基礎的な物理学及び基礎的な化学76熱量・比熱・熱膨張・熱移動

危険物乙四 基礎的な物理学及び基礎的な化学 問76:熱量・比熱・熱膨張・熱移動

比熱が 2.0 kJ/(kg・K) の液体3.0 kgを、20℃から50℃に加熱するために必要な熱量として、**正しいもの**はどれか。ただし加熱中に状態変化(蒸発・沸騰)はないものとする。

  • 60 kJ
  • 120 kJ
  • 180 kJ正答
  • 300 kJ
  • 600 kJ
正答:180 kJ

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正しいのはウ(180 kJ)です。熱量の公式 Q = mcΔt を使います。

  • m(質量)= 3.0 kg
  • c(比熱)= 2.0 kJ/(kg・K)
  • Δt(温度変化)= 50 − 20 = 30 K

Q = 2.0 × 3.0 × 30 = 180 kJ

計算の手順は「比熱 × 質量 × 温度差」です。単位をそろえると、kJ/(kg・K) × kg × K = kJ になります。

ア(60): 温度差を10と計算した誤り(例: 50−40)。

イ(120): 温度差を20と計算した誤り。

エ(300): 温度差を50そのまま使った誤り(20℃を引き忘れ)。

オ(600): 温度差100等の計算ミス。

温度差(ΔT)を「50」そのまま使う引っかけに注意。「変化量」なので50−20=30が正しいです。

標準試験対策の基準レベル

熱量の公式 Q = mcΔt の適用(確立した物理学):

Q = mcΔt は顕熱(温度変化を伴う熱)の計算式で、乙四試験の物理化学で最頻出の計算です。

  • Q: 熱量(単位はJ, kJ, cal等)
  • m: 質量(kg または g)
  • c: 比熱(J/(kg・K) または kJ/(kg・K) 等)
  • Δt: 温度変化(K または ℃・どちらでも温度差は同じ)

本問: Q = 2.0 [kJ/(kg・K)] × 3.0 [kg] × (50 − 20) [K] = 2.0 × 3.0 × 30 = 180 kJ

各選択肢の誤りパターン:

  • ア(60 kJ): Δt を 10 とした計算ミス(50−40 など)。
  • イ(120 kJ): Δt を 20 とした計算ミス(50−30 など)。
  • ウ(正・180 kJ): 正しい計算。
  • エ(300 kJ): Δt に終温の「50」をそのまま使った誤り。温度変化は差分(50−20=30)である。
  • オ(600 kJ): 温度差を100等に誤った計算ミス。

乙四試験の計算問題の特徴: 乙四の計算は四則演算で解ける単純なものだけが出題されます。Q=mcΔt の「Δt は終温から始温を引いた差分」を一点だけ確実に押さえてください。

上級誤答論破・根拠法令まで深掘り

【理論的背景:比熱の物理的意味】

比熱(specific heat capacity)は「物質 1 kg を 1 K(1℃)上昇させるのに必要な熱量」を表す物質固有の値です(単位: J/(kg・K) または kJ/(kg・K))。比熱が大きい物質ほど同じ熱量を与えても温度が上がりにくく、逆に冷えにくい性質を持ちます。

代表的な比熱(参考値):

  • 水: 約 4.2 kJ/(kg・K)(比熱が大きいため冷却材・消火剤として優秀)
  • 鉄: 約 0.45 kJ/(kg・K)
  • 有機液体(油類): おおむね 1.5〜2.2 kJ/(kg・K) 程度(水よりかなり小さい)
  • 空気(定圧): 約 1.0 kJ/(kg・K)

水の比熱が油類の約2倍であることが、水を消火剤(冷却)に使う合理的根拠の一つです。ただし第4類危険物への注水は液面拡大・延焼の問題があるため、冷却効果があっても原則使用しない(窒息消火が優先)。

【Q = mcΔt の拡張:物質間の比較】

同じ熱量を与えた場合:比熱が小さい→温度変化大、比熱が大きい→温度変化小。

  • 例: 1 kJ の熱量を同じ質量(1 kg)の水と有機液体(比熱 2.0)に加えた場合:

- 水: Δt = 1/4.2 ≒ 0.24 K

- 有機液体: Δt = 1/2.0 = 0.5 K(水の約2倍の温度上昇)

これは消火活動の観点でも重要(油は水より少ない熱量で大きく温度が上がる)。

【各選択肢の発展補足】

  • ア(60 kJ): Δt=10 の誤り。40℃と50℃の差を計算したと考えられる。
  • イ(120 kJ): Δt=20 の誤り。30℃と50℃の差等。
  • ウ(正・180 kJ): Q = 2.0 × 3.0 × 30 = 180 kJ。
  • エ(300 kJ): Δt=50(終温をそのまま使用)の典型的ミス。「温度変化」は差分であることを再確認。
  • オ(600 kJ): m か c か Δt の大きな計算誤り。

【試験での位置づけ】

乙四試験の計算問題は Q=mcΔt が最頻出(数値を変えて繰り返し出題)。「Δt は差分」「単位をそろえる」「比熱の数値を正しく代入」の3点を確実に押さえることで確実に得点できます。高度な計算(積分・微分・化学平衡定数)は出題されません。

【根拠】確立した物理学(熱量の公式 Q = mcΔt)。

【補足】Q = 2.0 × 3.0 × 30 = 180 kJ。Δt は終温 − 始温(差分)。比熱の意味(1 kg を 1 K 上げる熱量)。

<!-- 監修確定 2026-06-05(legal-reviser): 検算 Q=2.0×3.0×(50-20)=2.0×3.0×30=180 kJ。正答ウで一意。誤答ア60/イ120/エ300/オ600 はいずれも180と重複せず二重正答なし。確定。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 確立した物理学(熱量の公式 Q = mcΔt)。Q = 2.0 kJ/(kg・K) × 3.0 kg × (50 − 20) K = 2.0 × 3.0 × 30 = 180 kJ。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

関連論点

熱量計算 Q=mcΔt・灯油の加熱(Wave1と異なる数値頻出度B

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