衛生管理者 関係法令(有害業務以外) 問62:安全衛生管理体制
衛生管理者の選任に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。
- ア常時200人を超え500人以下の労働者を使用する事業場では、衛生管理者を3人以上選任しなければならない。
- イ常時800人を超える労働者を使用する事業場では、衛生管理者のうち少なくとも1人を**専任**の衛生管理者としなければならない。
- ウ常時500人を超え1,000人以下の労働者を使用する事業場であって、坑内労働または労働基準法施行規則第18条各号に掲げる業務に常時30人以上の労働者を従事させるものは、衛生管理者のうち少なくとも1人を専任にしなければならない。正答
- エ常時50人以上の労働者を使用するすべての業種の事業場は、衛生管理者を少なくとも1人選任しなければならないが、食料品製造業は除外されている。
- オ常時3,000人を超える労働者を使用する事業場において必要な衛生管理者の数は3人以上である。
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正しいのはウです。安衛則第7条第1項第5号により、常時500人を超え1,000人以下の事業場であっても、坑内労働または労働基準法施行規則第18条各号に掲げる有害業務に常時30人以上従事させる場合は、衛生管理者の少なくとも1人を専任としなければなりません。専任の閾値は「500人以上」ではなく「30人以上」である点が要注意です。
各誤り: ア→200人超〜500人以下は「2人以上」が正しく、「3人以上」は誤り。イ→専任義務の閾値は「1,000人を超える」事業場であり「800人を超える」は誤り。オ→3,000人超は6人以上であり3人以上は誤り。エ→衛生管理者の選任は全業種が対象で、食料品製造業も除外されていない。
衛生管理者の選任人数と専任要件(安衛則第7条):
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(誤): 安衛則第7条第1項第4号により「200人を超え500人以下」は2人以上の選任が必要です。「3人以上」という記述は誤りです(3人以上が必要なのは500人を超え1,000人以下の事業場)。
- イ(誤): 専任義務(衛生管理者としての業務のみに専従)は、安衛則第7条第1項第5号により常時1,000人を超える事業場で少なくとも1人を専任とすることが必要です。「800人を超える」という閾値は誤りです。
- ウ(正): 安衛則第7条第1項第5号ロにより正しい記述です。500人超〜1,000人以下であっても、坑内労働または労基則第18条各号の有害業務に常時30人以上従事させる場合は専任義務が生じます。専任の閾値は「30人以上」であり「500人以上」ではありません。
- エ(誤): 衛生管理者の選任義務は「全業種・常時50人以上」(安衛法第12条第1項)です。食料品製造業は除外されていません。
- オ(誤): 安衛則第7条第1項第4号により、常時3,000人を超える事業場は6人以上の選任が必要です。3人以上という記述は誤りです。
【理論的背景】
衛生管理者制度(安衛法第12条)は、職場における健康管理の専門担当者を制度的に確保する仕組みです。事業場の規模(労働者数)が大きくなるほど健康管理業務の負荷が増すため、選任人数は段階的に増加する設計になっています。また「有害業務への従事者数」という要素も組み込まれており、危険・有害業務が多い職場では少ない人数でも専任が求められます。
【実務・条文構造】
衛生管理者の選任人数の一覧(安衛則第7条第1項):
| 常時使用労働者数 | 必要人数 |
|--------------|--------|
| 50人以上200人以下 | 1人以上 |
| 200人を超え500人以下 | 2人以上 |
| 500人を超え1,000人以下 | 3人以上 |
| 1,000人を超え2,000人以下 | 4人以上 |
| 2,000人を超え3,000人以下 | 5人以上 |
| 3,000人を超えるもの | 6人以上 |
専任義務が生じる条件(安衛則第7条第1項第5号):
条件①: 常時1,000人を超える労働者を使用する事業場 → 衛生管理者のうち少なくとも1人を専任にしなければならない
条件②: 常時500人を超える労働者を使用し、かつ坑内労働または労働基準法施行規則第18条各号の有害業務(多量の高熱物体・低温物体を取り扱う業務、著しく暑熱・寒冷な場所における業務、有害放射線・粉じん・有害ガス等にさらされる業務等)に常時30人以上を従事させる事業場 → 同様に1人以上を専任(閾値は「30人以上」であり「500人以上」ではない点に注意)
専任の意味: 衛生管理者が「衛生に係る業務以外の業務(本来業務・他の管理業務)」を行わないこと。「専任」は「専属」(事業場専属)とは異なります。専任は業務内容の限定、専属は所属(他の事業場との兼任不可)の問題です。
業種制限: 安衛法第12条は全業種に適用されます(安全管理者・安全委員会が特定業種限定なのとは対照的)。食料品製造業・情報サービス業・金融業等も50人以上であれば選任義務があります。
【試験での位置づけ】
衛生管理者の選任人数(6段階)は暗記必須事項です。特に「3,000人超=6人以上」と「専任義務の2条件(1,000人超 または 500人超かつ有害業務に常時30人以上)」が頻出ポイントです。専任の有害業務従事者数の閾値が「30人以上」である点(500人以上ではない)は典型的な数値の引っかけです。「専任」と「専属」の区別、および「安全管理者の選任義務(業種限定)と衛生管理者の選任義務(全業種)」の違いも出題されます。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 200人超〜500人以下は「2人以上」が正しい人数です。「3人以上」が必要になるのは「500人超〜1,000人以下」の段階であり、人数段階を1つズラした典型的な誤り選択肢です。
- イ: 専任義務の閾値は「1,000人を超える」です。「800人を超える」のような中途半端な数値は条文に存在しません。専任の人数閾値(1,000人超)と有害業務の閾値(30人以上)を混同しないことが重要です。
- ウ: 「500人超〜1,000人以下であっても有害業務に常時30人以上従事させれば専任」という規定は、健康リスクの高い職場での衛生管理強化を意図しています。坑内労働(採掘・トンネル掘削)は特に粉じん・有害ガス等のリスクが高く、専任衛生管理者による継続的な管理が不可欠です。有害業務従事者の閾値が「30人以上」(500人ではない)である点が頻出の引っかけです。
- エ: 全業種適用(安衛法第12条)は衛生管理者制度の重要な特徴です。安全管理者は製造業・建設業等の危険業種に限定されるのとは異なります。
- オ: 6段階の人数要件のうち、最上位「3,000人超=6人以上」は頻出です。実務上、3,000人超の大規模事業場では6人の専任衛生管理者を置き、担当部門を分けて管理することが一般的です。
【根拠法令】労働安全衛生法 第12条(衛生管理者の選任義務)、労働安全衛生規則 第7条(選任人数・専任要件の詳細)
【補足】選任人数は6段階(50人→1人〜3,000人超→6人以上)。専任義務は「1,000人超」または「500人超かつ有害業務(労基則第18条各号)従事者が常時30人以上」。全業種が対象(業種限定なし)。
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法(安衛法)第12条(衛生管理者)、労働安全衛生規則(安衛則)第7条(選任人数・専任要件)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。