登録販売者 第5章 医薬品の適正使用・安全対策 問37:医薬品の適正使用・安全対策(添付文書の表示ルール)
一般用医薬品の添付文書における「使用上の注意」の表示・標識的マークに関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。
- ア「使用上の注意」は「してはいけないこと」「相談すること」「その他の注意」の各項目で構成されており、「してはいけないこと」は守らないと健康被害が生じるおそれがある事項として特に重要度が高い。
- イ添付文書の「してはいけないこと」の見出しは、識別しやすいよう枠囲い・大きな文字・色変え等の工夫(標識的マーク)で強調表示することとされており、「してはいけないこと」の文字を赤地・白文字で記載するなどの表示が多く用いられる。
- ウ「相談すること」の見出しには、「してはいけないこと」と同様に、法律により全製品で統一された記号マーク(国が定めた特定の図形・色)の使用が義務付けられている。正答
- エ添付文書の「その他の注意」欄には、「使用上の注意」には分類されないものの、購入者が知っておくべき参考情報(副作用に関する情報・使用後の一般的な注意等)が記載される場合がある。
- オ「使用上の注意」のうち「してはいけないこと」に記載された内容を守らなかった場合は、副作用(健康被害)のみならず、医薬品の効果が発揮されない場合があるため、購入者が理解しやすい方法で説明することが登録販売者の役割として求められる。
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正答(誤っている選択肢)はウです。
「相談すること」の見出しについては、「法律により全製品で統一された記号マーク(特定の図形・色)の使用が義務付けられている」という事実はありません。添付文書の見出しには識別しやすいよう工夫(枠囲い・大きな文字・色変え等)が推奨されていますが、「相談すること」については特定の統一マークが法的に義務付けられているわけではありません。
「してはいけないこと」の見出しについては強調表示が求められていますが(アが正しい内容)、全項目で法定の統一マークが義務付けられているわけではありません。
ア・イ・エ・オはいずれも正しい内容です。標識的マークは識別性を高めるためのもので、特に「してはいけないこと」は最重要の注意項目として強調表示が重要視されています。
添付文書「使用上の注意」の構成と表示の原則:
| 項目 | 内容 | 表示の特記事項 |
|---|---|---|
| してはいけないこと | 守らないと健康被害が生じるおそれ(禁忌・禁止事項) | 枠囲い・大きな文字・赤色等で強調表示 |
| 相談すること | 使用前後に専門家への相談を要する事項 | 明確な見出し(強調推奨) |
| その他の注意 | 知っておくと有用な情報・副作用参考情報等 | 標準的な記載(強調必須ではない) |
各選択肢の解説:
- ア(正): 「使用上の注意」の3区分の説明として正確です。「してはいけないこと」は最も重要度が高く、副作用・危険のリスクが生じる禁止事項が列挙されます。「相談すること」は使用前後に専門家への相談を促す情報です。
- イ(正): 「してはいけないこと」の見出しは識別しやすいよう強調表示することとされており、多くの製品で枠囲い・太文字・赤色等が用いられます。これは製造販売業者が適切に表示するよう業界のガイドラインや行政指導で示されています。
- ウ(誤): 「相談すること」の見出しについて、国が定めた特定の図形・色のマークを全製品に義務付けた法規定はありません。添付文書の表示は製造販売業者が製品特性に応じて適切に行うものであり、「相談すること」の見出しに法定の統一マークが義務付けられているとする記述は誤りです。
- エ(正): 「その他の注意」は「使用上の注意」の「してはいけないこと」「相談すること」に分類されない事項を含みます。例えば「他の薬剤との飲み合わせに関する一般的注意」「使用後の体調変化に関する参考情報」など、購入者が有益に活用できる情報が記載されます。
- オ(正): 「してはいけないこと」の内容を購入者が理解・遵守できるよう説明することは登録販売者の重要な職務です。単に渡すだけでなく、重要な注意事項を口頭で説明するコミュニケーション能力が求められます。
【添付文書の表示設計思想と「標識的マーク」の法的根拠・業界運用の全体像】
添付文書の表示ルールは薬機法と関連通知・ガイドラインの複合的な規制に基づいています。登録販売者が試験・実務の双方で正確に理解する必要があります。
1. 添付文書の法的根拠(薬機法第52条)
薬機法第52条は、医薬品の添付文書・外箱への記載義務を規定しています。記載事項の例:
