関係法令(有害業務以外)8安全衛生管理体制

衛生管理者 関係法令(有害業務以外) 問8:安全衛生管理体制

安全衛生推進者および衛生推進者に関する次の記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • 常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場では、業種によって安全衛生推進者または衛生推進者を選任しなければならない。
  • 衛生推進者は、衛生にかかる業務を担当する者として選任されるものであり、製造業など安全衛生推進者の選任が必要な事業場では選任できない。正答
  • 衛生推進者の選任を要する事業場において、第一種衛生管理者の免許を有する者は衛生推進者として選任することができる。
  • 安全衛生推進者または衛生推進者は、作業場等を定期的に巡視する職務を担う。
  • 安全衛生推進者または衛生推進者を選任したときは、当該事業場の労働者に対して当該者の氏名を周知しなければならないが、所轄労働基準監督署長への届出は不要である。
正答:衛生推進者は、衛生にかかる業務を担当する者として選任されるものであり、製造業など安全衛生推進者の選任が必要な事業場では選任できない。

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誤りはイです。製造業などの業種では「安全衛生推進者」を選任しますが、これは安全と衛生の両方を担う役割であり、衛生推進者と業務対象が異なるだけで、「製造業では衛生推進者を選任できない」という表現は正確ではありません。安全衛生推進者が選任される業種では衛生推進者は別途選任する必要がなく(安全衛生推進者が衛生面も担うため)、実質的に衛生推進者という役職が設けられない業種があります。ただし「選任できない」という断定的表現は制度上の正確な表現ではないため誤りです。

アは正しい(10人以上50人未満・業種で推進者の種別が変わる)。ウは正しい(一種免許保有者は衛生推進者の資格要件を満たす)。エは正しい(巡視が職務に含まれる)。オは正しい(届出不要・周知は必要)。

標準試験対策の基準レベル

安全衛生推進者・衛生推進者の制度概要:

衛生管理者の選任義務(常時50人以上)が発生しない事業場(10人以上50人未満)において、安全衛生管理を担う「軽量版」の制度として設けられています。

各選択肢の正誤と根拠:

  • ア(正): 常時10人以上50人未満の事業場で選任義務が生じます(安衛法第12条の2)。業種によって「安全衛生推進者」(安全管理者の選任義務がある業種)か「衛生推進者」(安全管理者の選任義務がない業種)かが決まります。
  • イ(誤): 製造業など安全管理者の選任対象業種では「安全衛生推進者」を選任しますが、「衛生推進者を選任できない」という表現は正確ではありません。正確には安全衛生推進者が安全・衛生の両方を担うため、当該業種では衛生推進者を別途選任する必要がないという関係です。「選任できない」と断定することが誤りの核心です。
  • ウ(正): 安衛則第12条の3により、衛生推進者の資格要件には第一種衛生管理者免許、第二種衛生管理者免許、医師・歯科医師のほか、所定の研修を修了した者等が含まれます。
  • エ(正): 安衛則第12条の6により、安全衛生推進者・衛生推進者の職務には作業場等の巡視が含まれます。
  • オ(正): 安衛則第12条の4第2項により、選任後に当該事業場の労働者への氏名の周知が必要ですが、選任の届出は不要です(衛生管理者等と異なる点)。
上級誤答論破・根拠法令まで深掘り

【理論的背景】

安全衛生推進者・衛生推進者制度(安衛法第12条の2)は、1988年の安衛法改正で創設されました。常時50人以上の事業場には衛生管理者・安全管理者の選任義務がありますが、小規模事業場(10人以上50人未満)には同等の義務を課すことが困難なため、資格要件を緩和した「推進者」制度が設けられました。

名称の使い分けは、「安全管理者の選任対象業種(安衛法第11条・製造業・建設業・林業等)=安全衛生推進者(安全+衛生を一人で担う)」「それ以外の業種=衛生推進者(衛生のみを担う)」という構造です。衛生のみに特化した「衛生推進者」は、工業的危険性が低い業種(情報サービス・金融・小売等)の小規模事業場に配置されます。

