登録販売者 第5章 医薬品の適正使用・安全対策 問15:医薬品の適正使用・安全対策(添付文書の構成・法的位置付け)
一般用医薬品の添付文書の構成・記載順序・電子化に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア一般用医薬品の添付文書に記載される事項の順序は、法令で定める順序があり、「してはいけないこと」は「効能・効果」よりも先に記載される。
- イ2022年(令和4年)8月の薬機法改正施行により、医療用医薬品の添付文書については紙の添付文書の同梱が原則廃止され、電子的な方法による情報提供へ移行したが、一般用医薬品については引き続き紙の添付文書の同梱が継続されている。
- ウ医療用医薬品の添付文書の電子化以降、医療用医薬品のバーコード(GS1バーコード)をスキャンすることで最新の添付文書情報にアクセスできるように整備されている。
- エ一般用医薬品の添付文書の内容が変更された場合、それ以前に流通している旧来の添付文書を同梱した製品は速やかに回収される義務があるため、旧来の添付文書が記載された製品が市場に流通することはない。正答
- オ一般用医薬品の添付文書の「改訂年月」の記載は、使用者が最新版の添付文書かどうかを確認するための重要な情報である。
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正答(誤っている選択肢)はエです。
添付文書の内容が改訂された場合、以前の添付文書を同梱した製品がすべて市場から回収されるわけではありません。改訂情報は新たに製造・流通する製品の添付文書に反映されますが、改訂前に製造された製品が市場から一律回収される義務はなく、旧来の添付文書を持つ製品が流通し続けることがあります。このため、使用者は必要に応じて製造販売業者のウェブサイト等で最新情報を確認することが求められます。
ア・イ・ウ・オはいずれも正しい記述です。「してはいけないこと」は安全性確保の観点から「効能・効果」より先に記載されます。医療用医薬品の紙添付文書は電子化に移行し、一般用は紙継続です。GS1バーコードで最新添付文書にアクセス可能です。改訂年月は最新版確認に重要です。
添付文書の構成(記載順序)の概要:
| 記載順 | 主な記載事項 |
|---|---|
| 冒頭 | 改訂年月、作成または改訂年月(版数) |
| 1 | 薬の名前・販売名 |
| 2 | リスク区分(第1類・第2類・第3類の表示) |
| 3 | 使用上の注意(してはいけないこと → 相談すること → その他の注意) |
| 4 | 効能・効果 |
| 5 | 用法・用量 |
| 6 | 成分・分量 |
| 7 | 保管及び取扱い上の注意 |
| 8 | 消費者相談窓口 |
| 9 | 製造販売業者の名称・住所 |
「してはいけないこと」が「効能・効果」より先に記載される構成が特徴的です。
各選択肢の解説:
- ア(正): 安全性情報を使用者が最初に認識するよう「してはいけないこと」(禁忌・禁止事項)は「効能・効果」より先に記載されます。これは使用前に安全確認を促す設計です。
- イ(正): 2022年8月の薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の改正施行により、医療用医薬品は紙添付文書の原則廃止・電子化へ移行しました。一般用医薬品は引き続き紙の添付文書が同梱されます。
- ウ(正): 医療用医薬品に表示されるGS1バーコード(2次元バーコード)をスキャンすることで、PMDA(医薬品医療機器総合機構)のデータベースにアクセスし、最新の添付文書を参照できる仕組みが整備されています。
- エ(誤): 添付文書の改訂時に、既に流通している旧来の製品を一律回収する義務はありません。改訂情報は新規製造ロットに反映されますが、改訂前製品は引き続き流通することがあります。使用者は添付文書の改訂年月を確認し、必要に応じて製造販売業者や医薬品情報提供ウェブサイト等で最新情報を確認する必要があります。
- オ(正): 「改訂年月」は添付文書の最新性を判断するための重要な記載事項です。改訂が行われた場合は改訂内容の要約とともに改訂年月が更新されます。
【添付文書の法的位置付け・電子化の背景・改訂の仕組みを深掘りする】
