危険物に関する法令30貯蔵・取扱の基準

危険物乙四 危険物に関する法令 問30:貯蔵・取扱の基準

危険物を貯蔵するタンクの容量と空間容積に関する次の記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • タンクの容量は、タンクの内容積に等しい。
  • タンクの容量は、タンクの内容積から空間容積を差し引いた容積をいう。正答
  • タンクの空間容積は、内容積の50%以上としなければならない。
  • 危険物は、タンクの内容積いっぱいまで満たして貯蔵するのが原則である。
  • 空間容積を設ける理由は、温度上昇による液の膨張を吸収する必要がないからである。
正答:タンクの容量は、タンクの内容積から空間容積を差し引いた容積をいう。

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正しいのはイです。タンクに入れてよい量(容量)は、タンクの全容積(内容積)から、上部にあえて残す空間(空間容積)を引いた分です。

  • ア(誤): 容量=内容積ではない。空間容積を引いた分。
  • イ(正): 容量=内容積−空間容積。
  • ウ(誤): 空間容積は50%もとらない。おおむね5〜10%。
  • エ(誤): 満タンにはしない(あふれ防止)。
  • オ(誤): 空間容積は液の膨張を吸収するために必要。「必要がない」は逆。

「容量=内容積−空間容積(空間は5〜10%)」を覚えます。

標準試験対策の基準レベル

タンクの容量と空間容積(危規則第2条):

タンクに法令上貯蔵できる「容量」は、タンクの内容積そのものではなく、上部に確保する空間容積を差し引いた量です。

  • 容量 = 内容積 − 空間容積(イ=正)。
  • 空間容積は、内容積のおおむね5%〜10%(5/100〜10/100)(ウ=誤の根拠:50%は誤り)。
  • 危険物を満タンにすると、温度上昇で液が膨張したときにあふれるため、満タン貯蔵はしない(エ=誤)。
  • 空間容積を設ける目的は、温度上昇による液の膨張を吸収し、あふれ・内圧上昇を防ぐこと(オ=誤:「吸収する必要がない」は逆)。

引っかけパターン:

  • 容量=内容積とする誤り(ア)
  • 空間容積を「50%以上」とする過大な数値(ウ)
  • 満タン貯蔵を原則とする誤り(エ)
  • 膨張吸収の目的を否定する逆転(オ)

「容量=内容積−空間容積/空間は5〜10%/膨張吸収のため」をセットで。

上級誤答論破・根拠法令まで深掘り

【理論的背景】

液体は温度が上がると体積が膨張します(熱膨張)。第4類危険物のような引火性液体をタンクに満杯まで入れると、気温上昇や加熱で液が膨張したときに逃げ場がなくなり、通気管からの噴出・タンクの変形・あふれ(オーバーフロー)を招きます。あふれた引火性液体は静電気や火気で引火し大事故につながります。これを防ぐため、タンク上部に意図的に空間容積を残し、膨張分を吸収できるようにします。法令上の「容量」は、この安全余裕を差し引いた実際に入れてよい量として定義されます。

【実務・条文構造】

危規則第2条がタンクの空間容積を定めます。

  • 容量の定義: タンクの容量=内容積−空間容積。
  • 空間容積: 通常、内容積の5/100〜10/100(5〜10%)。すなわち容量は内容積の90〜95%程度。
  • 消火設備との関係: タンク上部に固定式の泡放出口等を設ける場合は、その放出口の下方0.3〜1m未満の範囲の容積を空間容積とする等、消火設備に応じた特例がある。
  • 物理化学との接続: 体膨張の大きさは「体膨張率×元の体積×温度変化」で見積もれる。引火性液体の体膨張率は水より大きいものが多く、温度変化に対する膨張が無視できないため空間容積が重要になる。

【試験での位置づけ】

タンクの容量・空間容積は、(1)容量=内容積−空間容積、(2)空間容積はおおむね5〜10%、(3)目的は液の膨張吸収(あふれ防止)、(4)満タン貯蔵はしない、の4点が定番です。誤答は「容量=内容積」「空間容積50%」「満タン原則」「膨張吸収不要」のように、安全余裕の意味を否定・過大化して作られます。本論点は物理化学の「熱膨張」と直結しており、なぜ空間を残すのか(液は温度で膨張する)を理解すれば、数値(5〜10%)も意味づけて覚えられます。タンク容量は防油堤容量(110%)や指定数量倍数の計算の前提にもなるため、定義を正確に押さえておきます。

【各選択肢の発展補足】

  • ア(誤): 容量は内容積から空間容積を引いた値。内容積そのものではない。
  • イ(正): 容量=内容積−空間容積。
  • ウ(誤): 空間容積はおおむね5〜10%。50%以上は過大で誤り。
  • エ(誤): 満タン貯蔵は膨張時にあふれる。原則は満タンにしない。
  • オ(誤): 空間容積は液の膨張吸収のために必要。「必要がない」は逆。

【根拠法令】危険物の規制に関する規則第2条。

【補足】タンク容量=内容積−空間容積/空間容積はおおむね5〜10%/目的は液の熱膨張吸収・あふれ防止/満タン貯蔵はしない。物理化学の熱膨張と直結。

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 危険物の規制に関する規則第2条(タンクの空間容積)。タンクの**容量=内容積−空間容積**。空間容積は通常、内容積のおおむね**5/100〜10/100(5〜10%)**とする。空間容積を設けるのは、温度上昇による液体の膨張を吸収し、あふれ(オーバーフロー)を防ぐため。したがって満タン貯蔵はしない。 現行の消防法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

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