第5章 医薬品の適正使用・安全対策3医薬品の適正使用・安全対策

登録販売者 第5章 医薬品の適正使用・安全対策 問3:医薬品の適正使用・安全対策

製造販売業者の副作用等報告義務(薬機法第68条の10第1項)に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 製造販売業者は、その製造販売をする医薬品について副作用による死亡等の重篤な副作用が発生したことを知ったときは、厚生労働省令で定める期間内に厚生労働大臣に報告しなければならない。
  • 副作用報告の義務を負うのは製造販売業者であり、製品を販売する薬局・店舗販売業者(小売業者)に同様の報告義務は一切ない。正答
  • 製造販売業者から国(厚生労働大臣)への副作用報告のうち、重篤かつ予期しない副作用(死亡例等)は報告期限が最も短い(15日以内等)。
  • 製造販売業者の副作用等報告は、製品を国内で販売している場合のほか、外国での副作用情報についても一定の報告義務がある。
  • 副作用報告制度の目的は、製造販売業者を処罰することではなく、副作用情報を国が収集・分析して安全対策(使用上の注意の改訂・回収措置等)につなげることにある。
正答:副作用報告の義務を負うのは製造販売業者であり、製品を販売する薬局・店舗販売業者(小売業者)に同様の報告義務は一切ない。

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正答はイ(誤っているもの)です。

薬機法第68条の10第2項は、医師・薬剤師・登録販売者その他の医薬関係者に対しても副作用等の報告を義務付けています(登録販売者も「医薬関係者」として対象)。「薬局・店舗販売業者に報告義務は一切ない」という記述は誤りです。

アは正しく、製造販売業者には重篤副作用の期限内報告義務があります(第68条の10第1項)。ウは正しく、重篤・予期しない副作用(死亡等)は報告期限が最短です。エは正しく、外国副作用情報にも報告義務があります。オも正しく、報告制度の目的は安全対策の強化です。

標準試験対策の基準レベル

副作用等報告義務の二本立て(薬機法第68条の10):

| 報告義務者 | 根拠 | 内容 |

|---|---|---|

| 製造販売業者 | 第68条の10第1項 | 副作用・副作用が疑われる症例・研究報告・外国措置情報等を期限内に厚生労働大臣へ報告(義務) |

| 医薬関係者(医師・薬剤師・登録販売者等) | 第68条の10第2項 | 保健衛生上の危害発生・拡大防止のため必要があると認めるときは厚生労働大臣に報告(義務) |

製造販売業者の報告期限(概要・監修確認要):

| 報告種別 | 報告期限(概要) |

|---|---|

| 重篤かつ予期しない副作用(死亡例・生命を脅かす副作用等) | 15日以内 |

| 重篤かつ予期できる副作用 | 15日以内または30日以内(種別による) |

| 非重篤・定期報告 | 定期(年次等) |

| 外国での措置情報(回収・販売停止等) | 15日以内 |

※上記期限は概略。正確な期限は薬機法施行規則・厚労省通知で規定されており、監修確認要。

各選択肢の解説:

  • ア(正): 薬機法第68条の10第1項に基づく製造販売業者の報告義務です。重篤な副作用が判明した場合は迅速な報告が求められます。
  • イ(誤・正答): 薬機法第68条の10第2項は、医師・歯科医師・薬剤師・登録販売者・看護師・助産師その他の医薬関係者に対して、副作用による保健衛生上の危害の発生または拡大防止のため必要があると認めるときは厚生労働大臣(実務上の窓口:PMDA)に報告することを義務付けています。「一切ない」は誤りです。
  • ウ(正): 重篤かつ予期しない副作用(添付文書に記載のない新規副作用・死亡例等)は、行政が早急に把握して対応措置を講じるため、最短期限(15日以内が一般的)での報告が求められます。
  • エ(正): 製造販売業者は外国での副作用情報(副作用症例・外国政府の措置・外国学術雑誌等)についても一定の報告義務があります。グローバルな安全情報の収集が国内の安全対策に活用されます。
  • オ(正): 副作用報告制度は行政が安全対策(添付文書改訂・市場回収・緊急安全性情報発行等)を行うための情報収集システムです。報告すること自体が即座に業者への処罰につながるわけではありません。
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【副作用報告制度の全体設計と国際的文脈】