1. 添付文書の法的根拠と記載義務
添付文書は薬機法第52条(医薬品への添付文書等の添付)に基づき、製造販売業者が医薬品に添付することが義務付けられています。記載事項は薬機法施行規則・関連通知等で規定されており、記載の順序・内容には一定の基準があります。
「してはいけないこと」が先頭に位置する構成は、PL法(製造物責任法)の観点からも重要です。製品の危険性・禁忌を消費者が最初に目にする設計にすることで、適切な使用を促し健康被害を防止する趣旨があります。
2. 医療用医薬品の添付文書電子化(2022年8月施行)の意義
2019年(令和元年)の薬機法改正により、2022年(令和4年)8月から医療用医薬品等の紙添付文書の廃止・電子化が実施されました。
電子化の背景と意義:
- 常に最新情報へのアクセス: 改訂のたびに紙を刷り直す必要がなく、データベース更新で全使用者が即座に最新版を参照可能
- 環境負荷の軽減: 膨大な紙添付文書の印刷・廃棄コストの削減
- 情報の機械可読性: 電子化により副作用情報の自動解析・AIによる薬物相互作用チェック等が可能に
電子提供の方法:医薬品の容器・外箱等に記載されたGS1バーコード(GS1-128またはGS1 DataMatrix)をスキャンすると、PMDAの医療用医薬品添付文書情報データベース(PMDA医療用医薬品添付文書)にリンクし、最新の添付文書PDFを閲覧できます。
ただし例外として、以下の場合は紙添付文書の提供が認められます:
- 患者への直接情報提供が必要な場合
- 電子化が困難なケース(高齢者施設・電子環境が整備されていない施設等への対応)
一般用医薬品については電子化の義務付けはなく、引き続き紙の添付文書が同梱されています(ただし、製造販売業者によっては自社ウェブサイトで電子版も公開しています)。
3. 添付文書の改訂と市場流通の関係
添付文書の改訂は以下のケースで行われます:
- 新たな副作用・重篤な副作用の判明
- 禁忌・使用上の注意の追加・強化
- 効能・効果・用法・用量の変更(承認事項の変更)
- 定期的な見直し(安全性評価)
改訂が行われた場合のフロー:
1. 厚生労働省・PMDA→製造販売業者への改訂指示(または製造販売業者の自主改訂)
2. 新たに製造する製品ロットに改訂済み添付文書を同梱
3. 改訂前に製造・出荷された製品は市場で引き続き流通(回収義務なし)
例外的に「緊急安全性情報(イエローレター)」の発行・回収指示が伴う重大な問題の場合は、製品回収(リコール)が行われることもありますが、これは添付文書改訂の通常プロセスとは別の特別対応です。
4. 添付文書の外箱記載との関係
一般用医薬品では、外箱(外装)にも重要な情報が記載されます:
- リスク区分(第1類・第2類・第3類)の表示
- 使用上の注意の一部(「してはいけないこと」の抜粋)
- 有効成分・分量(主要成分)
- 用法・用量(簡略版)
添付文書(封入物)と外箱に記載された情報が相互補完的に機能します。外箱は購入前の確認に、添付文書(封入物)は使用前・使用中の詳細確認に使われます。
5. 登録販売者の実務と添付文書の活用
登録販売者は添付文書を正しく読み・顧客に説明する能力が求められます:
- 「改訂年月」を確認し、手元の添付文書が最新版かを意識する
- 重要な改訂があった成分・製品については製造販売業者の情報を積極的に収集する
- 顧客から「添付文書に書いていないことを聞かれた」場合は、製造販売業者の消費者相談窓口を案内する
<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 記載順序(してはいけないこと→相談すること→効能効果より前)、2022年8月の医療用医薬品添付文書の原則電子化(一般用は紙継続)、GS1バーコードによる最新添付文書アクセス、改訂時に旧製品の一律回収義務はない(選択肢エが誤り=正答)の各点を手引き・薬機法の規定と照合し正確と確認。修正不要。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第5章 第1節「添付文書等への記載事項」(添付文書の構成・電子化・改訂関連) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。