基本情報 平成22年度 春期 問64:ストラテジ系に関する問題
非機能要件の定義に該当するものはどれか。
- a業務を構成する機能問の情報 (データ) の流れを明確にする。
- bシステム開発で利用する言語に合わせた開発基準, 標準を作成する。 システム機能として実現する範囲を定義する。正答
- c他システムとの情報授受などのインタフェースを明確にする。
- dh へヽへい
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答えは b です。
要件は「機能要件」と「非機能要件」の2つ:
- 機能要件:「何ができるか」(ログイン機能、検索機能、注文機能…)
- 非機能要件:「どのくらいの品質・性能で動くか」(速度、応答時間、信頼性、開発時の言語ルール、運用ルール…)
選択肢bの「言語に合わせた開発基準・標準を作る」は機能じゃない部分のルール=非機能要件。
👉 覚え方:「機能=何ができる、非機能=どう動く・どう作る・どう運用する」。
ほかの選択肢:a データの流れ(=機能要件)/c 他システムとのインタフェース(=機能要件)/d 範囲を定義(=機能要件)。
なぜこれが正解か
正解は b。非機能要件は「システムが何を機能として持つか」(機能要件)に対し、「どのような品質・制約条件で機能を実現するか」を定義する。具体的には性能、信頼性、セキュリティ、運用性、保守性、移植性、開発基準・言語標準、テスト計画方針などが含まれる。「開発で利用する言語に合わせた開発基準・標準を作成する」は開発プロセスに関する制約条件で、非機能要件に該当。
各選択肢の解説
- a「機能間の情報フロー」:データフロー分析で機能要件の整理に該当。
- c「他システムとのインタフェース」:システム間連携の機能要件。
- d:選択肢文が不完全(OCR欠落)。
覚え方・ひっかけ注意
非機能要件の代表分類(IPA「非機能要求グレード」):(1) 可用性(稼働率、復旧時間)、(2) 性能・拡張性(応答時間、スループット)、(3) 運用・保守性(バックアップ、監視、保守時間)、(4) 移行性(旧システムからの移行)、(5) セキュリティ(認証、暗号化、ログ)、(6) システム環境・エコロジー(消費電力等)。「機能=動詞、非機能=形容詞」と品詞でイメージ。
理論的背景
非機能要件はISO/IEC 25010(旧ISO/IEC 9126、製品品質モデル)の8品質特性で構造化される:(1) 機能適合性(functional suitability:完全性、正確性、適切性)、(2) 性能効率性(performance efficiency:時間効率、資源効率、容量)、(3) 互換性(compatibility:共存性、相互運用性)、(4) 使用性(usability:適切認識、習得性、運用性、ユーザエラー保護、UI美しさ、アクセシビリティ)、(5) 信頼性(reliability:成熟性、可用性、障害許容性、回復性)、(6) セキュリティ(security:機密性、インテグリティ、否認防止、責任追跡性、真正性)、(7) 保守性(maintainability:モジュール性、再利用性、解析性、変更性、試験性)、(8) 移植性(portability:適応性、設置性、置換性)。日本ではIPA「非機能要求グレード」で6大項目237項目の網羅的チェックリストが提供される。
実務での使われ方
クラウド時代の非機能要件:(1) SLA(Service Level Agreement、稼働率99.99%等)の数値化、(2) SRE(Site Reliability Engineering)のSLO/SLI設定、(3) コスト最適化(FinOps、リザーブドインスタンス、Spot利用)、(4) GreenOps(CO2排出最適化)、(5) オブザーバビリティ(Metrics/Logs/Traces、OpenTelemetry標準)、(6) 災害復旧(RTO/RPO設計)、(7) コンプライアンス(GDPR、PCI DSS、HIPAA、各種業界規制)。アーキテクチャ意思決定記録(ADR)で非機能要件のトレードオフ判断を可視化する文化が広がる。Well-Architected Framework(AWS、Azure、GCP)は非機能要件評価のチェックリストとして実務標準。
試験での位置づけ
FE科目Aで機能/非機能の区別が頻出。応用情報・システムアーキテクト・ITストラテジストでは非機能要件定義の具体的記述、優先順位付け、トレードオフ分析(ATAM: Architecture Tradeoff Analysis Method)、品質特性シナリオ作成が論述対象。プロジェクトマネージャでは非機能要件の管理計画、変更管理プロセス、ステークホルダ合意形成が問われる。
選択肢の発展補足
要件工学のフレームワーク:ボレム(Wiegers)の要件管理プロセス、RUP(Rational Unified Process)の要件ワークフロー、INVEST原則(Independent/Negotiable/Valuable/Estimable/Small/Testable、アジャイル)、FURPS+(Functionality/Usability/Reliability/Performance/Supportability+設計/実装/インタフェース/物理)。UX要件は近年特に重視され、HEART Framework(Google:Happiness/Engagement/Adoption/Retention/Task success)、Jobs-To-Be-Doneでユーザの本質的ニーズを捉える。ESG要件(環境・社会・ガバナンス)も非機能要件に組み込まれる傾向で、システムのカーボンフットプリント測定、サプライチェーンの人権配慮も対象。AI/ML要件は新領域で、公平性(Fairness)、説明可能性(Explainability、XAI)、頑健性(Robustness、敵対的サンプル耐性)、プライバシ保護(Differential Privacy、Federated Learning)が非機能要件として整理されつつある。FE午後やITストラテジスト論述で具体事例ベースで頻出。
出典:IPA(情報処理推進機構)公式 基本情報技術者試験 平成22年度 春期 問64/ 公的機関配布資料につき出典明記の上引用。解説は合格ナビによる独自AI解説です。