日本の医薬品副作用報告制度(ファーマコビジランス・PV)は国際的なルール(ICH E2A/E2B等)に準拠して整備されており、製造販売業者から国(厚生労働省・PMDA)への報告、さらにWHOへの情報共有という多層的な流れで機能しています。

報告義務の根拠と目的:

薬機法第68条の10が規定する報告義務は、「製造販売後の安全管理(市販後安全管理・PMS: Post Marketing Surveillance)」の核心です。医薬品は承認審査時点で把握できていない副作用が市販後に発見されることが多く(臨床試験では数百〜数千例・市販後は数百万例の使用)、継続的な情報収集なしに安全は担保できません。

製造販売業者の報告義務の全体像(第68条の10第1項):

報告対象(概要・施行規則による詳細は監修確認要):

1. 副作用症例報告: 国内での副作用症例(重篤度・予期性で期限が変わる)

2. 外国副作用症例報告: 外国での副作用症例(特に外国政府の措置情報は15日以内)

3. 研究報告: 医薬品の安全性に関する文献(学術論文等)

4. 感染症症例報告: 医薬品(血液製剤等)による感染症事例

報告の優先度(期限による分類):

最緊急(15日以内)の例:

  • 死亡症例(報告時点で添付文書に記載のない副作用が疑われる場合)
  • 生命を脅かす重篤な副作用(予期しないもの)
  • 外国での販売停止・回収等の措置

緊急(30日以内)の例:

  • 重篤・予期しない副作用(死亡・生命を脅かす以外)

定期報告(年次等):

  • 非重篤症例の集積データ

【登録販売者の副作用報告義務(第68条の10第2項)の実務的理解】

第2項の「医薬関係者」への義務は「必要があると認めるときは」という条件付きです。この「必要があると認めるとき」の解釈:

  • 副作用の可能性が高い(用法・用量内での使用・他の原因が考えにくい)
  • 健康被害が重篤または拡大する可能性がある
  • 当該副作用情報が既知か未知かにかかわらず、公衆衛生上の対応が必要と判断される

実務上の具体的シナリオ:

1. 顧客が「風邪薬を飲んだら皮膚が広範囲に赤くなり、水ぶくれができた」と来店

→ スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)等の重篤な皮膚副作用の可能性

→ 緊急に医療機関を受診させる+PMDAに副作用報告

2. 短期間に複数の顧客から同一製品での同様の訴え

→ 製品の安全性問題の可能性 → 上位管理者報告+PMDAへの報告検討

報告窓口と方法:

  • PMDAウェブサイト(医薬品・医療機器等安全性情報報告フォーム)からの電子報告
  • 郵便(報告書を印刷・郵送)
  • ※「MedWatch」は米国FDAの有害事象報告制度の名称であり、日本(PMDA)の報告窓口の名称ではない。日本の医薬関係者からの報告は「医薬品・医療機器等安全性情報報告制度」としてPMDAが窓口を担う。

【副作用報告制度と健康被害救済制度の役割分担】

副作用報告制度(安全情報収集・予防)と医薬品副作用被害救済制度(発生した被害の補償)は別の制度ですが、連携しています:

  • 報告された副作用情報 → PMDAが分析 → 添付文書改訂・回収措置(予防)
  • 改正後も発生した副作用被害 → 救済制度で補償(補償)

両制度が機能することで「予防と補償」の両輪が回り、社会的に安全な医薬品環境が維持されます。登録販売者はその最前線の担い手として、報告義務の実践が求められます。

【根拠】薬機法第68条の10(副作用等報告)、薬機法施行規則(報告様式・報告期限)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第5章第2節

<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 薬機法第68条の10をe-Gov/PMDA一次情報と突合。①第1項=製造販売業者の報告義務、第2項=「薬局開設者、病院・診療所の開設者又は医師、歯科医師、薬剤師、登録販売者、獣医師その他の医薬関係者」が「保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるとき」に厚生労働大臣へ報告、という条文表現は正確(登録販売者は第2項の医薬関係者に明示)。よって設問イ「販売業者に報告義務は一切ない」は誤りで正答イは一意に確定。②重篤・予期しない副作用(死亡等)の15日以内報告の分類も正確。③本文中の報告窓口記述に「MedWatch(PMDA)」とあるがMedWatchは米FDAの制度名で日本の窓口名ではない(下記advancedの該当箇所を修正済)。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 薬機法第68条の10(副作用等報告)、厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第5章 第2節「医薬品の安全対策」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

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