【実務・条文構造】

選任資格の要件(安衛則第12条の3):

衛生推進者として選任できる者:

1. 第一種衛生管理者免許を有する者

2. 第二種衛生管理者免許を有する者

3. 医師または歯科医師

4. 労働衛生コンサルタント

5. その他厚生労働大臣が定める者(都道府県労働局長登録の研修を修了した者等)

衛生管理者との資格要件の違い:

  • 衛生管理者: 免許証が必要(試験合格)
  • 衛生推進者: 研修修了でも可(資格要件が緩やか)

職務の内容(安衛則第12条の6):

1. 労働者の危険または健康障害を防止するための措置に関すること

2. 労働者の安全または衛生のための教育の実施

3. 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置

4. 労働災害の原因の調査および再発防止対策

5. 作業場等の巡視(職務の一つとして明示)

選任・周知・届出の比較(衛生管理者との対比):

| 項目 | 衛生管理者 | 衛生推進者 |

|------|-----------|----------|

| 選任義務 | 50人以上 | 10〜50人未満 |

| 選任期限 | 14日以内 | 14日以内 |

| 監督署への届出 | 必要 | 不要 |

| 労働者への周知 | 必要 | 必要 |

【試験での位置づけ】

この分野は「10人以上50人未満という対象規模」「安全衛生推進者と衛生推進者の業種による使い分け」「届出不要・周知必要という手続き」の3点が頻出です。衛生管理者(50人以上・届出必要)と対比して覚えることが効果的です。「10人以上」という下限も重要で、9人以下の事業場には選任義務がありません。また「衛生推進者の資格要件が衛生管理者より緩やかであること」(研修修了でも可)も出題ポイントです。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 「業種によって」という表現が重要。全業種一律ではなく、安全管理者の選任義務がある業種(製造業・建設業・林業等)では「安全衛生推進者」、それ以外では「衛生推進者」と使い分けます。実際には安衛法第11条(安全管理者の選任義務業種)の一覧と対応関係を把握しておくことが重要です。
  • イ: 「安全衛生推進者を選任する業種では衛生推進者という役職そのものは設置されない」が正確な理解。「選任できない」というより「その業種では選任の要件がない」という表現が正確です。試験では「できない」「してはならない」などの強い否定表現が誤り選択肢のサインになることが多いです。
  • ウ: 衛生推進者の資格要件(安衛則第12条の3)は衛生管理者より緩やかですが、試験では「第一種・第二種どちらの免許でも衛生推進者になれるか」が問われます。第一種・第二種どちらも可能です(衛生管理者では業種によって第一種のみの場合がある点と異なります)。
  • エ: 巡視義務は衛生管理者(週1回・安衛則第11条)と同様に、安全衛生推進者・衛生推進者にも定期的な作業場巡視が職務として課されています。ただし「週1回以上」という明示的な頻度規定は安衛則第12条の6には明記されていない点が衛生管理者と異なります。
  • オ: 届出が不要な理由は、小規模事業場の行政負担軽減です。衛生管理者・産業医・総括安全衛生管理者の選任届出(安衛則第4条)は必要ですが、衛生推進者は届出対象外です。氏名の周知(掲示・書面交付等)は労働者が誰に相談すればよいかを把握するために必要とされています。

【根拠法令】労働安全衛生法 第12条の2(安全衛生推進者等の選任義務)、労働安全衛生規則 第12条の2〜第12条の6(選任基準・資格・職務・周知)

【補足】衛生推進者は届出不要・周知必要。衛生管理者(50人以上・届出必要)との違いを対比で押さえること。製造業などは「安全衛生推進者」(衛生推進者とは別)。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法(安衛法)第12条の2(安全衛生推進者等)、労働安全衛生規則(安衛則)第12条の2〜第12条の6(選任要件・資格・職務)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

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