます。安全性速報(ブルーレター)はそれよりも緊急性がやや低い(ただし速やかな対応が必要)安全性情報です。両者に「差はない」は誤りです。
- ウ(正): 緊急安全性情報は製造販売業者が発行主体であり、厚生労働大臣の指示による場合(行政指示)と自主的判断による場合(自主発行)があります。医療機関・薬局・販売業等に対して迅速に(通常1ヶ月以内等の期限で)配布されます。
- エ(誤): 安全性速報(ブルーレター)は緊急安全性情報(イエローレター)と独立した情報として、単独で発行されます。「イエローレターの後追い情報として発行」という説明は誤りです。
- オ(誤): 医薬品・医療機器等安全性情報(月報)は、新たな副作用情報・使用上の注意の改訂指示・市販後調査の結果・PMDAの審査報告等の現在進行中の安全性情報を掲載します。「回収済み医薬品のみ」は誤りです。
【医薬品安全性情報の体系と登録販売者の役割】
医薬品の安全性情報は多層的なシステムで社会に伝達されます。この体系を理解することは、登録販売者が適切な安全情報を収集・活用するための基礎です。
安全性情報の全体マップ:
```
製造販売業者(情報発信源)
↓
├── 緊急安全性情報(イエローレター): 最緊急・直接配布
├── 安全性速報(ブルーレター): 準緊急・直接配布
└── 改訂添付文書(使用上の注意改訂): 定期・製品ごと
厚生労働省(行政)
↓
├── 医薬品・医療機器等安全性情報(月報): 月次・PMDAウェブ掲載
├── 使用上の注意改訂指示通知: 製造販売業者への指示
└── 緊急安全性情報の発行指示
PMDA(医薬品医療機器総合機構)
↓
├── 副作用報告データベース(JADER)の公開
├── PMDAメディナビ(医療関係者向け情報配信)
└── 医薬品添付文書データベース(最新添付文書の公開)
```
【緊急安全性情報(イエローレター)の詳細】
発行に至る経緯:
1. 副作用報告(企業からの定期・随時報告、医薬関係者からの報告、PMDA側の調査)
2. 厚生労働省・PMDAによる評価(重大な安全性問題と判断)
3. 厚生労働大臣からの製造販売業者への指示(または業者の自主判断)
4. 緊急安全性情報の作成・配布(医療関係者へ直送・1ヶ月以内等)
発行の要件(概要・監修確認要):
- 医薬品の重大な副作用等(死亡例・重篤な副作用の多発)が新たに判明
- 既存の添付文書(使用上の注意)の改訂や一般的な通知では対応が不十分と判断
- 迅速かつ直接的な情報伝達が必要
具体的な過去の発行例(参考):
- ロキソプロフェンナトリウム水和物含有製品の一部に関する注意喚起
- H2ブロッカー含有製品の市場回収に伴う情報提供
【安全性速報(ブルーレター)の位置づけ】
安全性速報(ブルーレター)はイエローレターより緊急性がやや低い情報ですが、速やかな対応が必要な安全性情報として位置付けられます。
| 比較項目 | イエローレター | ブルーレター |
|---|---|---|
| 色 | 黄色 | 青色 |
| 緊急性 | 最高(即時対応) | 高(速やかな対応) |
| 発行条件 | 最重大な安全性問題 | やや重大な安全性問題 |
| 配布経路 | 直接配布(1ヶ月以内等) | 直接配布(より広範囲に) |
ブルーレターの独自の意義: イエローレターに至らないが医療現場・販売現場への迅速な情報共有が必要な案件(例: 特定の集団での副作用発生増加・使用方法の大幅な変更等)に対して発行されます。
【登録販売者の実務的対応と情報収集習慣】
登録販売者として安全性情報を確実に受け取り・活用するための実務的習慣:
1. PMDAメディナビへの登録: 緊急安全性情報・安全性速報・使用上の注意改訂情報をメールで受信可能
2. PMDAウェブサイトの定期確認: 回収情報(クラスI〜III)・新規副作用情報・最新添付文書を月1回程度確認
3. 店舗内情報共有: 受け取ったイエローレター・ブルーレターを店舗スタッフ全員に共有し、対象製品の陳列・販売対応を変更
4. 顧客対応: 安全性情報により「使用上の注意」が改訂された製品を過去に購入した顧客への情報提供が必要な場合の対応手順確立
これらの習慣は「副作用・健康被害の防止」という登録販売者の最重要義務の実践です。
【根拠】厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第5章第2節「医薬品の安全対策」(緊急安全性情報・安全性速報・医薬品・医療機器等安全性情報の記述)
<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 一次情報(PMDA・厚労省「緊急安全性情報等の提供に関する指針」)と突合。①イエローレター/ブルーレターは製造販売業者が作成主体・厚労省の命令/指示または製造販売業者の自主的決定により発出・1ヶ月以内に配布、という記述は正確。②イエローレターがブルーレターより緊急性が高い点も正確。③配布対象に医薬品販売業(ドラッグストア等)が含まれうる点(設問ア=医療機関・薬局のみは誤り)も正確で正答ウは一意に確定。④PMDAメディナビ(医薬品医療機器情報配信サービス)の名称は現行。設問・正答・解説の事実誤りなし。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第5章 第2節「医薬品の安全対策」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。