関係法令(有害業務以外)7安全衛生管理体制

衛生管理者 関係法令(有害業務以外) 問7:安全衛生管理体制

総括安全衛生管理者の選任義務に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 製造業の事業場では、常時100人以上の労働者を使用する場合に総括安全衛生管理者を選任しなければならない。
  • 総括安全衛生管理者は、必ず医師の資格を有する者のうちから選任しなければならない。
  • 総括安全衛生管理者の選任を要する業種・規模の事業場では、必ず衛生委員会の議長を兼任しなければならない。
  • 林業の事業場では、常時100人以上の労働者を使用する場合に総括安全衛生管理者を選任しなければならない。正答
  • 総括安全衛生管理者を選任すべき事由が発生した日から30日以内に選任し、遅滞なく労働基準監督署長に届け出なければならない。
正答:林業の事業場では、常時100人以上の労働者を使用する場合に総括安全衛生管理者を選任しなければならない。

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正しいのはエです。林業は安衛令第2条第1号に定める業種(屋外的業種)に分類され、常時100人以上の労働者を使用する事業場で総括安全衛生管理者の選任が義務づけられます。

各誤り選択肢の要点: ア→製造業は「300人以上」(100人以上ではなく)で選任義務が生じます。イ→総括安全衛生管理者は「事業場においてその事業の実施を統括管理する者」(工場長・事業場長等)から選任するもので、医師等の資格要件はありません。ウ→衛生委員会の議長は「総括安全衛生管理者またはそれ以外の者で事業の実施を統括管理する者」であり、総括安全衛生管理者が必ず兼任しなければならない規定はありません。オ→選任期限は「14日以内」(30日以内ではない)。

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総括安全衛生管理者の選任要件(業種別の人数閾値):

安衛令第2条は業種を3区分に分け、それぞれ異なる人数閾値を定めています。

各選択肢の正誤と根拠:

  • ア(誤): 製造業は安衛令第2条第2号の業種(製造業・電気業・ガス業等の工業的業種)に属し、常時300人以上で選任義務が生じます(100人以上は第1号の屋外的業種=林業・建設業・運送業・清掃業の閾値であり誤り)。
  • イ(誤): 総括安全衛生管理者は安衛法第10条第2項により「当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者」をもって充てるものとされ、工場長・事業場長等が選任されます。衛生管理者や産業医のような免許・資格要件はなく、「必ず医師の資格を有する者から選任」は誤りです。
  • ウ(誤): 衛生委員会の議長は安衛法第18条第2項第1号により「総括安全衛生管理者またはそれ以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者」であり、総括安全衛生管理者が兼任する義務はありません。
  • エ(正): 林業は安衛令第2条第1号(屋外的業種:林業・鉱業・建設業・運送業・清掃業)に含まれ、常時100人以上で選任義務が生じます。
  • オ(誤): 総括安全衛生管理者の選任期限は、選任すべき事由が発生した日から14日以内(安衛則第2条第1項)。30日以内は誤りです。

業種別選任人数(安衛令第2条):

  • 第1号(屋外的業種: 林業・建設業・運送業・清掃業等): 常時100人以上
  • 第2号(工業的業種: 製造業・鉱業・電気業・ガス業・熱供給業等): 常時300人以上
  • 第3号(その他の業種: 卸売・小売・金融・サービス業等): 常時1,000人以上
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【理論的背景】

総括安全衛生管理者制度(安衛法第10条)は、事業場の「経営上位者」が安全衛生管理全体を統括することで、安全衛生施策が実際の職場改善に結びつくようにするための仕組みです。安全管理者・衛生管理者といった専門的役割を持つ者が存在しても、経営層の関与なしには労働環境改善が進まないという現実への対応として設計されています。

「総括」という名称が示す通り、安全衛生管理全体の最高責任者として事業者の代理的役割を担います。したがって事業場の生産・管理部門を実質的に統括する地位(工場長・事業場長等)にある者が選任されるケースがほとんどです。安衛法第10条第2項は、労働者の危険・健康障害の防止措置、労働者の安全衛生教育、健康診断の実施、労働災害の原因調査・再発防止対策等を統括管理事項として列挙しています。