- 用法・用量
- 効能・効果
- 使用上の注意(「してはいけないこと」「相談すること」等)
- 成分及び分量
- 保管及び取扱い上の注意
添付文書に関する主な関連通知:
厚生労働省から製造販売業者への通知(薬食安発等)により、添付文書の記載ルール・様式・表示の基本方針が示されています。ただし「相談すること」の見出しに対する特定の法定統一マークの義務付けは通知には含まれていません。
2. 「してはいけないこと」の強調表示の根拠と実際
「してはいけないこと」は使用上の注意の中で最も重要度が高い項目として、識別性を高めるための表示が求められています。
実際に多く用いられる表示手法:
- 見出しを枠(ボックス)で囲む
- 見出し文字を大きく(本文より大きいポイント数)
- 白抜き文字(赤地・黒地に白文字)
- 太字・イタリック体
- 色付き帯状表示
これらは法定の統一形式ではなく「識別性を高めるための工夫」として業界慣行・行政指導で推奨されているものです。製品によって具体的な表示方法は異なります。
3. 「相談すること」「その他の注意」の表示の位置づけ
「相談すること」:
- 「してはいけないこと」に次ぐ重要度の項目
- 使用前後に医師・薬剤師・登録販売者への相談を促す
- 見出しを明確に示す表示が推奨される
- 法定の統一マークの義務はない
- 製品ごとに独自の見出し表示デザインが用いられる
「その他の注意」:
- 購入者への参考情報・補足情報
- 副作用発生の参考情報、薬物依存性に関する情報等が含まれることがある
- 強調表示の義務はないが、重要な情報は読みやすく記載
- 「その他の注意」として分類される内容例:
- 特定の食品との組み合わせに関する一般的注意(グレープフルーツジュースとの相互作用等)
- 「服用後は○時間以内の乗り物の運転を避けること」(「してはいけないこと」の運転禁止とは段階が異なる場合)
- 習慣性・依存性の注意(カフェイン含有薬の多量連用等)
4. 標識的マーク(記号・ピクトグラム)の実際
医薬品・医薬部外品の外箱・添付文書で用いられる主な標識的記号:
| マーク・記号 | 意味 | 法的根拠 |
|---|---|---|
| 「医」マーク | 医療用医薬品(処方箋医薬品は添付) | 薬機法関連 |
| リスク区分表示 | 第1類・指定第2類・第2類・第3類の区分マーク | 薬機法 |
| 「要指導」マーク | 要指導医薬品の識別 | 薬機法 |
| 年齢制限(「15歳未満使用禁止」等)の図表示 | 使用制限の視覚的表示 | ガイドライン準拠 |
| 妊婦禁忌マーク | 妊婦への使用禁止(一部製品) | 製品ごとに異なる |
統一マークが法的に義務付けられているのは「リスク区分」の表示(薬機法第36条の7・施行規則)です。第1類・指定第2類・第2類・第3類の区分はパッケージへの表示が義務付けられており、購入者がリスク区分を確認できるようになっています。
5. 登録販売者の実務:「使用上の注意」の情報提供スキル
添付文書の「使用上の注意」を購入者に効果的に伝えるポイント:
1. 優先度の説明: 「この薬で特に大切なのは、○○という方は使用しないこと(してはいけないこと)です」と優先度を明確に伝える
2. 具体的な症状への翻訳: 「"肝臓病の診断を受けた人は相談すること"というのは、例えばB型肝炎や脂肪肝などで治療を受けている場合が含まれます」
3. 添付文書の読み方案内: 「赤い枠で囲まれた部分が"してはいけないこと"です。まずここを確認してください」
4. 双方向の確認: 「今おっしゃった使い方で大丈夫か確認させてください」(購入者が理解できているかを確認)
これらのコミュニケーションスキルは「販売時のコミュニケーション(ch5_39)」と密接に関連し、登録販売者の専門性を示す場面です。
<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 正答ウ(「相談すること」見出しに国定の統一記号マークを全製品へ義務付ける法規定はない=誤り)で一意確定。「してはいけないこと」の強調表示・3区分(してはいけないこと/相談すること/その他の注意)の説明・リスク区分表示の法定義務はいずれも手引き及び薬機法と整合。事実誤認なし。出典: 厚労省 手引き第5章第1節、薬機法第52条・第36条の7。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第5章 第1節「添付文書等への記載事項」(使用上の注意の表示・標識的マーク) 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。