【実務・条文構造】

業種別選任人数は試験で最頻出の暗記事項です。

安衛令第2条による業種区分(選任人数の低い順):

1. 第1号(屋外系): 100人以上

林業・鉱業・建設業・運送業・清掃業

(危険性が高い屋外・重労働・物理的ハザードが多い業種)

2. 第2号(工業系): 300人以上

製造業(物の加工業を含む)・電気業・ガス業・熱供給業・水道業・通信業・各種商品卸売業・家具等の卸売業・各種商品小売業・家具等小売業・燃料小売業・旅館業・ゴルフ場業・自動車整備業・機械修理業

3. 第3号(サービス系等): 1,000人以上

上記以外の業種(卸売業・小売業の一般系・金融・保険・不動産・飲食サービス・情報通信等)

選任と届出の手続き(安衛則第2条・第4条):

  • 選任すべき事由発生から14日以内に選任
  • 選任後遅滞なく所轄労働基準監督署長に届出(様式第3号)

衛生委員会の議長との関係(安衛法第18条第2項第1号):

  • 議長は「総括安全衛生管理者またはそれ以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者」
  • 総括安全衛生管理者が選任されていない事業場(50人以上100人未満の一定業種等)でも、実質的な事業場の責任者が議長になれる設計です
  • 総括安全衛生管理者が自動的に議長になる義務はなく、実務では「工場長が総括安全衛生管理者と衛生委員会議長を兼任」するケースが多いが法的義務ではありません

【試験での位置づけ】

総括安全衛生管理者の問題は、「業種別の人数閾値(100人・300人・1,000人の3段階)」「選任期限(14日以内)」「職務の内容(統括管理)」の3点が核心です。製造業=300人(200人ではない)、林業・建設業・運送業=100人という数値の正確な暗記が必要です。選択肢アのように「製造業=300人」と正しい数値が埋め込まれることもあれば、「製造業=200人」という誤り数値が埋め込まれることもあり、問題ごとに正誤が変わるので文脈を正確に読む必要があります(本問では製造業=100人が誤りとして出題。正解は300人)。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 製造業の正しい選任人数閾値は300人以上(安衛令第2条第2号の工業的業種)。なお、「製造業」の定義は物の加工・変形・組み立て等を業とするものであり、食品製造・化学工業・電機製造等が含まれます。100人以上は第1号の屋外的業種(林業・建設業・運送業・清掃業)の閾値です。
  • イ: 総括安全衛生管理者には衛生管理者・産業医のような免許・資格要件はなく、「当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者」(工場長・事業場長等)を選任します。「必ず医師の資格を有する者から選任」とする記述は誤りです。なお産業医は安衛法第13条に基づく独立した専門職で、医学的判断に関しては独立性が保障されています(2018年改正)。
  • ウ: 衛生委員会の議長に誰が就くかは、事業場の規模・総括安全衛生管理者の選任有無によっても変わります。総括安全衛生管理者が選任されている場合、通常その者が議長を務めることが多いですが、「事業の実施を統括管理する者」であれば足りるため義務ではありません。
  • エ: 林業を含む「屋外的業種」は危険性が高く、同規模の第3号業種より低い人数閾値が設定されています。建設業・運送業なども同じ100人閾値であることを一覧として覚えておくことが重要です。
  • オ: 14日以内という選任期限は、安全衛生管理者全般(衛生管理者・安全管理者・産業医も同様)に共通です。「30日以内」とする誤り選択肢は繰り返し登場します。届出は「選任後遅滞なく」であり、選任期限と届出期限を別々に管理する必要があります。

【根拠法令】労働安全衛生法 第10条(総括安全衛生管理者)、労働安全衛生施行令 第2条(業種・人数要件)、労働安全衛生規則 第2条(選任期限14日以内)

【補足】製造業(工業的業種)=300人以上、林業・建設業・運送業・清掃業(屋外的業種)=100人以上、その他の業種(サービス業等)=1,000人以上の3段階を正確に覚えること。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法(安衛法)第10条(総括安全衛生管理者)、労働安全衛生施行令(安衛令)第2条(業種・規模要件)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

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